当研究室の卒業生の主な進路
当研究室では計算化学を専門とするため、化学系企業のみならず、IT系企業へ就職する方も多くいます。
過去の卒業生の進路(2016年以降)・・・九州大学助教、慶應義塾大学助教、アドソル日進、ダイハツ工業、日立インフォメーションエンジニアリング、日立ソリューションズ・クリエイト、理想科学工業、JR西日本ITソリューションズ、茨城県立高等学校教員、など。
物理化学演習実験(学部2年次向け:集中科目)で出てくる用語について
(当研究室所属の学生が編集しており、一部不正確であるおそれがあります。ご注意ください。)
Gaussian(ガウシアン)
世界で最も広く用いられている、アメリカ発の量子化学計算ソフトウェアであり、本実験でもこれを用いて計算を行う。
密度汎関数法(DFT法: Density Functional Theory Method)
シュレーディンガー方程式を解くことができればその原子についての情報が得られるが、粒子数が増えた多電子系に対してシュレーディンガー方程式の解を厳密に求めることは困難なため、その代わりとして、「電子密度を考えることでエネルギーを求めることができる」という密度汎関数理論(DFT)を利用した電子状態計算の手法の一つ。これによって、計算コストを抑えながらも比較的高い精度で電子状態を計算することができるようになっている。
溶媒和効果
溶質分子の周りを溶媒が取り囲んだとき、溶質分子はその溶媒の極性に応じた静電気的な相互作用の影響を受けて、構造や物性が変わることがある。これを溶媒和効果という。Gaussianをはじめとした量子化学計算ソフトでは、溶媒分子の分子モデルを系に加えることなく(陰溶媒, implicit solvent)、この溶媒和効果を考えることができる。
フロンティア軌道理論
分子軌道の中でも結合に関与する軌道(フロンティア軌道)であるHOMO(最高被占軌道, Highest Occupied Molecular Orbital)とLUMO(最低空軌道, Lowest Unoccupied Molecular Orbital)どうしの相互作用によって化学反応は生じる、という理論。日本初のノーベル化学賞受賞者である福井謙一博士らによって提唱された。特に、ペリ環状反応など一部の反応では正電荷と負電荷による静電相互作用だけでは結合の説明がつかないため、現在の化学ではこの理論を基に反応や結合を議論することが多い。
森先生担当の講義一覧(2025年度)
総合理学入門(理学部、前期開講、最初の講義のみ、分担)
基礎化学Ⅰ(理学部、前期開講、分担)
物理化学Ⅱ (理学部、後期開講)
物理化学演習実験 (理学部、集中科目、分担)
Environmental Chemistry (理学部、英語開講、集中科目、2年次以上、分担)
物理化学Ⅲ (理学部、前期開講、分担)
量子化学計算演習 (大学院博士前期課程:1Q、分担)
量子・計算化学 (大学院博士前期課程:集中科目)
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〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1
茨城大学 化学コース・学際理学コース担当
茨城大学大学院理工学研究科
量子線科学専攻 森 聖治
E-mail : seiji.mori.compchem[at]vc.ibaraki.ac.jp