カホン
(cajon)
製作日記
【第一期】箱作り
カホンを知ったきっかけ
カホンを知ったきっかけ
スターバックスでのクリスマスコンサートで、始めて見ました。
過去にも見てたのかも知れませんが、強烈に印象に残りました。
そもそも、授業に音(楽器)を取り入れたいし、
みんなが歌う間の手や、路上での弾き語りで、何か手軽に楽器をしたいとも考えていました。
でも、ギターとかは難しいので、当初は、「ハンドパン」の購入を考えていた。
ただ、ハンドパンは、高価だし、修理が自力では難しそうなのに、窓口が安定しない。
【閑話】
ここだけのお話しですが、噂によると、このスターバックスは、スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京のオープニング時の担当の方が奈良に来られているコア店らしいんですよ。
わざわざ東京に行かなくても、気軽にスタバの神髄を楽しめるコア店であり、そんなお店が奈良にある不思議と幸せ。ちょっと遠出になるんですが、たまに出没しています。
カホンの要は、打面の板。その板が選べる!
さらに、メールを通して対話(セッション方式)をすることで、
よりよい、自分のカホン作りを親身に協力してくれる。
授業で、対話(セッション方式)を重視しているので、対話のコツを児童・生徒に教える必要がある。(教導団のような立ち位置)
だから、質問や共感や間の手の入れ方は、上手であり、引き出すの能力は高い。
さらに、作り手の「あいはらの木」さんの懐の深さゆえに、色んなギミックを取り入れたオリジナルカホンの下準備ができた。
本当に、ありがとうございます。
この経験が、良い授業に対する研修になりました。
LBXのビスポークビルド以上の濃厚なやりとりができました。
※おそらくの想像上の比較です(笑)
ビスポークビルドとは
【捕捉資料】
①産業革命以降の今まで
少品種大量生産=明治時代からの義務教育=工場の生産体制
②IT革命以降
第一段階:多品種少量生産
第二段階:個別大量生産(多品種大量生産。私は、個別適量生産と呼んでいる。)
トヨタレクサスが、受注量が少なく、ベルトコンベアの大量生産をできない超高級車の手法である「ビスポークビルド」を量産車に試験的に取り入れる。
※内容からは、破格の値段だが、元の車体価格が高いので、破格に見えないのが「玉にキズ」。
「自分だけのクルマ」の夢とレクサスLBXの「ビスポークビルド」の距離|自動車ジャーナリスト金子浩久の「718ボクスター日乗」(第8回)
youtube動画は、直接「ビスポークビルド」ではないが、ある意味大量生産のようで大量生産では無いGRヤリスのシステムを移植して開発されているLBXの高出力版。
※トヨタのPVの演出の完成度は、本当に神がかっている、時代を先読みして、良い表現をする。
靴と車の色とか、モリゾウの会話に合わせて、突然(逆に不自然なほど)自然に話し出すトヨタコネクトとかね。
打面は、迷って、迷って、考え抜いて選びました。
表打面:好きな木目のヒノキ化粧合板 (突板化粧合板)
裏打面:より硬く硬質な音が出せるバーチ共芯合板
しかし、「あいはらの木」さんの判断で、バーチ芯合板の在庫が一つで、反りがきついと言うことで、次に硬質なシナ共芯合板がオマケでついてきました。
ありがとうございます。
これで、バーチ共芯合板の加工に失敗しても、カホンは完成する。
反りがきついとはいえ、珍しい3㎜バーチ共芯合板を入手できたのは、ラッキーです。
ここからは、技術屋の腕の見せ所です。
※反りがきついのは、テンションが高いからでしょうね。つまり、硬い合板だと思います。
合板は5mm以下になると、だいたい多少の反りやねじれを内包します。
だから、反っていることは何も不良品ではありません。
これは、日頃から、合板を触っているから、わかる感覚です。
バーチ共芯合板使用 カホンキット販売を開始しました!
