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『月のとこしえ瞬く間に』

<寄稿/表紙>文庫サイズ

2017年9月17日(日)月にうつりし恋模様 弐

全文Web公開済み!

リューセイさんの所のみかんばちゃん小説表紙、もとい予定外な文庫カバー(笑)です。

『月のとこしえ~』シリーズの番外編、アフターストーリーでした。

本編はリューセイさんご本人が表紙も描かれているんですが「番外編出すので表紙を」とお声かけ頂きまして、唐突に顔を出した神白です。

この本は新刊で当日完売してしまって通販も無いですー、という状態だったので、私もあまり宣伝出来なかった思い出。

予想外の当日完売だったので、2018年3月発行の『月のとこしえ太陽に捧ぐまで』(シリーズ総集編)で表紙・裏表紙をカラー口絵に入れて頂いたりもしました。

表紙側が本編メインのみかんばちゃん、裏側はキーパーソン的なもう一振の三日月さんです。

『月のとこしえ~』シリーズ本編を先に一通り拝読していたのと、アフターのあらすじや展開を聞いてから描いているので、概ね本文総纏め系の表紙・裏表紙にはなったかなと思います。

■ラフ・表紙

依頼頂いた時に表紙のコンセプトで「桜とまだ少し残る雪、冬の終わり早い春の訪れ」とタイトル位置の案は出して頂いたので、それに合わせて構図を切っています。

本編で訳ありだったまんばちゃんの問題が解決している+みかんばデキてる前提でラブ感出すぜ!という方向で。

本編を読んでいたらこれはちょっと感慨深いのでは……という訳で『まんばちゃんからのスキンシップ』が個人的なポイントでした。

表紙側のラフは2種類。こちらが表紙ラフ没案。

今までのシリーズ表紙(リューセイさんご本人が描いている絵)が雰囲気静かめ穏やかめだったので、それに沿う感じです。

もっとむぎゅーっと抱き付く感じでも良いのかなと思いつつ、控えめにおんぶお化けまんばちゃんでした。なんかえへへーって顔してますね。甘えてます。

個人的にはこういう静かないちゃいちゃ感好きなので気に入ってます。

ラフ案2つ目、これは完全にもう自分の描き易い方向のいちゃラブハッピーFOMO感でウワーッと描いたやつです。

このシリーズのみかんばちゃんは私も本編で一難去ってまた一難的な過程を見守って来ていたので、デキてる前提のアフターストーリーならめっちゃ幸せそうでも良いのでは???と思ってこんな方向に振り切りました。

これも『まんばちゃんからのスキンシップ』でまんばちゃんからの距離を詰めてる感じです。

駆け寄って胸に飛び込むとか抱き付くとかそういう勢いで。

勢い良く飛び込んで行っても「受け止めて貰える」って信じてるまんばちゃんと、「さあ来いよし来い」ってしっかり受け止めてくれる三日月さんって良いよねみたいな気持ち。

背中側描くなら透け布だろ!?みたいな感じで透け布です。

透け布大好きです。

■完成・表紙

ラフ案2つ目の方で仕上げたのがこちら。

みかんばちゃんの表情とかラブ感はリューセイさんご本人から事前に指定が入っていまして、水無月さんのところの『桜花、紫雲の如く』の雰囲気をとても気に入って下さっていたのとか、桜とか残り雪の感じは 如月さんのところの『白雪月夜翠花乱舞』が参考だったりします。


私は三日月さんが帯刀していない時は佩緒(刀提げる腰の赤い帯ですね)描かない派なので、この絵は描いていません。

コンセプト的に季節が冬と春の境目だったので、白っぽい寒色系で明るめに。

暖色に寄せると春っぽくなり過ぎるかなと調整しつつ。

自分で桜を画面に入れる時はもうとにかく満開でブワーッと咲かせるタイプの桜大好き人間なので、今回みたいにぽつりぽつりと花があるのとか、蕾が多いのとか、ちょっと珍しい感じの絵です。

