参加者の皆様へのお願い
・講演中は講演者だけマイクオン、それ以外はオフしてください。
・講演者は自分のPCで画面共有していただきます。不安がある場合は実行委員長に事前にファイルをメール等で送付してください。
・質疑応答のときは、発言者は名乗ってから発言してください。
・ビデオは通信速度に影響がありそうだったら原則オフとさせていただきます。
・両日とも遅くとも開始1時間前からZoomのホスト(東工大)を立ち上げておきますのでテストをして頂けます。
Zoom(Web会議)によるリモート参加・口頭発表となりました。
参加申し込みをされた方にはメールにてアクセス先をお送りしますのでご確認下さい。
2020年2月29日〜3月1日
東京工業大学大岡山キャンパスELSI-I(石川台7号館)はキャンセルしましたのでZoomのみの参加となります
1日目 2月29日(土)口頭発表 講演12分・質疑3分
12:30-13:30 Zoomのテスト
13:30-13:35 佐藤文衛実行委員長より挨拶
13:35-13:40 事務局より諸連絡
セッション1 (招待講演 座長:加藤賢一)
13:40-15:00 【招待講演】 竹田洋一氏(国立天文台)「恒星分光学の今昔」
セッション2 (一般講演 座長:松本 桂)
15:00-15:25 ポスター紹介 (一人6分 質疑込み)
p1岸本浩「StarAnalyser100を用いた高校地学スペクトル観測教材の開発(予報)」
p2安藤和子「共生星MWC 560の低分散・高分散分光観測」
p3渡邉和明「直視分光器「VEGA」用スリットビューアの開発」
p4片平順一「プレオネ伴星のperiastron通過時のバルマー輝線変動」
15:25-16:00 休憩
16:00-16:15 発表①加藤賢一「W UMa型近接連星系の特異なスペクトル」
16:15-16:30 発表②山村春香「Tタウリ型星V523 Oriの測光・分光観測」
16:30-16:45 発表③西村昌能「B・A型星における微視的乱流速度について」
16:45-17:00 発表④谷口大輔「赤色超巨星の有効温度—近赤外線YJバンドに現れる鉄吸収線ペアのライン強度比を用いた決定」
17:00-17:15 発表⑤海老塚 昇「すばる望遠鏡及び次世代大型望遠鏡用の新しい回折格子 IV」
17:15-17:30 発表⑥城 知磨「SDSS 分光データを用いた狭輝線領域の形成に関する調査」
2日目 3月1日(日)
9:00−9:30 Zoomのテスト
セッション3(小型分光器 座長:本田敏志)
9:30-9:45 発表⑦大島 修「ベテルギウスの20年間のUBVRI測光と低分散スペクトルの変化」
9:45-10:00 発表⑧石田光宏「カシオペヤ座γ型変光星における水素輝線等価幅のモニタリング」
10:00-10:15 発表⑨坂江隆志「自作分光器による太陽観測(Ⅳ)~CaⅡK線による太陽周期活動の評価~」
10:15-10:45 ディスカッション「小型分光器の教育・研究利用」
10:45-11:15 休憩
セッション4(一般講演 座長:野上大作)
11:15-11:30 発表⑩内藤博之「新星V1280 Scoに見られる速度幅の狭いダブルピーク輝線の起源」
11:30-11:45 発表⑪川端美穂「京都大学3.8mせいめい望遠鏡における近傍銀河に現れた超新星の分光観測」
セッション5(系外惑星)(座長:泉浦秀行)
11:45-12:00 発表⑫大宮正士「近赤外ドップラー装置IRDによるM型矮星周りの系外惑星探索」
12:00-13:15 昼食休憩
13:15-13:30発表⑬石川裕之「近赤外高分散スペクトルに基づくM型矮星の組成決定法の連星系を用いた検証」
13:15-13:30 発表⑭佐藤文衛「せいめい望遠鏡による高金属量巨星周りの系外惑星探索」
13:30-14:30【特別講演】平野 照幸(東京工業大学)「分光観測を用いたトランジット系外惑星探査の現状」
―15:00 修了行事 来年度の研究会について
「恒星分光学の今昔」 竹田 洋一 氏(国立天文台)
1920年サハの電離平衡理論により恒星定量分光解析の基礎が築かれてから百年になりますが、私はその半分にも満たない四十数年を経験したに過ぎません。しかしそれでも私の学生時代にやっていたことと現在を比べると「これが同じ学問なのか」と驚きと隔世の感を禁じ得ません。大規模な観測による大量良質のデータ、高精度解析の手法、多様な公開ツールの利便性、を享受できる現代の研究者は恵まれていますが、一方古き良き時代の魂のようなものは徐々に失われつつあるようにも見えます。故きを温ねて新しきを知ることは今後のこの学問のあり方を考える上でも有用でしょう。恒星分光の観測手法、スペクトルの整約と解析、大気モデルや線形成の理論、がどのように変貌また進歩してきたかを自分の経験も交えてお話ししたいと思います。
「分光観測を用いたトランジット系外惑星探査の現状」平野 照幸(東京工業大学)
本講演ではトランジット探査の現状について簡単に紹介するとともに,特に分光観測に焦点を当てて最新の装置や方法論よってどのようにトランジット惑星探査の最前線が切り開かれているのかを概観する。
「W UMa型近接連星系の特異なスペクトル」加藤賢一
公転周期が0.25~0.70日程度のW UMa型近接連星系はG型にもかかわらず自転速度が150km/s程度と、高速である。進化が関係していることであり、高速をキーワードにW UMa型近接連星系の進化をレビューする。
