日曜日
晴れた空だ日曜日戦車は二人をのせて
川を上り峠を経て幻の森に行く
昨日の夢で手に入れた魔法で
蜂になろうよ
このまま淡い記憶の花を探しながら
破れかけた日曜日パンチの光を浴びて
レモンの香る湖に飛び込んだ君の背中
鬼の群れも木陰でうたた寝
蜂になろうよ
このまま淡い記憶の花を探しながら
戦車のイメージ 可愛いイメージ
プラモデルの戦車だ。
山を越え川を越え、冒険に出てゆく。
魔法で蜂に変わる。
記憶の花とは何か。
鬼の群れ。
ファンタジーの文法とキャラ。
日曜日であることが重要。
全てが休みになり、妖精が出てくる日曜日。
レモンの匂いのする湖があると言うこと。
夢のような世界が日曜日には待っている。
スピッツのファンタジーは突き抜けていて、
ゲーム世界の魔法などよりも面白い。
なんか本当に変な人だ。
草野正宗は変な人だ。
なんか気のちっちゃい、でもすばしこい
そうして頭でいろんな妄想をしている人だ。
名前をつけてやる 残りの夜がきて
むきだしの出っ張り ごまかせない夜が来て
名前を付けてやる 本気で考えちゃった
誰よりも立派で、誰よりもバカみたいな
表題曲の【名前をつけてやる】
猫の写真なので、猫の名前をつけてやると言うのかと思っていた。
だが歌詞を見ると、ある女性と出会い、寝ちゃったという内容に見える。
しかし「名前をつけてやる」という言葉だけが、意味が分からない。
実は以前ほかのスピッツの曲でも経験したが、早とちりでエッチな内容にわざと勘違いさせる、意地悪な歌詞があった。
ここもそうだ。出っ張りとか、立派なとか、一瞬男性のナニに聞こえる。違うのだ。
街角の物陰にうずくまっているネコだ!
だからそいつに、名前をつけてやるというのだ。
女性との出会いと重ねて、ネコとの出会いが歌われているのだ。
「プール」
君に会えた 夏蜘蛛になれた
ねっころがってくるくるにからまってふざけた
これが公開されている歌詞の字面だが、実は どう考えても「蜘蛛」は「雲」の間違いだ。
夏雲を、草原にふたりねっころがって見上げているのだ。
ただし聞き取り役がわざと間違えた可能性がある。
スピッツは小動物や虫が大好きだから。
ダブルミーニングに取ってもいい。
町の隅のドブ川にあった
壊れそうな笹船に乗って流れた
ここはその後の、ふたりぼんやりしているイメージだろうか
笹の船に乗って、川を流れ下ってゆくイメージ そして眠ってしまう
孤り(ひとり)を忘れた世界に
水しぶきはねあげて
バタ足 大きな姿が泳ぎだす
夢の中で、プールのイメージ
僕は蜘蛛のままで、小さい。
彼女は人で、大きな姿が泳ぎ始めた。