実に、綺麗な木目である。側面や天板などのシナ共芯合板の木目も綺麗。
そして、充実した説明書や付属の道具。
これだけあったら、工具が無くても今すぐできる。
①音の出入り口になるホーンを底部に持ってきました。
その理由は、以前より、バックロードフォンに興味があって、色々調べていたので、その技術も活用したく思ったからです。
(知識はあるけど、実際にバックロードフォンはつくったことありませんけどね。)
②作業用の角イスっぽく見せるために、天板に持ち手の穴を付けてもらいました。
これで、簡単に持ち運びできます。
この穴は、内部に箱を作って密閉するか、あとで、ふさぐふたを付けて運用する想定です。
このような色々なリクエストにも応えていただき、ありがとうございます。
★計画的に下準備をすればするほど、完成時の質感が上がる。
勝負は、設計や下準備や下処理で決まる。
★作業後半の努力より、作業前の手間ひまが大切。
だから、より良い完成をめざして、急がば回れ!
まとまった時間と、自分の集中力を考え、早く作って演奏したいけど、がまん、がまん。
※この説明書丁寧な説明書が、組立時の混乱を呼び込むことになるとは、知るよしも無かった。
①まずは、仮組。精度が良いので、組立が簡単そう。
穴の加工も丁寧で、本当にたすかる。
②合板の反りの確認。
バーチ共芯合板の反りは、きついのは事実。
③塗装前の素地みがき。
天板の足の当たる部分は念入りに面取り。
ただし、打面の加工を省くために、天板の四隅の角はそのままにしておく。
これ、計画的な手抜きですが、
それだけではなく、美的観点からも、立方体として美しくするために角は残しています。
④これほど、木目が切れだと、当然、塗装での着色の必要はない。
木の良さを前面に出した塗装をします。
※良い物は、良い。ただただ、それだけに価値があり、加工技術を駆使する必要も無く、そのままを生かしたい。
ハンバーグは美味しいですが、元々、硬くて美味しくない(鮮度も怪しい)くず肉を美味しく食べる工夫の先にハンバーグが誕生しました。
上質のステーキ肉をハンバーグにする必要はないのです。
それと同じで、今回の塗装も、木目を前面に押し出した塗装にしたい決心がつきました。
①板の裏表で、日光に当たるかどうかが違います。
その事で、乾燥の差が生まれることで、反ることがあります。
②太陽光が当たらなかった面に太陽光をあて、重りを置く事で、反りが戻る可能性もあります。
③ある程度、戻ったような気がしますが、誤差程度でした。
そこで、塗装時に塗料が固まるタイミングで矯正をしたいと思います。
①地味な作業ですが、塗料とハケの選定
②塗料は、種類で打面の硬度が変わります。
お手軽は、ウッドワックスですが、今回は、硬化させたいので、ウレタン系塗料(被膜系)を選択。
簡単に濡れて、より良い塗装を探して、二液性の水性ウレタンニスを選択。
これが、今回は大正解でした。
塗料で音も変わるよ!自作カホンに適した塗料について解説!
