神奈川県立秦野総合高等学校
長岡樹先生の場合
本校では2年次と3年次に家庭総合を履修します。端末は生徒1人に1台 Chromebookを、学習支援ツールはGoogle Classroomを導入し、全教室で校 内 Wi-Fi に接続が可能です。
使用した資料集とページ
『家庭科 55 デジタル+』p.36~37
みんなで支えよう! 認知症
認知症の症状、認知症をわずらう本人やそ の家族・介護者が抱えている困難、認知症 をわずらう人へのサポートについて知り、 自分にはどのようなことができるのか考え てもらうためのページです。
使用したデジタルコンテンツ
認知症の人にどう接する?
認知症の高齢者にどのように寄り添うかを 考える、全 5 問で構成された三択問題です。 担当編集が「認知症サポーター養成講座」 を受講した経験を元に制作しました。
授業の展開例
導入(5分間)
生徒へ「認知症」について知っているか聞く
多くの生徒は、「認知症」という言葉は知っているものの、 認知症をわずらう人とかかわることには躊躇している印象でした。
展開(10分間)
『家庭科 55 デジタル+』の p.36 を読む
認知症をわずらう本人とその家族・介護者を取り巻く問題を発見させました。 生徒たちは、認知症による行方不明者数の多さや、70%以上の介護者がストレスを抱えていること などから、現状の深刻さを知らされたようでした。
発展(30分間)
デジタル WORK 「認知症の人にどう接する?」を体験する生徒一人ひとりの話を聞きながら、じっくり時間をかけて 取り組みました。 まず、設問の文章を読み、認知症をわずらう人がどのよう な状況に置かれているのか確認し、①~③の選択肢の中か らどの対応方法を選ぶか生徒に聞きます。 次に、選んだ選択肢をタップして点数を確認させてから、も う一度生徒に話を聞きます。 知識不足により認知症に対して誤解をしていた、と生徒た ちからの反応がありました。まとめ(5分間)
デジタル WORK に取り組む前と後で、 どのように意識が変わったか生徒たちに書いてもらう
「高齢者の尊厳を大切にしながら、寄り添うための心構えがわかった」 「自分の家族が認知症になってしまっても、できるだけ支えたい」 「地域に住む高齢者に気を配っていきたい」などの感想から、生徒たちの意識の変化が感じられました。
ちょうど授業の数日前に、本校の生徒が徘徊してうずくまっていた高齢者を交番へ送り届けたというエピソードがあり、生徒たちは「自分のすぐ近くでも認知症の高齢者が生活している」ということを 実感したようです。そのときすぐ、このデジタルコンテンツを活用して、多様な 人たちと同じ社会で共生しているということにより関心をもってもらいたいと 思いました。個人で取り組ませるより、クラス全員でクイズに答えたり解説を読んだりすることで、とても授業が盛り上がり、 深い学習ができたと感じます。