背景と手前の桜はリアルめにしっかり塗り分けするより、フレームとか模様的に使った方が人物が目立って良いかなという事で後ろはシルエット、手前はぽわっとグラデで薄紅乗せるくらいにしました。

下の方にひっそり入れてる五角形のキラキラはあれです、雪がある時期の、天気が良い冬の朝の、キラキラ感です。

白くて明るくて綺麗なんですよ。

これ雪国暮らし(育ち)経験が無いと伝わらない表現かな……w

■ラフ・裏表紙

先に表紙の方のラフが決まったので、裏側どうしようかなと思っていたところで、とうみゅ幕末のアルバム届いたので作業BGMを幕末のソングトラックに変えたんですね。

そうしたらライブ日替わり曲の『Dear you』がめちゃくちゃ「コレダーーーー!!!!」みたいなツボに来て(自分で観に行った日に生では聴けなかった曲なのでCDで初めて聴いたという)完全に『Dear you』のイメージで描いています裏側。

本編の「消えてしまう三日月さん⇒訳アリまんばちゃん」っていう関係とか想いとか優しく切ない云々がこれだー!!これなんだーーー!!って自分の中ですごいツボに入ってしまいまして。「イメソンはコレです(聴いてくれ)」と思わずリューセイさんにもダイマしてしまったんですけど、いや。ほんとにクリーンヒットでした。

最初のラフ案でちょっと咲いてる桜とか空とか眺めてる三日月さん。

目を閉じさせた方が穏やかな空気になるかなとか、表情悩んでたので表情差分作りました。

閉じ目で見上げだと寛ぎモードかなとか。

見上げじゃなくてうつむきだと悟り感出るなとか。

画像に書いてる通りなんですが。

表情とか頭の角度だけでも結構雰囲気が変わるので、差分作って相談させて頂いて、閉じ目の見上げになりました。

帯刀させるかどうかも悩んでいたのでそこも相談でナシに。

■完成・裏表紙

仕上げたのがこちら。

「ちょっと透けてても良いかも~」とラフで書いていたのは裏表紙の三日月さんが本編的にはもう実体では存在していない方の三日月さんだからなんですが、中身を読まずにこの絵だけ見た状態で裏側の三日月さんが「どっち」なのかパッと見で判らない様にしたいなあ、みたいなのもあって。

見る人の視線が最初に行くのは必然的に顔周りになるので、膝辺りから下の方を透けさせる感じにしました。

よく見たらこいつ透けてるじゃん!!みたいな。

三日月さんの腕の辺りにちょこんと咲いてる桜は私が通称「(三日月さんの)お友達」と呼んでいた子なんですが、 桜の花が画面上でひっそりしているので確実に雪の方が目立つ!と思って「桜咲いてるんやで!」アピール+幹の途中でぽつりと咲いてる桜が個人的に可愛くて好きだなーって云うのを兼ねてます。

桜の時期になるといるじゃないですか、みんな上の方とか枝先で咲いてるのに幹の途中でぽつんと咲いてるやつ。あれ可愛いじゃないですかみたいな。

これも「よく見たら表紙側だけじゃなくて裏表紙側も桜咲いてるのね!?」みたいなのを狙いました。

なんかこう「アッ よく見たらこんな!!」って仕込みするのがとても好きです。色んなところにチマチマ仕込むよ!

とうみゅ幕末の『Dear you』聴いた事ない方は是非聴いて頂きたいです。というダイレクトマーケティング。

最初は文庫サイズで普通に表紙・裏表紙の予定だったんですが、イベント当日(私はお留守番組で家にいたんですが)に「実はカバー付きに変更しました」とご連絡頂いて。

元々表紙・裏表紙用で描いていたので、出来上がりの本では上下の絵が塗り足し含め1cmくらいずつ切れてました。その辺りはご愛嬌で。笑

通常表紙用とカバー用だと同じ本用でも最終的な縦横比率がちょっと変わって来るので、その所為かな?と思います。

お持ちの方は「ああ、実は上下ここまで描いてたんだな!!」って思って頂ければw