③地味な存在で、ケチりがちですが、今回は、ハケにもこだわりました。
二本買うのは、万が一用の予備です。
購入後、ハケを水につけたり、しごいたりして、毛の抜けを試しました。
今回は、毛の抜けの無かった右側の高かった方に決定。
左も、安くはないのですが、毛が抜けました。天然の動物の毛には、個体差がありそれが抜けているのだと思います。
【閑話】
個人的には、赤身(心材)という希少部位のハケの柄に心ひかれて買いました。
誤差程度でも、心材は、辺材より、水に強く、強度もあるので、同じ商品のかなで、この柄のハケを選びました。
①慎重に塗装をするために、塗装は、春休みまで待ちました。
しっかり、ビニールを敷き詰め、板を浮かし、汚れ対策をしてしました。
春休みだから、広々と部屋を使って、24時間乾燥をじっくりできる。
※これは、実技教科の研修です。遊びや趣味ではありません。
②二液をよくふって混ぜると、細かな気泡ができるので、説明書には30分待つとあるが、使い慣れてくると、新たに作ったときに、1時間待ってしっかり泡を抜きました。
③底部と天板の塗装の差を見てください。
底部は、今後バックロードフォンで音の通り道になるので、塗装はしていません。
④当然、塗装面は膨張しますから、今まで歪みの無かったシナ共芯合板がそれいました。
バーチ共芯合板もそうですが、裏面を塗らしたり、裏面の下に濡れた紙を置いて、保水するなどして、板の両面が水分で等しく膨張するように工夫しました。
⑤一度塗りの後、説明書では400番とありますが、素地みがきで使った240番のよれた紙やすりを使いました。
最初の塗装の時、気泡がついた板があったので、320番の紙やすりをこすりあわせてよれさした物も使って、しっかり気泡に穴をあけました。
⑥最初の塗装時に、木目が毛羽立って塗料で固定されます。
❶素地みがき
❷一度目の塗装
・板に塗料を染みこませる
・板の表面がささくれ立ってザラザラになる
❸塗料面の素地みがき
・ザラザラとしたささくれ立ちを素地みがきする
❹二度目の塗装
・塗料が染みこまず、ザラザラもないので、より表面を平面に塗れる
❺三度目の塗装
・塗っててもわかるが、ハケが明らかにすべる滑らかさ
結局、バーチ共芯合板は、反りました。
しかし、裏面を適切に湿気させると、平面がとれます。
①塗装したことで、塗装面が湿気に影響しないようになる。
②裏面の湿度管理をするだけで、平面の調整ができ、調整が容易になった。
カホンキット製作14
https://twitter.com/3dprinterpuzzle/status/1773750532567617755
では、ネジ止め前の仮組で、隙間無く本体に置かれたバーチ共芯合板の写真があります。
塗装を最初に行っているので、あとは、組立だけ。
①マスキングテープを外し、塗料が侵入して盛り上がっている部分を削る。
②仮組立で、直角を確認しながら、作業工程の確認と、必要な道具の適切な置き場の確認。
下準備が組立のできを左右するので、ここでも慎重に事を運びます。
③接着材による組立
今回は、組立作業の短時間かを想定して、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系(通称:木工ボンド。ちなみにボンドはコニシ株式会社の商品ブランド名なので、セメンダインもある。)ではなく、スチレンブタジエンゴム系を利用しました。
接着材も、万が一を想定して二種類用意したので、キット付属の接着材と合わせて、3つです。
④一見、丁寧な説明書に見え、安心していたのですが、その安心が仇となりました。
慣れない組立って、説明書あっても、読んでも、理解が上の空になるので、より良い説明が求められます。
バージョンアップの残滓か説明にあり、説明に統一感が無かったのです。
しかし、経験と経験を通して培われた勘があるので、大事には至りませんでした。
⑤餅は餅屋
教える事に特化した技術屋だから、感じた事。
・説明書は、まず第一に、QRコードを前面に出して、最新の説明をyoutubeで更新する。
実際、良い動画を用意されています。
当日、作る事で舞い上がっていて、再度これを見るのを忘れていた。そのために、ワイヤ部分の調整が今後必要なんですよね(苦笑)
・紙資料も大切ですが、これはQRコードの台紙であり、補助的な物にとどめるべきでだと感じました。
問題は、最新の動画へのアクセスが説明書から容易ではなかった点です。
理由は、人類は文字情報より、声での伝達の方が歴史が長く、紙より声と視覚の説明の方が、理解しやすいからです。
①カホンとは、箱という意味であり、無事、カホンは完成しました。
・丁寧な塗装をしたので、本当に高価格帯のカホンのような見栄えです。
・ただ、音は奥が深いので、チューニングにはもう少しかかります。
音楽の造詣が浅く、ノウハウが無いからです。
②底部の設計と加工
実物物が無いと、思考しにくいので、これでやっと、底部の設計のスタートラインに立ったって感じです。
だいたいの構想はあるのですが、あとは、バランスです。
物作りをする者に求められるのは、製作時間と、作業工程の工数と難易度と、完成してからの運用上の理想とのバランスです。
ワイヤー(弦)のバズ音の調整と、性能(耐久性)の向上化へ
合板から竹串にすることで、繊維の硬さと、繊維方向の向きをより丈夫にする。
※作業工程の省略や時短(一日寝かせていない)をしているので、完全に塗装や接着材が固まっていないのですが、経験則からできると判断し、打面を固定しました。
この判断は、読み通り上手くいきました。
テンションをかけたワイヤーで竹串を圧着することで、竹串が余分なテンションのかかる位置から適正な場所にズレて固定できました。事実、3カ所の竹串は、どれも等しくズレて綺麗に固定できていました。
見せる塗装ではなく、硬度を上げる塗装
金属のネジやワイヤーの当たる部分の補強
塗装をすることで、若干の木材の硬化をねらう。
スナッピーの場所の修正
バスドラムを意識して、たたく場所によって、よりバズ音の強弱がつくように修正
・ワイヤー(弦と)スナッピーの音色の違いについての動画
いまさら聞けない?!カホンの弦タイプとスナッピータイプの違い!
