手外科は、整形外科で扱う領域のうち、特に肩から手までに特化した部分の診断と治療を行う専門性の高い診療科になります。
手は「骨・関節・腱・神経・血管」が狭い範囲に密集し、非常に複雑な構造を持っています。このため、一見軽い外傷でも、専門外の医師だと腱断裂や神経損傷を見逃すことがあり、後から機能障害が判明することがあります。また、一般整形外科医では「骨がくっつけばよい」といった外傷の治療に偏り、可動域制限や握力低下、しびれの残存など、生活・仕事に支障が出る後遺症につながりやすいといった側面もあります。緊縛による神経障害についても、一般整形外科医ではビタミン12を処方されておしまいといったことも多く、このことから整形外科にかかるのを無意味として医師の診察を行わずに整体や鍼灸に頼るといった例も多くみられます。
これに対して手外科医はその専門性をもとに、レントゲン、エコー、CT、MRIなどの画像検査、関節の動きを確認する関節鏡検査、神経伝道速度検査、そして手根管症候群に特有のティネル徴候やファーレン徴候といった神経学的検査などを用いて診察を行い、原因の特定を行います。緊縛事故の場合、神経伝道速度検査によってケガをしている神経とその場所の特定まで可能となります。手が痺れるという症状ではなく、どの神経のどこがケガをしているという特定ができると手外科での治療はもちろん、整体や鍼灸でも効果的な治療で望めます。
また、深刻な神経障害の場合、神経を圧迫している原因を取り除く、断裂した神経をつなぎ合わせたり、神経移植で補ったりといった手術も手外科によって対応されます。
手外科医の所属する医療機関は一般社団法人 日本手外科学会より公開されています。もしもの場合に備えて、お近くの医療機関を調べておいてもよいかも。
手外科専門医名簿
手外科については、五反田のSMバー ミルキーウェイの若さんから紹介いただきました。以下も参考にしてください。
緊縛による神経系ケガの病名確定から治療にいたるまで