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研究室紹介
研究室紹介
AIの急速な発展により、人々の私生活や仕事のスタイルは大規模な変更を余儀なくされています。こうした研究がそのまま個人・社会へ大きく影響する現代において、大学における研究活動は、科学技術的な面だけでなく、その研究成果が及ぼす影響についても考慮する必要があります。
当研究室では、AIやデザインの研究に感性情報学・認知科学の観点を取り入れた、心理的に豊かで明るく楽しい社会の実現を目指します。
知識や技術の研究だけでなく、実社会において利用されることを前提とします。その上で、日常生活に馴染み、人々をサポートするAIやロボット、システムを創出することで、心理的に豊かになれる新しいライフスタイルを目標とします。
そのために、感性情報学、人工知能、デザインの基礎を学び、研究活動による理学的発見と工学的実践に基づいて、新しいシステムを提案します。
心理的に豊かになれるライフスタイルの提案を行なうため、感性情報学、人工知能、デザインの三つの分野を横断的に探究します。
人に生じる感性や感情、印象などを明らかにすることを目的とした学際的研究分野。情報科学や計測学のアプローチをとることが多い。本研究室では理学的調査に加え、感性情報の工学的応用を行う。
関連分野・技術:心理学、認知科学、知覚計測、行動経済学
人の知的処理能力をコンピュータによって再現することを目的とした学際的研究分野。本研究室では基礎研究に加えて、既存の自然言語処理モデルの利用やロボットへの適用なども行う。
関連分野・技術:ニューラルネットワーク、画像処理、音響信号処理、自然言語処理、複雑系
人に対して周囲のもの、環境、仕組みなどをより良くするための行動。本研究室では感性情報学の観点から、人工知能やロボットを含む環境や仕組みをデザインすることで人の生活を心理的に豊かにすることを目指す。
関連分野・技術:ヒューマンロボットインタラクション、ユーザインターフェース、ゲーム、Webアプリ
研究には、数学や物理学、地学などのように物事の「理解」を目的とした理学的な研究と、実社会での「工業」的な利用を目的とした工学的研究があります。本研究室は、人の感性を調べるという点では理学的ですが、それにより新しいライフスタイルの確立を試みるという点では工学的な研究を行なっています。そのため、各分野の理学的発見と工学的実践のどちらも尊重し、組み合わせることで新しい価値を創造するシステムを提案します。
人は感覚器を通して、対象の見た目、動き、声、手触りなどを認知しています。近年では、こうした各感覚器から得られる個別の認知を感覚モダリティとし、それを複数組み合わせたものをマルチモーダル感性として研究されています。しかし、対象が持つ雰囲気や経験など、言語化が難しい認知や、マルチモーダル感性の相互作用については未だに研究されている最中です。本研究室では、「印象」をキーワードに、感覚モダリティと印象の解明と相互変換について研究しています。
研究事例:音声・見た目により自然な印象を与えるロボットの開発
近年、大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)の発展により、インターネット上ではAIで生成された文章を頻繁に見かけるようになりました。LLMに関する研究では生成能力とその利用法について着目されることが多く、LLMや生成物が人に及ぼす心理的影響についてはまだ十分に検証されていません。今後の社会変化を見据えて、AIに対し人がどのような認知をするのかを調べるとともに、AIがとるべき振る舞い、AIによってについても検討する必要があります。
研究事例:AIの属性と人に与える信頼度への影響調査