Hitotsubashi University

石田惣平ゼミナール

学部3年生10

ESG (Environment, Social, and Governance)、財務会計、コーポレートファイナンス

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ゼミの概要

気候変動問題や人権問題などの世界的な社会課題が顕在化している昨今、企業が持続的な価値創造を行うにあたり、ESG (Environment, Social, and Governance) の観点を配慮することが求められています。たとえば、コーポレートガバナンス・コードでは、「上場会社は、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、適切な対応を行うべきである。」(原則2-3) とされています。ただし、ESGに関する活動については明らかになっていないことが多くあります。たとえば、しばしESGへの取り組みが企業価値を向上させると主張されていますが、そのロジックは曖昧であり、かつ実証研究の結果も必ずしも整合したものではありません。さらに、仮にESGへの取り組みが持続的な価値創造に資するものであったとしても、企業経営者が経営者として持つ時間軸を考えると実際にESG活動に消極的になってしまう可能性もあります。こうした中、石田ゼミでは会計学やファイナンスを応用して、企業におけるESGへの取り組みを巡る諸課題を定量的に研究し、企業が持続的に成長するためのヒントを探ります。具体的には、3年次前半にはブルームバーグが主催するESG投資コンテスト [Link] 参加します。3年次後半はアカデミックな研究を行うために、ESGに関連した学術研究を輪読します。4年次には実際にアカデミックな研究を行い、学外の懸賞論文や学術誌への投稿を目指します。

想定される進路

石田ゼミは2024年度新規開講となるため、OG・OBがいません。そのため、実際の卒業生の進路を掲載することはできませんが、コンサル、シンクタンク、アセットマネジメント、投資銀行 (Investment Bank)、事業会社などが想定されます。また、研究者を目指す学生にも歓迎します。研究者志望の学生に対しては大学院進学のための個別指導も行います。

志望者へのメッセージ

企業のESGへの取り組みに対する社会的な関心は高まっています。たとえば、ESGに関する視点を投資プロセスに取り入れることを求めているPRI (Principles for Responsible Investment) に署名する機関数は、2006年にはわずか100社にとどまっていたのに対して、2022年には4,979社にまで増加しています。加えて、世界のESG投資額の統計を集計しているGSIA (Global Sustainable Investment Alliance) の調査によれば、2016年では22兆8,390億ドルであったESG投資額は2020年には35兆3,010億ドルまで増加しており、その関心の高さが伺えます。こうした中、理論とデータをもとにESGに関する諸課題を解明することの重要性は高く、それゆえこのゼミでの学びは自身の市場価値を高めるはずです。石田ゼミに入ってぜひ自身の市場価値を高めて下さい。なお、ゼミに関してなにか質問があれば担当教員である石田に連絡をして下さい

スケジュール

3年次前半では、ブルームバーグが主催するESG投資コンテスト [Link] に挑戦します。ESG投資コンテストとは、仮想資金100億円を元手としてESGへの取り組みを軸にポートフォリオ (30銘柄から100銘柄) を作成し、レポートを完成させ、その優劣を競うものです。これらを通じて、会計学、ファイナンス、ESGに関して実践的な知識とスキルを身に着けます。


3年次後半では、アカデミックな研究を行うための基礎体力づくりを行います。具体的には、ESGに関連した学術研究を輪読し、学術論文とはどんなものなのか、学術論文を書くためにはどんなことに注意すべきなのか、最先端の研究ではどんなことが検証されているのか、そして私たちは今後何をテーマに研究すべきなのかなどを議論します。


4年次では、卒業論文を作成します。研究テーマはESG、財務会計、ファイナンスに関連したものとし、研究アプローチには計量経済学的なアプローチを採用します。また、希望があれば、卒業論文を学外の懸賞論文や学術誌に投稿することも可能です。これらを通じて、会計学、ファイナンス、ESGに関してアカデミックな知識とスキルを身に着けます。

イベント

新ゼミ生の歓迎会を兼ねた飲み会を行います。


ブルームバーグが主催するESG投資コンテストに挑戦します


夏休みには夏合宿を行い、卒業論文の進捗報告を行います。


実務で活躍されている方をお招きして、講演会を開催します

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