このページはページの管理人である近藤が実際に見つけたイソギンチャクの解説を行っています。いずれ日本中・世界中のイソギンチャクを載せていきたいなと思います。現在の分類体系に基づいて、解説を行っていきます。現在、様々な活動に追われ、なかなか更新できていません。いつか分類体系に沿った図鑑を作るので少々お待ちを...。
イソギンチャク目は、現在世界でおよそ1200種記載されています。そのうち日本ではおよそ80種が生息しています。
イソギンチャクの分類体系は伝統的に1949年にCarlgrenの分類体系が用いられてきました。しかし、Rodoriguezらが2014年に行った系統解析により、Carlgenの分類体系が単一の系統を示していないことが分かり、新しく分類体系の改変が行われました。
ここではその分類体系をもとに、種の解説を構成しています。
体の下端は球状に膨らんでいるか、足盤のような平たくなる。体壁は複数部位に区別されるか、一様になる。
触手は基本6放射状に生え、シンプルで収縮性がある場合と収縮性がない場合があるという特徴を持ちます。
この亜目には2つの下記の上科が属しています。
・ Edwardsioidea Andres, 1881 :Edwardsioidea上科
・Actinernoidea Stephenson, 1922 :Actinernoidea上科
これら上科の違いとして、内部の隔膜の配列と対の数が異なっています。現時点では、下の1つを見つけています。
この上科はすべての種が砂に埋まって生活しており、体は細長く、基本付着して生活していないという特徴を持ちます。
・Edwardsiidae Andres, 1881 :ムシモドキギンチャク科
という1つの科からなります。
この科の種はすべてが砂に埋まって生活しており、体は細長く、基本付着して生活していない。また、多くの種は体幹が皮膜に覆われているという特徴があります。この科には12属が属しています。現在見つけている属は以下の属です。
この属は、体は細長く、基本付着して生活していない。この多くの種は体幹がクチクラでできている皮膜に覆われているという特徴があります。この属は2021年に福山大学 泉 講師の研究によりこの属の再検討とともに、1種を再記載・4種を新種記載が行われている。
・エメラルドイソギンチャク
Edwardsianthus smaragdus Izumi & Fujii, 2021
砂地にある岩の隙間や礫の間でたまに見ることができます。
刺激に非常に敏感であるため、ゆっくり近づけば収縮しないですが、ライトを当てると一瞬で隠れる。
エメラルドという名に恥じない、美しい緑色をしています。
採集するのは非常に難しい。
定義: 反口側は球状もしくは盤状で,足盤筋を持つものと欠くものがいる.体壁は滑らかか,または 様々な突起物を持つ.通常, 外胚葉性の縦走筋を欠くが,一部の科には存在する.触手は単純かもしくは特殊な形状を呈し,環列状または放射状に配置する.周口筋はないか,内胚葉性もしくは中胚葉性で ある.管溝は方向隔膜に付随するが,まれに方向隔膜を欠く場合は他の隔膜に接続する.隔膜は6回対称に配置し,2次隔膜は1次隔膜の外腔に生じる. 方向隔膜を除く隔膜対に付随する牽引筋は向かい合うように発達するが,ごくまれに不対の隔膜が発達する.隔膜糸は通常繊毛帯を持つが,稀に欠くものがいる.
刺胞相:螺刺胞,基棘刺胞,全棘刺胞,短基有鞭b型刺胞,短基有鞭p型刺胞,長基有鞭p型刺胞macrobasic p-mastigophore. (Izumi et al., 2019)
一般的にみられるイソギンチャクは大体この亜目のことが多いです。
この亜目には3つの下記の上科が属しています。
・Actinostoloidea Carlgren, 1932 : セトモノイソギンチャク上科
・Actinioidea Rafinesque, 1815 : ウメボシイソギンチャク上科
・Metridioidea Carlgren, 1893 : ヒダベリイソギンチャク上科
Heteractis magnifica ( Quoy & Gaimard, 1833 )
英:Ritteri anemone
このイソギンチャクは非常に大型になり、触手が多密で長いところから”千手”イソギンチャクと呼ばれています。
見た目の迫力もあって、アクアリストに非常に人気の種です。カクレクマノミやハナビラクマノミが共生することが多いです。
沖縄島の潮がよく通るところに見られます。
1833年にQuoyとGaimardによって記載されました。原記載地はオーストラリアの北東にあるバニコロ島です。
Stichodactyla gigantea ( Forsskål, 1775 )
英:Giant carpet anemone
このイソギンチャクは学名にもある通り、非常に大型になり、僕が見た中で一番大きな個体は口盤が60㎝以上のものがいました。触手は多密だがそこまで長くないことから、”カーペット”に例えられることがあります。毒性は強く、手で触れると触手がぴったりくっついて離れず、無理して外そうとすると触手がちぎれます。また、皮膚の薄いところに刺されてしまうと炎症を起こすので、お互いのためにも触るのはやめておいた方がいいです。カクレクマノミと共生しているところをよく見ます。
沖縄島の砂地や岩の亀裂や隙間にモサモサとしているところが見られます。
1775年にForsskaiによって記載されました。
原記載地は紅海です。