AJC京都大会会議中、私が立って発言しています
1990年代に鵜川馨教授(当時立教大学)とパトリック・オブライエン教授(当時ロンドン大学歴史学研究所長)との合意に基づいて、日英の歴史家の学問的交流の会を3年に一度、日本と英国交互に開催することが決まりました。城戸毅教授(東京大学)が中世部門の委員を務められた後、1999年から私がその役を引き継ぎました。自身で研究発表をしたり、若手に発表をお願いする役を務め、2013年度に引退しました。成果は英文で公刊されその一部をここに記しておきます。
ソルトレークシティのウェストミンスタ大学で年次大会があり評議員に選ばれました。
日本の西洋中世史研究者が国際学会で研究発表を行う場として、アメリカ合衆国の大西洋側の諸大学の中世史研究者が構成する学会としてのMAPに、城戸毅教授、佐藤彰一教授、高山博教授といった諸賢と共に参加してきました。毎年3月に年次大会が開かれ、私はシアトル、マイアミ、ソルトレークシティ、フェニックス、ポートランド、ロサンジェルスなどで研究発表を行いました。
その後日本の西洋中世学会が形成されて、私は国際交流委員長としてMAPとの交流協定を結び、相互に会員の研究発表の場として活用できるよう制度を整えました。
*西洋中世学会のホームページに毎年12月に研究発表への参加を呼び掛けるニュースが掲載されます。
その成果は
Keizo Asaji, The Angevin Empire and the Community of the Realm in England, Kansai University Press, 2010.です。
2022.4.23 カナダ、バンフでの年次大会で研究成果を発表しました。
羊皮紙の作り方
西洋中世を研究するのは歴史家だけではありません。神学者、文学者、建築家、芸術家も独自の視角から西洋中世の人間や出来事、思想などを研究し、成果を世界に向けて発表しています。個人的努力では日本全体の研究力量を世界の人に知ってもらうには限界があります。そこで中世研究者有志が2003年から約1年間会議を行って、2004年に発足し、年誌『西洋中世研究』を刊行してきました。
私は第1期の常任委員25人の一人として、国際交流委員、会誌編集委員などを務め、英文誌編集委員を務めていましたが2022年度で引退しました。
西欧中世学会は英文の研究雑誌Spicilegiumを刊行しています。その第5号に私の英語論文The House of Commons in Embryo?1265Parliament of Simon de Montfortが掲載されました。Web上で確認できます。Spicilegiumと入力してください。
同窓会、真ん中がコープ教授・元ヴィシティング・フェロー
私は1987~88年にケムブリッジ大学クレア・ホールのヴィジティング・フェローとしてカレッジに所属し、同時に歴史学部のヴィジティング・プロフェッサーのタイトルを頂きました。その後の日本から毎年複数のヴィジティングフェローが招かれ、日本側で同窓会が発足しました。しばらく世話役を務めましたが、会員の老齢化などにより活動停止しています。東京では続いているようです。クレア・ホールからは毎年プレジデントが来日して、食事会などを催しています。