Projects - Series
和合|WAGO
- 空間における考察/彫刻 -
「和合」シリーズは、春画に描かれる交合の場面において、互いに触れ合い、絡み合う手足の関係性に着目した彫刻作品である。兼子は、春画表現の中でも特にその手足に注目し、男女の交情が最も露わになる部位であることを見出した。
春画の手足というモチーフに出会う以前から彫刻家として活動していた兼子は、手足を理解し読み解く方法として、それらを最初に彫刻へと置き換え、空間の中で観察した。平面上のイメージを立体化することで、手足の接点や境界に見られる繊細でユニークな結びつきが強調され、互いに触れ、影響し合う力の流れが空間の中に現れる。
この彫刻での考察を起点として、兼子はやがて多様なメディア表現への展開を予感し、現在の制作へとつながっていく。春画の手足は、空間の中に置かれてもなお強度を失うことなく、三次元的な結びつきの可能性を示し続けている。
和合 -心音- ( WAGO #4 )
2017
10.5×10×9cm
セメント、ガラス、樹脂
photo: Aya Suzuki
参考絵:歌川国芳(1797-1861年)「当世小紋帳」
「和合 -心音」は歌川国芳の春画に着想を得ている。春画に描かれた交わる手足を通して世界を成り立たせる「関係」のかたちを探る。男女が手を合わせた姿を心臓に見立て、時の経過で樹脂部分がクリアからゴールドに変化することで鼓動とつながりを表現している。
( ※作品は制作から6年経過した作家蔵のもの )
© KANEKO SHINICHI