今回、産業保健人間工学会第30回大会の大会長を仰せつかりました産業医科大学の榎原毅(えばらたけし)です。本大会のテーマを「温故知新―産業保健人間工学の次の30年を切り拓く―」といたしました。
本学会は、1991年に産業医科大学で発足して以来、生理学・心理学・経営工学・産業衛生学・人類学などを基盤とする基礎研究と、それに裏打ちされた解決志向型の実践研究の両輪を大切にしてまいりました。学会が発足した産業医科大学のある北九州市・折尾地区は、日本初の立体交差駅である折尾駅を中心に鉄道と産業が交差し、また多数の学術機関が集積する「知と実践の拠点」として発展してきた地域です。日本初の製鉄所である官営八幡製鐵所が1901年に開設されて以降、明治・大正・昭和を通じて日本の鉄鋼業を支えた近代工業の中心地でもあり、一方で、急速な工業化に伴う産業保健上の課題に向き合ってきた歴史があります。近年では、より新しく多様な働き方が生まれ、経済・技術・社会の動向が急速に変化するなかで、社会実装のスピードも求められるようになっています。
本大会では、これまでの30年の知見を振り返りつつ、次の30年を見据えた産業保健人間工学の未来を構想・共有する場としたいと考えております。 産業保健人間工学の歩みを回顧し、新たな展望を拓く機会となる本大会に、多くの皆様のご参加を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
産業保健人間工学会第30回大会 実行委員
大会長:榎原 毅(産業医科大学)
市川 陽子(三重県立看護大学)
斉藤 真(三重県立看護大学)
佐藤 望(近畿大学)
高橋 雄三(広島市立大学大学院)
谷 直道(産業医科大学)
長谷川 智之(名古屋市立大学大学院)
樋口 善之(福岡教育大学)
松田 文子(大原記念労働科学研究所)
水野 有希(日本女子体育大学)
水野 基樹(順天堂大学大学院)
事務局長:酒井 一輝(産業医科大学)