面積を計算する方法としては、三斜法、三辺法、二辺交角法、支距法、倍横距法、座標法が挙げられます。このうち、倍横距法と座標法については6.6 多角測量の計算(面積)で説明をしているので、そちらを参照してください。また、支距法として台形法、シンプソンの第一法則、シンプソンの第二法則が挙げられます。
①三斜法
三斜法は求めたい面積をいくつかの三角形に分割して、それぞれの底辺と高さを測定し、面積を求める方法です。三角形の底辺および高さをbとhとすれば、各三角形の面積は次式で求めることができます。
②三辺法
三辺法は三斜法と同様に、求めたい面積を三角形に分割して、三辺の長さから面積を求める方法です。式にすると次のように表され、これをヘロンの公式といいます。
③二辺交角法
二辺交角法は三角関数の正弦を用いて面積を求める方法であり、次式で表されます。
④支距法
支距法は面積が河川や道路など曲線部分のある境界線で囲まれている場合に用いられる方法です。
a. 台形法
台形法は境界線が折れ線の場合に使うことができる方法であり、下図のように測線から境界線の直線部分の両端まで垂線を引きます。このようにして、台形をいくつも作り、合計することで面積を求めるのが台形法です。ちなみに、垂線を支距あるいはオフセットと呼びます。では、式を求めていきます。
また、支距の間隔がすべて等しいときは次式によって表されます。
b. シンプソンの第一法則
シンプソンの第一法則は境界線が曲線のときに面積が求められる方法の一つで、下図のようにそれぞれを二次曲線として考えます。式の導出は二次方程式を積分して行います。
係数a、b、cとx0を消去していきます。このとき、以下の二次方程式を使用します。
まずは、y0の式を使って係数を消去していきます。
次に、y0とy1の式を使って係数を消去します。
さらに、y0、y1、y2の式を使って係数を消去します。
A2やAnの面積も同様の式で表すことができます。
この式はnが偶数である必要があります。奇数の場合は最後の一区間を台形法で計算し、全面積に加える必要があります。
c. シンプソンの第二法則
シンプソンの第二法則は、シンプソンの第一法則と同様に境界線が曲線のときに面積が求められる方法の一つです。下図のように支距で区切られた部分を三次曲線として考えます。式の導出はシンプソンの第一法則と同じように三次方程式を解けばいいだけなので、ここでは省略します。
この式はnが3の倍数である必要があります。そうならなかった場合は最後の二区間を台形法またはシンプソンの第一法則で計算し、全面積に加える必要があります。
では例題を1問解いていきます。
例題1:下図の全面積を台形法、シンプソンの第一法則、シンプソンの第二法則で求めよ。
まずは、台形法で面積を求めていきます。
次に、シンプソンの第一法則で面積を求めていきます。
最後に、シンプソンの第二法則で面積を求めていきます。
まとめとして、面積を計算する方法としては、三斜法、三辺法、二辺交角法、支距法、倍横距法、座標法が挙げられます。三斜法、三辺法、二辺交角法は面積を三角形に分割して求める方法、支距法は境界線が曲線で囲まれているときに用いる方法です。支距法には、台形法、シンプソンの第一法則、シンプソンの第二法則があります。