19世紀に活躍した科学者でファラデーという人がいます。彼は家が貧乏で小さい頃から製本の手伝いをして働いていました。そんな中、彼は人一倍勉強熱心だったので、主人はファラデーに製本の仕事の合間に本を読むことを許していました。そこでファラデーは科学と出会います。
ファラデーが科学を勉強していると、ある科学者の公演にいくチャンスが彼に舞い込みました。そこで彼は、その科学者の公演を講演録としてまとめて送ることで科学への情熱をその科学者にアピールしました。結果、その科学者の助手として彼は念願の科学の世界に入ります。その後、ファラデーは「電磁気学、有機化学」などの分野で素晴らしい研究成果を残します。
そして、そんな彼が「1本のロウソク」を題材に、子供から社会人まで全ての人に向けて科学の公演をしました。その公演を通じて、ファラデーは多くの人の心に「科学を楽しむための火」を灯しました。
イミテーションとは「真似る、模倣する」という意味ですが、ファラデー の「ロウソクの科学」の公演をリメイクすることで、21世紀版「ロウソクの科学」として「科学を楽しむための火」を灯したいと想いが「イミテーションの火」という名前には込められています。
イミテーションの火と呼んでいるのにはもう一つの理由があります。それは教育者としての限界を自覚するためです。素晴らしい公演や対話などによって人の心の中に、一時的に火を灯すことは確かに可能かもしれません。
しかし、それは本人にとって外部からきた刺激であり、本人の心に芯ができないと火が燃え続けることはできません。
その意味で僕らがここでできることは本物の火ではなく、あくまでイミテーションの火を灯すことであり、それが継続して燃え続け、いつか本物の火となり炎になることが大事なのだという風に考えています。
ロウソクの科学を学べば明らかになることの一つに「ロウソクは芯がないと燃えない」という事実があります。「イミテーションの火」では、聞いている人の心に科学の芯を作り、そこに火を灯すことを目的としています。
科学の芯とは科学する心です。科学する心は簡単にいうと「なぜ?」と問うこと。より具体的にいうと、観察し、仮説を立て、実験し、考察するというサイクルを回すことです。「イミテーションの火」では「なぜ」を大切にし、そのあとの科学の考え方をサポートします。
開催日時:第1回:2019.01.XX
開催場所:
演示実験
ロウソクの科学に対する実験を交えた公演( 1時間/回を想定)
ワークショップ