About

兼子 真一 / KANEKO Shinichi

東京藝術大学デザイン科卒業(1999)
東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了(2001)

浮世絵春画の手足にインスピレーションを受け、「関係」をテーマに手足の繋がりを通して世界を比喩的に表現する。彫刻、絵画、ドローイングなど様々な手法で探求する。

主な展示は、画廊宮坂(2005~)、国登録有形文化財・旧近藤邸(2013)、由布院アートホール(2011)、代官山蔦屋書店(2022)などで個展のほか、展示多数。3331アートフェア(2021年)、アートフェア東京(2016年)、イギリスでの彫刻展「Fresh air」(2013年)に出展。2018年6月からiichiko(焼酎)の雑誌広告にドローイングが起用中。

            CV

兼子 真一
現代アーティスト。
1974年愛知県生まれ。神奈川県在住。

学歴
2001 東京芸術大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了
1999 東京芸術大学美術学部デザイン科卒業

教職
2001〜2015 東京芸術大学美術学部デザイン科非常勤講師

個展
2023真似来猫来迎〜春画の猫と新吉原の招き猫〜」岡野弥生商店 (東京・西浅草)
2023 「もつれあうほどくもをつかむ」画廊宮坂(東京・銀座)
2022 「てあしめぐり ─春画の象形 Shunga Hieroglyphs─」代官山蔦谷(東京・代官山)
2022 「兼子真一展(画廊宮坂企画)」Galerie Chêne Tokyo(東京・銀座)
2021 「群GUJO生」CREATIVE SPACE HAYASHI / 3331 ART FAIR(東京・千代田)
2020 「人間模様」画廊宮坂(東京・銀座)
2019 「the Couple Vol.5 - もつれあいのダンス」画廊宮坂(東京・銀座)
2018 「10 秒の遊戯 - ドローイング展」Akane Lounge(東京・東日本橋)
2017 「the Couple Vol.4 - 胴は消え 心は鳴る」画廊宮坂(東京・銀座)
2017 「the Couple Vol.3」岡野弥生商店 × カストリ書房(東京・西浅草/千束)
2016 「大人国巡り 2016」CREATIVE SPACE HAYASHI / アートフェア東京 2016(東京)
2016 「the Couple Vol.2 - むすびと」画廊宮坂(東京・銀座)
2014 「the Couple Vol.1 - 交ざり混ざる人」画廊宮坂(東京・銀座)
2014 「脳の森」CREATIVE SPACE HAYASHI(神奈川・茅ヶ崎)
2013 「浮く身体」国・登録文化財、旧近藤邸(神奈川・藤沢)
2012 「テレポート - Teleport -」画廊宮坂(東京・銀座)
2011 「名前や意味をあたえられる前、最も魅力をもった世界の記憶」画廊宮坂(東京・銀座)
2011 「瞬きのあいだにみえるもの」JR 由布院駅アートホール企画展(大分・由布院)
2010 「瞬きのあいだにみえるもの」ギャラリー KINGYO(東京・谷中)
2009 「私の中の住人」画廊宮坂(東京・銀座)
2008 「animals and the metapher」画廊宮坂(東京・銀座)
2006 「兼子真一展」画廊宮坂(東京・銀座)
2005 「兼子真一展」画廊宮坂(東京・銀座)
2004 「兼子真一展」ICHY'S GALLERY(東京・青山)

