2025/12/6 武器輸出で何を得るのか
11月20日、自民党安全保障調査会で安保関連三文書の改定に向けた議論が始まった。防衛装備品の移転ルール緩和が主な論点とされる。防衛装備品の移転ルールは、2014年に閣議決定された防衛装備移転三原則から出発した。2022年に改定されてウクライナへの移転に適用された。
今回の改定では、救難、輸送、警戒、監視及び掃海と限定されている移転対象の撤廃を目指すのだろう。だが、殺傷力のある武器を輸出することは、安全保障に資するのだろうか。安全保障よりも経済に目がくらんだ政策ではないのか。
武器製造が平和につながるかに関して、カラシニコフ銃のエピソードが思い出される。カラシニコフ銃は、模造品も含めて世界に1億丁が存在すると言われる自動小銃である。開発したミハイル・カラシニコフ氏は晩年、祖国を守るために開発した銃が世界中で使われ、結果として多数の人命が奪われたことについて「心の痛みは耐え難い」と告白している。心の痛みや平和憲法よりも金を優先する国が、世界の真ん中で何を誇ろうとするのだろうか。
生産清流化は、製造企業における業務変革・組織変革のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に適応できるしなやかな企業体質を創ります。