一般的に、締固めの効果は乾燥密度で判定するのですが、細粒分のない砂のような土では相対密度が締固めの指標として用いられます。相対密度は次式によって定義されます。
このとき、Drは相対密度 [単位なし]、emaxは砂の最も緩い状態における間隙比 [単位なし]、eminは砂の最も密な状態における間隙比 [単位なし]、eは砂の自然状態における間隙比 [単位なし] です。
上式より、土が緩い状態なると相対密度は0に近づき、密な状態になると相対密度は1に近づきます。これは、粘性土でいうコンシステンシー指数Icに対応するものです。コンシステンシー指数については1.6 コンシステンシーを参照して下さい。
現場における土の締固め程度の判定には締固め度がよく用いられます。締固め度は締固め試験によって求めた最大乾燥密度を基準とし、現場で求めた乾燥密度を百分率で表すことにより求められます。例えば、道路の盛土は締固め度を90%以上にすることが定められており、含水比をコントロールしながら施工が進められていきます。
このとき、Dcは締固め度 [%] です。
現場で乾燥密度を求める方法としては砂置換法とRI法の2つがよく用いられています。
①砂置換法
砂置換法はまず現場に直径および深さが10 [cm] 程度の円筒状の穴を掘り、掘り出した土の質量と含水比を求めます。次に、乾燥密度が分かっている砂を穴に注入し、注砂分の質量を測定することで穴の体積および現場試料の湿潤密度を求めます。その結果、次式により現場試料の乾燥密度を算出ことができます。式の導出については1.3 物理量の相互関係を参照して下さい。砂置換法は幅広い土質に適用することでき、測定精度が比較的高いため、標準的な試験方法として広く用いられています。また、土の体積をより精度よく測定するために様々な試験法が提案されています。
②RI法
RI法は土の密度によって放射能の透過度が異なることを利用して乾燥密度を測定する方法であり、湿潤密度の測定にはガンマ線密度計、含水比の測定には中性子水分計が用いられています。砂置換法などの従来法に比べ、非破壊試験であるために同一箇所で繰り返し測定が可能、測定時間が短く結果がただちに得られる、取り扱いが簡単、個人誤差が少なく高い精度が期待できるなどの利点があります。
まとめとして、細粒分のない砂のような土では締固めの指標として相対密度がよく使用されます。また、現場での締固めの指標としては締固め度があり、現場試料の乾燥密度から求められます。現場試料の乾燥密度を測定する方法としては砂置換法、RI法が挙げられます。