グループ展
2023 「東アジア文化都市-中日韓彫刻招待展青島市彫刻館(中国山東省青島市)濰坊美術館(中国山東省濰坊市)
2023 「Small Works 2023」 Galerie Chêne Tokyo(東京・銀座)
2013 「第8回かたち展」東京藝術大学池田研究室、池田政治退任展企画(東京・上野)
2012 「三越 × 東京芸術大学夏の芸術祭 2012- 次代を担う若手作家作品展」三越(東京・銀座)
2011 「三越 × 東京芸術大学夏の芸術祭 2011- 次代を担う若手作家作品展」三越(東京・銀座)
2011 「SHOWCASE SHOW」MEGUMI OGITA GALLERY Showcase(東京・銀座)
2008 「DAIYA RING」画廊宮坂(東京・銀座)
2007 「Leif.designpark 2nd Exhibition」(彫刻と什器を制作)東京デザインセンター(東京・東五反田)
2007 「ミラノサローネ サテリテ、Leif.designpark」(彫刻と什器を制作)(イタリア)
2005 「兼子真一 / 本郷信二 our room 展」ICHY'S GALLERY(東京・青山)
2000 「小さな彫刻展」日本都市センター会館 緑道ギャラリー(東京・平河町)
2000〜2005 「かたち展」東京藝術大学池田研究室(東京・上野)

アートフェア
2021 「3331 ART FAIR」出展ギャラリー:CREATIVE SPACE HAYASHI、3331 Arts Chiyoda(東京・千代田)
2016 「アートフェア東京 2016」出展ギャラリー:CREATIVE SPACE HAYASHI、東京国際フォーラム(東京)
2013 「Fresh Air 2013」野外彫刻展ビエンナーレ(イギリス)

パブリック コレクション
2022    NPO置戸ぽっぽ絵画館(北海道・置戸町/作品「再会の像」)

記事/インタヴュー
2020    ANAGRA インタヴュー(https://www.a-n-d-now.tokyo/kaneko
2012    月刊ギャラリー Gallery 2012 vol.9、「展覧会とアーティスト」(株式会社ギャラリーステーション)

受賞
2018    第9回はるひ絵画トリエンナーレ 佳作
2005    第2回コンクリートアートミュージアム 入選

その他
2018.6〜 iichiko(いいちこ焼酎)の雑誌広告にドローイングが起用されている。


(参考資料:春画の手足)


Statement

“ぼくは、目の前の現実以上に、それらを生み出す「関係」に興味がある。あらゆる物事をつなげ、そのすべてを変えていく、目には見えない関わりと交わり。いつからかそれが、美しくて複雑な「もつれ」として、ぼくの前でうごめき始めた。移り変わるモノタチが、まるで「もつれあいのダンス」を始めたようだった。”


私の作品のテーマは、世界を継続的に形作っていく目に見えない「関係」に焦点を当てている。表現は浮世絵春画の手足からインスピレーションを得て、「関係」を可視化するために手足を引用している。2013年に浮世絵春画の本に出会ったことがきっかけであった。そのときすでに「関係」をテーマに取り組んでいた私にとって、それは非常に衝撃的であった。不思議なことに、春画に描かれた交合図の手足以外が私の視界から消えてしまい、私の脳裏には絡み合う手足だけが強調された。偶然の出会いによる奇妙な体験が自分の探していた「関係」のイメージとなり目の前に現れたのである。この経験から、私は春画の四肢を「関係」のメタファーとして作品に取り入れ、それを通じて表現を模索するようになった。


春画の手足の結びつきは、浮世絵春画の特徴の一つだと考えている。春画は一般的に誇張された性器や華やかな色彩、ショッキングな描写で知られているが、手足の描写も同様に素晴らしいものだ。男女が絡み合う様子は、まるで絡まった糸のように手足を通じて表現される。この手足の交差が、私の「関係」の概念と共鳴したのである。


2013年から約10年にわたり、浮世絵春画の手足(特に手足の表現に焦点を当てて)を研究し、それらを自分の表現に取り入れてきた。私は自分の作品を通じてこの世界の構造を比喩的に表現したいと考えており、そのために浮世絵春画の手足を取り入れている。この世界は見えない現象の交差や相互作用によって構築されている。この無限かつ複雑に絡み合った網の目は「関係」を構成し、手足はそのメタファーとして機能する。手足の絡み合いは網を形成し、最終的に世界のメタファーとなるのである。


© KANEKO SHINICHI