どんな研究室なの?

 私たちの日々の暮らしは、あらゆるモノで支えられています。一つのモノを作り出すためには別のモノが必要となり、その別のモノもまた違うモノを必要とします。そして、それぞれのモノを作り出すプロセスで、資源・エネルギー・人の力 (労働力) が消費され、その裏で環境問題の原因となる環境負荷物質 (例:CO2) が発生します。本研究室では、こうしたモノとモノの生産の繋がり (サプライチェーン) とそれに紐づく諸問題の要因を定量化することで、私たちの暮らしが波及的に自然環境や人間社会に及ぼす影響について考察しています。このような俯瞰的な環境問題の捉え方を「環境システム思考」と言い、企業のサプライチェーン温室効果ガスを測るScope3算定基準や国際標準化機構 (ISO) に沿ったライフサイクルアセスメント、すべての国連加盟国が持続可能性な発展を追求するためのSDGs、現代社会における環境問題を可視化する制度・ツールとも密接に関わっています。

 サステナブルライフスタイル研究室では、将来のカーボンニュートラルの実現を見据えて、持続可能なライフスタイルの実現を目指す研究を行っています。カーボンニュートラルの実現にはこれまでにない革新的な技術発展が不可欠と考えられますが、いくら開発できてもそれとは別の関連技術やインフラに必要な分も含む資源と労働力なしには、社会に十分普及しませんまた、その資源を利用することで別の環境破壊や社会課題を引き起こしてしまう恐れもあります (例:紛争鉱物)。そして、私たちの暮らしが今以上にCO2等の温室効果ガスを出すようになれば、いくら技術が普及してもカーボンニュートラルは極めて困難と言えます。一方で、カーボンニュートラルを実現させるために、私たちの暮らしが根底から覆され、社会経済的に成り立たなくなってしまっては、元も子もありません。つまり、環境・社会・経済のすべての要素がある一定以上の水準で満たされた状態のライフスタイルを、できるだけ多くの人々が享受でき、そして維持していけることが、本当の持続可能なライフスタイルです。

 そこで私たちは、現在の暮らし、さらには将来の暮らしを支えるであろうモノに広く注目し、環境システム思考をもとにモノの消費由来のサプライチェーン影響を定量化しています。例えば、「小中学校の教科書が紙から電子書籍になることは環境にやさしいか?」「オンライン通販はファストファッションの在庫問題をどの程度緩和してCO2削減に貢献できそうか」「コロナ禍で人々の生活は職業別にどのように変化し、CO2にどんな影響があったのか?」といった身の回りの事象と環境問題の関係を考えてます (過去の卒業研究)。このように、研究室では、学生一人一人が自分なりの視点を持ちながら環境システム思考を身に付け、広い視点で国内外の環境問題に関わる研究にチャレンジしていくことができます

研究の活動内容 (ON)

研究以外の活動内容 (OFF)

こんな人、募集しています!

どれか一つでも当てはまったら、自由に当研究室を訪ねてください