注意していたのに緊縛でケガをしてしまった、そんなときの対処法
ケガの概要
縄で神経が圧迫・損傷され、痺れ・麻痺・運動障害が起こる。また、無理な姿勢を長時間強いられることでも起こる。
特に後手による圧迫が原因で腕によくおき、緊縛事故というと腕の神経障害を指す場合もある。
危険度・緊急性
短期的なしびれ=軽度。
数日以上続く痺れや手が動かない=重度で後遺症リスク。
応急処置
すぐに縄を解く。
腕が熱を持っていない場合は温タオルやシャワーで患部を温める。 ただし温めて痛みが強くなる場合は中断する。
回復までの目安
軽度:数分〜数時間で回復。
中度以上:数日〜数週間、場合によっては慢性化。
医療機関を受診すべき目安
翌日以降も痺れが続く。
手に力が入らない・指が伸びないなど運動障害がある。
診療科としては整形外科になるが、手の神経障害の場合は手外科の設置されている医療機関が推奨される。
ケガを隠す/ケアする工夫
外見に出にくいが、動作に現れる。日常生活に支障があれば医療受診を優先。
再発防止・予防
後手縛りや吊りで長時間固定しない。
高い頻度で後手縛りや吊りを受けない。
ケガの概要
血管が圧迫され、皮膚の下に出血がたまる。逆さ吊りで顔に点状出血が出やすい。
危険度・緊急性
軽度が多い。
顔の出血は目立つため生活上の困りごとになりやすい。
応急処置
冷やして安静にする。
大きな腫れがある場合は医療機関へ。
回復までの目安
数日で消えることが多い。
ケガの翌日以降はヘパリン類似物質クリームの塗布で固まった血液の吸収を早めることができる。
医療機関を受診すべき目安
広範囲に強い腫れ・痛みがある。
ケガを隠す/ケアする工夫
顔の場合はマスクやメイクで隠す。
首や体は衣服で隠す。
寝返りや捻ったことにして薬剤のないワンタッチパッドなどで隠す
再発防止・予防
長時間の逆さ吊りを避ける。
定期的に体勢を変える。
ケガの概要
縄が皮膚をこすって生じるすり傷。
危険度・緊急性
軽度が多いが、見える部位(首・腕など)は日常で目立つ。
応急処置
清潔に洗い、必要に応じて保護パッド。周囲に赤みがなければキズパワーパッドが有効。
オロナインなど殺菌作用のある傷薬を塗布。
周囲が赤くなるようなら、抗生物質の含まれる軟膏を使用し、ガーゼは一日一回交換。この場合は滅菌パッドを使用。綿のガーゼは傷についてしまうため使用しない。
膿や赤みが強い、傷が深い場合は医療機関へ。
回復までの目安
軽度:数日〜1週間。
深め:10日以上痕が残る場合あり。
医療機関を受診すべき目安
傷が深い・出血が止まらない。
感染の兆候(膿、熱感)。
ケガを隠す/ケアする工夫
首や体は衣服で隠す。
寝返りや捻ったことにして薬剤のないワンタッチパッドなどで隠す
再発防止・予防
素肌での緊縛を避ける。傷になっては困る場所を覆える長袖の衣服などを着用する。
縄を滑らせず、摩擦を避ける。
医療機関に行く場合にオロナインが塗られていると困るとの指摘があり応急処置からオロナインは削除します。
ケガの概要
縄が切れる、吊りからの落下などで発生。
危険度・緊急性
軽度〜中度。
応急処置
冷却と安静。
回復までの目安
数日〜数週間。
医療機関を受診すべき目安
腫れ・激痛がある場合。
動かせない場合。
ケガを隠す/ケアする工夫
打撲痕は衣服で隠す。
再発防止・予防
信頼できる縛り手・安全な吊り設備を利用。
初回は吊りを控える。
ケガの概要
縄が切れる、吊りからの落下などで発生。
危険度・緊急性
日常生活に支障大。
応急処置
骨折疑いの段階で固定して動かさず救急受診。
回復までの目安
数週間〜数カ月。
医療機関を受診すべき目安
受診必須
腫れ・変形・激痛がある場合や動かせない場合は整形外科を受診。結果、骨折などの診断となる。
ケガを隠す/ケアする工夫
骨折は隠せない。
医師の診療に従って加療する。
再発防止・予防
信頼できる縛り手・安全な吊り設備を利用。
初回は吊りを控える。
ケガの概要
首に縄がかかる、胸や腹が強く圧迫されるなどで呼吸が妨げられる。首の縄だけでなく胴を強く締められることでもおきる。
緊縛の死亡例の多くを占める最も危険なケガ。
危険度・緊急性
極めて危険。意識喪失や呼吸停止に直結。数十秒で命に関わる可能性がある。
応急処置
直ちに縄を解き、呼吸の確保。
意識がない場合は救急要請(119)+心肺蘇生(人工呼吸・心臓マッサージ)。
回復までの目安
軽度(少し息苦しい程度):数分〜数時間で回復。
意識消失後は後遺症リスク大。
医療機関を受診すべき目安
呼吸困難や意識障害があった場合は救急搬送。
喉に違和感や声のかすれが続く場合も受診。
ケガを隠す/ケアする工夫
首に縄痕が残る場合はスカーフ・ハイネックなどで隠す。
ただし深刻な場合は隠さず受診を優先。
再発防止・予防
首への縄・強い胴締めは呼吸ができるかを確認。
呼吸ができないと感じたら即ストップワード。