音の反響とか、高音や低音の調整とか、
終わりの無い旅の第一歩も始まりました。
第二弾!忍カホン、内部の構造を公開!【川本楽器工房】バイクでゆく!日本一周カホンの旅
さらに、エッジの音の追加
TOCA Cajonのエッジサウンドの作り方【動画】
よりバズ音を響かせるため内部に鈴が内蔵 したカホン
カホンへの鈴の取付も、色んな方法がある。
打面のネジ止めも、一回目と違います。
・ネジ穴を塗料で硬化させる。
・仮締めの時に、軽くたたいて、歪みを抜く。
ゴムの足を付けて、とりあえず、これで普通のカホンとして使えます。
今後、じっくりと、底部の「バスレフダクト」のような短いけど「バックロードホーン」ぽいのを設計して、製作していきたいです。
今後、普通のカホンとして使いながら、じっくり良いのを作って行きたいです。
→PDCA
「(他人が作った)物差しに、自分を合わせるのでは無く、
自分の作りたい物に合った物差しを自ら作る。」
このことが、物作り(技術)を学ぶ上で、一番大切な 人生の学びだと思っています。
ガイダンス(最初の授業)に投入
・主体的・対話的で深い学び
・課題発見・問題解決
・STEAM教育
・GIGAスクール構想
そして、カホン。
音のチューニングを、授業と並行して作業しています。
(スナッピーの位置変更や、エッジ音や鈴の追加など)
本当に、音は底なし沼です。
カホン底部に追加する部分の構想もだいたい固まってきました。
まとまった時間を見つけて、作って行きたいと思います。
地道に、カホンキット 想-OMOI- 両打面タイプ の製作をネット上で公開していたら、プレゼントをいただきました。
ありがとうございます。
これも、対話を重視したSTEAM教育を模索してきた一つの成果(結実)だと、思っています。
授業の小ネタに最適なサプライズありがとうございます。
・中身も色々試しましたが、ベタすぎますが、小豆が一番良かったです。
・表面はウッドワックスですが、内側は、高い音を出すために、水性ウレタンニスを塗って表面の硬度を上げています。(さほど差は無いかも知れませんが、可能性にかけて挑戦しています。)
・香り付け(虫除け)にお香でいぶしています。この効果は、作っている私にも費用対効果は謎です。
・虫対策に唐辛子も入れました。唐辛子は種の音もするのですが、その音が耳で聞き取れてるのかも謎です。
このような一件無駄な行為をする発想が、新しい何かに気づくきっかけになるかもしれません。
だから、無駄をそぎ落としすぎた授業は、テスト勉強には効果的かも知れませんが、つまらなくなると思っています。
お米で例えると、美味しく感じる白米を食べるより、玄米を食べた方が健康には良いのとよく似た事だと思っています。
底部の製作(第三期)も、今後、作業が進み次第、お知らせしたと思います。