山村春香「Tタウリ型星V523 Oriの測光・分光観測」
2017年10月にTタウリ型星V523 Oriの増光が報告された。これを受け、この天体の測光・分光観測を岡山理科大学天文台にて行った。本発表では美星天文台と岡山188cm望遠鏡での観測で得られた結果も合わせて発表する。
西村昌能「B・A型星における微視的乱流速度について」
組成の特異性が拡散説で説明されている化学特異星の組成解析では、微視的乱流速度が正常星に比べて小さいとされている。そこで微視的乱流速度について検討を進めるために、まず、正常星の高分散・高SNスペクトルを解析した結果を報告する。
谷口大輔「赤色超巨星の有効温度—近赤外線YJバンドに現れる鉄吸収線ペアのライン強度比を用いた決定」
鉄原子吸収線のみを用いて赤色超巨星の有効温度を決定する手法を開発した。本手法を用いれば、分子吸収線の不定性に起因する系統誤差を受けずに、40K程度の統計誤差で有効温度を推定できる。
海老塚 昇「すばる望遠鏡及び次世代大型望遠鏡用の新しい回折格子 IV」
次世代天文観測装置用の透過型の新しいVolume binary gratingについて開発状況および、Reflector facet transmission (RFT) gratingと従来の格子が階段形状の反射型エシェル回折格子との回折効率の比較について報告する。
城 知磨「SDSS 分光データを用いた狭輝線領域の形成に関する調査」
Sloan Digital Sky Survey (SDSS) のファイバー分光データと面分光データを用いて、活動銀河核の周囲に形成される狭輝線領域の星間ガスの性質(ガス密度、速度分散)を調査した。その結果から示唆される狭輝線領域の形成過程について発表する。
坂江隆志「自作分光器による太陽観測(Ⅳ)~CaⅡK線による太陽周期活動の評価~」
太陽活動の評価に黒点相対数があるが、無黒点時この値はゼロとなり極小期における詳細な状況を表すことができない。無黒点でもプラージュは見られることから、それをよく反映するCaⅡK線による評価法について報告する。
石田光宏「カシオペヤ座γ型変光星における水素輝線等価幅のモニタリング」
カシオペヤ座γ型変光星とはBe星であり、赤道周りに作るガス円盤から輝線が出る。2018年9月から本校所有の30cm 望遠鏡+低分散分光器を用いて、δ Sco, π Aqrなどを観測し、輝線等価幅やバルマー逓減率の時間変動を調べた。
大島 修「ベテルギウスの20年間のUBVRI測光と低分散スペクトルの変化」
大金による20年間のUBVRjIj測光データを検討した。今季大減光期における変光とそのスペクトル変化について報告する。
内藤博之「新星V1280 Scoに見られる速度幅の狭いダブルピーク輝線の起源」
V1280 Scoは2007年に爆発した古典新星で、2019年においても10-11等台の明るさで推移している。本講演ではV1280 Scoに見られる速度幅の狭いダブルピーク輝線の起源(周連星円盤起源の可能性)について議論する。
川端美穂「京都大学3.8mせいめい望遠鏡における近傍銀河に現れた超新星の分光観測」
3.8せいめい望遠鏡が本格的に観測を開始して約1年が経った。これまで複数の近傍銀河に現れた超新星について分光フォローアップしてきたので、その成果について報告を行う。
大宮正士「近赤外ドップラー装置IRDによるM型矮星周りの系外惑星探索」
表面温度が低く質量が小さいM型矮星はハビタブルゾーンの地球型惑星を比較的検出しやすい。すばる望遠鏡用近赤外高分散分光器である赤外ドップラー装置IRDを用いた、M型星周りの系外惑星探索について紹介する。
石川裕之「近赤外高分散スペクトルに基づくM型矮星の組成決定法の連星系を用いた検証」
M型矮星の近赤外高分散スペクトルを用いて、個々の元素線の等価幅に基づく組成解析に取り組んでいる。太陽型星と連星をなすM型星の解析を通して、FeI線の金属量に対する非感受性等の問題点と回避策を報告する。
佐藤文衛「せいめい望遠鏡による高金属量巨星周りの系外惑星探索」
我々は、せいめい望遠鏡にぐんま天文台1.5m望遠鏡の高分散分光器GAOESを移設して視線速度精密測定機能を追加し、高金属量巨星に対して重点的な惑星探索を行う計画を推進している。講演では本計画の目的や内容を紹介する。
岸本浩「StarAnalyser100を用いた高校地学スペクトル観測教材の開発(予報)」
StarAnalyser100を用いて,高校地学スペクトル観測教材の開発を試みている。減光中で話題のベテルギウスのスペクトルや,スマホを利用した観測にも挑戦してみたい。ご指導・アドバイスをお願いします。
安藤和子「共生星MWC 560の低分散・高分散分光観測」
MWC 560(V694 Mon)はM型巨星と白色矮星の共生連星として考えられている。この天体が2016年2月に増光したことが報告された。これを受け、この天体の分光観測を90夜行った。その結果を報告する。
渡邉和明「直視分光器「VEGA」用スリットビューアの開発」
グリズムを用いた直視分光器「VEGA」用のスリットビューアの開発を進めてきました。その構造の説明と使用例などをご紹介します。
片平順一「プレオネ伴星のperiastron通過時のバルマー輝線変動」
Hβ,γ,δ線の伴星periastron通過時の輝線強度変動を、2018,2019年のperiastron通過時に観測した。輝線変動はHδ,γ線と急激に弱まり、Hδの変動はほとんど無かった(観測報告)。