2024年7月20日(土)・21(日)に田中パネル主催の自発的融合の場「ライフの狭間」を開催しました。
生命現象・疾患などのライフサイエンス分野において、(1)コウ学(光学/工学)、(2)脂質代謝、(3)メカノバイオロジー、3つの独自の観点で先導研究を進めている創発研究者が集結、分野の垣根(狭間)を超えた融合の場を創りました。
参加パネルも多岐に渡り(田中P・北川P・塩見P・天谷P・井村P・水島P・石塚P・合田P・阿部P・鄭P*・馬場P*の計11パネル, *2代目PO)、田中PO、成瀬ADも含んで計27名が参加しました。
ご発表、ご参加頂いた先生方、誠にありがとうございました。皆が狭間の研究者となり、一丸となってこの会が盛会になったと確信しています。
第一弾はこれにておしまい。場の雰囲気を少しでも感じて頂ければなと思い、当日の様子を紹介します。第二弾への参加もお待ちしております。
追記:アンケートにご協力くださり、ありがとうございました。かなりキツキツの日程で、先生方の発表時間を大幅に圧縮してしまいすいませんでした。次回以降はより良い会議となるように頑張っていく次第です。ですが、異分野研究の理解と融合を目的とした創発研究者間の交流の場としての役割は十分達成できたのではないでしょうか。この会に参加頂いた先生方、会場関係者、阪大関係者の皆様、そして事務部(阪大,JST,秘書さん)の皆様、誠にありがとうございました.
Day 1
まずは1日目、とんでもないピーカンデリ(地下鉄構内で36.8 ℃,湿度44 %)!開催場所は大阪大学の中之島センターです。2004年に医学部跡地に創設され、2023年にリニューアルオープンしたのでとても綺麗な設備です。後ほど紹介しますが、リーガロイヤルホテル直営のカフェ/レストランが入っているので、会場としては最高です。お暑い中集まって頂き本当に感謝です。
Day 1:Session 1 ~コウ学(光学/工学)の狭間
Session1の世話人は松﨑賢寿(大阪大学 応用物理)です。コウ学(光学/工学)の専門を活かし、硬さが臓器再生に果たす意味を理解してきた経験を活かして、本ライフの狭間のコンセプト説明をしました。一緒にTrans-differentiateしませんか?
セッションは招待講演者(コア発表者)とショートプレゼン者の2枠で構成されています。まず招待講演者(コア発表者)の4名です。丸山先生は結晶の素敵な研究、森田先生は毛包のテレスコープモデル、菊田先生には線維化のイメージング、森本先生は人体のロボティクスについてご講演をして頂きました。
公募で募ったショートプレゼン枠は、バクテリア層の透明化イメージングの杉本先生、テラヘルツイメージングをライフに応用される芹田先生の発表がありました。長久保先生は残念ながらご欠席となりましたが、次の会で超音波イメージングの話を楽しみにしています。
光学、工学の専門家がご自身のツールを用いてライフサイエンスに立ち向かう姿にとても感動しました。
休憩時間も少し長めに取っておいてよかったです。
コーヒーたんまり用意しましたが、一瞬でなくなり議論に花が咲きました。
Day 1 Session 2 ~脂質代謝の狭間
Session 2の世話人は伊藤パディジャ綾香(名古屋大学 環境医学研究所)です。
細胞内における脂質代謝に着目し、特に多価不飽和脂肪酸代謝の免疫疾患に対する意義を解明してきた経験を活かして、Session 2へと繋げました。
まず上段は招待講演者(コア発表者)の3名です。遠藤先生には、脂質代謝と病原性T細胞について、大黒先生には脂肪酸による脳内機能制御について、小栗先生には栄養代謝と脂肪細胞についてご講演頂きました。
公募で募ったショートプレゼン枠4名には、低体温の脂質代謝の木村先生、脂肪酸と神経伝達トランスポーターの宮地先生、ヒト関節軟骨オルガノイドの宝田先生、胎児期オルガノイドの油井先生など多様な先生方がこのセッションで発表頂きました。
食事から取り入れる脂質とその代謝物が多様な生命現象と関わっているのは、ものすごい驚きでした。
最後のトリは、田中パネルADの成瀬先生の基調講演です。
先生のバックグランドから起業、そして宇宙の研究まで想像もつかないレベルの異分野融合研究の広がりをご紹介頂きました。
意見交換会の会場は、中之島センターは2階にある、リーガロイヤルホテル直営のカフェレストランです。
なんと会場は貸切無料、ありがたや、リーガルロイヤル担当者の方、本当に感謝です。
成瀬先生の乾杯のご発声と共に意見交換会がスタート。
とても楽しい二時間を過ごし、世話人(中澤)の一本締めにて意見交換会をお開きとしました。
Day 2 Session 3 ~メカノバイオロジーの狭間
2日目は9時からスタート、世話人は中澤直高(近畿大学 理工学部 エネルギー物質学科)です。
生命現象・疾患に対するメカノバイオロジーからの理解について、Session 3を導入頂きました。
スターウォーズのイントロを引用していたのが印象的でした、フォースと共にあらんことを。
上段が招待講演者(コア発表者)の4名です。
まず川口先生には、脳発生における細胞の弾性、亀尾先生にはシミュレーションの立場からの脳・骨形成、福井先生にはゼブラフィッシュの心臓メカニクス、藤田先生には核ゲノムのトライポロジーをご説明いただきました。
公募で募ったショートプレゼン枠4名には、植物胚発生の栗原先生、アレルギー免疫の本村先生、血管形成の内藤先生に発表頂きました。
数理からゲノムまで幅広い観点でのメカノバイオロジーとてもアツイ!
最後のトリはPOの田中先生の基調講演です。早朝から東京から大阪に駆けつけて頂き、感謝しかないです。先生のバックグラウンドから、まさにご自身が異分野連携で日本の疫学を広げていくと言うお話しを聞いて感激です。
昼食を皆で共にしました。
世話人は、目一杯Trans-differentiationして楽しみました。
世話人はDay 0に決起集会を夜中まで行い(成瀬ADも参加ありがとうございます)、Day 1の意見交換会の後は夜中の2時まで語り合いました。Day 2のお昼もかなり濃い時間で実施できて本当に良かったと思います。
繰り返しになりますが、ご発表、ご参加頂いた先生ありがとうございました。皆が今日は狭間研究者となり、一丸となってこの会が盛会になったものと思います。
【編集後記】
意見交換会の前に、世話人(伊藤)の挨拶で締めくくりました。
2023年12月の広島大学に行われた田中パネル融合の場にて、松﨑、中澤、伊藤の3名が結集しました
メールを見返してみると、1月22日に議論を開始して、半年間お疲れ様でした。
温泉街でやる!と言ったのに予算が足りず申し訳ないと思う一方、先生方に少しでも楽しんで頂けるように色々策を仕込みました😎。楽しんで頂けたら幸いです。