「私がPower Automate Desktopではなくマクロマンを選んだ理由」ということで、個人的な経験談をお話ししようと思います。
なお、Power Automate Desktopは以下『PAD』とします。
PADとマクロマンの違いがよくわからなくて、迷っている
マクロマンの方がオススメの理由って何?
そんなお悩みに、少しでもお力添えができればと思います。
ちなみにタイトルからわかるように、マクロマン寄りの内容ですが、『PADよりマクロマンのほうが優秀!』というわけではありません。
あくまで私個人や会社にとって、マクロマンがあっていたということです。悪しからず・・・
以下は、両ツールの基本情報をまとめた表です。
共通する特徴は、「無料で使うことができる」「サポートは有料である」という点です。
次に、具体的な機能の比較です。
操作できる主要なアプリケーションには違いがありません。
Office製品に絞って見ていくと、PADの方がより細やかな操作設定ができます。同社製品としての相性の良さがうかがえる点があります。
一方で、実行ログや計画実行機能(タスクスケジューラとの連携)など補助機能については、マクロマンの方が使いやすいという印象です。
では、具体的にマクロマンを選んだ理由を説明していきたいと思います。
理由その1は、公式サイトの練習事例集があることで、操作の習得がしやすかったことです。
そもそもRPAを始めたきっかけは、請求書作成の自動化でした。
頻繁に作成漏れ・請求漏れが発生してしまうため、Excelにまとめられている情報を会計システムに連携し、
請求書を作成する・・・という業務自動化から始めました。
最初はPADで自動化を始めてみましたが、PADの機能の豊富さに、どれを使ったらいいのか?と悩む時間が長くなってしまいました。
また、マニュアルはしっかり読む派の私ですが、海外製品にありがちな粗い翻訳マニュアルだと、
読んでもなかなか理解が及ばないことがありました。
マクロマンには練習事例集があったので、超基本的な操作を、実際に操作しながら習得することができました。
操作する上で必要な「インスタンス」「変数」といったIT用語の意味も、とても理解しやすかったです。
この辺りは、国産ツールを利用する大きなメリットだと思いました。
次に感じたのが、ロボット(スクリプト、シナリオ)の作成がしやすいということでした。
PADは、コマンド(パソコンをどのように操作するのかを設定する選択肢)が非常に豊富です。
その反面、コマンドがずらずらずら~・・・っと並んでいます。
使いたいコマンドがどこにあるのか、なかなか見つけられませんでした。
(※もちろん、相性や慣れが必要ではあります)
マクロマンは、コマンドがある程度グループでまとめられています。
「ファイルの操作をしたい」「シートの操作をしたい」など、使いたいコマンドを直感的に探し出すことができました。
また、マクロマンは操作画面がシンプルな作りであったため、「ここをクリックしたら設定できるのね」と何となく操作しながら覚えることができました。
3つ目の理由が、タスクスケジューラとの連携が簡単であることです。
タスクスケジューラとの連携が可能になると、「毎日10時30分になったらロボットを自動実行する」など、無人でのロボット実行が可能になります。
なぜタスクスケジューラとの連携が魅力的であるかというと、PADで請求書作成や資料作成の自動化が進むにつれて、
「これ、私が毎日実行ボタン押さないといけないの・・・?」
「担当者が休みの日はどうする・・・?」
という疑問を感じるようになりました(遅い)。
調べたところ、PADのデフォルト機能として、自動的にロボットを動かすことはできないとわかりました。
一方でマクロマンは、タスクスケジューラとの連携機能(計画実行)も無料で使えます。
今後もRPAで自動化する業務が増えるうえで、自動実行は必要だと思い、マクロマンを選択しました。
ちなみにPADでも、いろいろと頑張れば自動実行が可能であるように思えました。そういうWebページも見つけました。
しかし、もしもRPAの担当者が私以外に変わったときに、その設定作業を引継いで続けられるだろうか・・・という不安がぬぐえません。
マクロマンの計画実行機能は、設定が比較的簡単です。
設定が簡単だと、ノウハウの積み上げ・マニュアル化・引継ぎも簡単になります。将来のことを考えると、マクロマンの方が弊社向きだと感じました。
マクロマンはログの確認がしやすく、ロボット作成時やエラー発生時のチェックが簡単にできました。
ログとは、RPAがどのような「いつ」「どのような」操作をしたか、テキストデータに書き起こしたものです。
RPAを動かすと、自動的にテキストファイルに記録されます。
エラー発生時には「○番目の動作で、××××というエラーが発生しました」という記録が残ります。
これはロボットの作成時はもちろん、稼働中に思わぬエラーが起きた際の原因究明に必須となります。
PADの実行ログには、『ファイルの保管場所がわかりづらい』『実行ログが読み取りづらい』という問題がありました。
特にファイルの保管場所は隠しフォルダになっており、以下の場所に保管されています。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Power Automate Desktop\Console\Scripts\個別ID\Runs\個別ID2
マクロマンの場合は、インストール時にドキュメントフォルダ内に作成される「MACROMAN」というフォルダに記録されており、
すぐに見に行くことができました。
ログファイルは頻繁に見に行くため、探しやすい場所に配置されていて、かつ見やすいというのは、RPA初心者としてはとても助かりました。
マクロマンのロボット(スクリプト)が簡単に共有できる点も、嬉しいポイントでした。
※スクリプトとは、マクロマンを動かすプログラムファイルのことです。
例えば「Excelを起動してデータ編集を行い、指定のフォルダに名前を付けて保存する」というロボットを作った場合、
このロボットを記録したファイル=スクリプトとなります。
マクロマンのスクリプトファイルは、通常のテキストファイルやExcelファイルと同様に扱えます。
そのため、コピー&ペーストやメール送付することで、ロボットを複製することができます。
複製したロボットは、指定フォルダに保存すればすぐに使えます。
PADのスクリプトは、このようにファイルそのものをコピーしたり、メールで送ったりすることができません。
別のPCにスクリプトを移す場合は、いったんテキストファイルにコピーする必要があります。
また、テキストファイルを使ったコピーには、移動できる内容に制限があります。
マクロマンのように、通常のファイルと同じ感覚でスクリプト共有ができると、とても簡単で分かりやすいですよね。
これも社内ノウハウの積み上げ・業務引継ぎなどが楽になる!と感じられたポイントです。
PADのスクリプトは、このようにファイルそのものをコピーしたり、メールで送ったりすることができません。
別のPCにスクリプトを移す場合は、いったんテキストファイルにコピーする必要があります。
また、テキストファイルを使ったコピーには、移動できる内容に制限があります。
マクロマンのように、通常のファイルと同じ感覚でスクリプト共有ができると、とても簡単で分かりやすいですよね。
これも社内ノウハウの積み上げ・業務引継ぎなどが楽になる!と感じられたポイントです。
マクロマンはVer.5.0.0.0の時に大規模なアップデートを行い、画面や項目名がさらに理解しやすくなりました。
マクロマンのリリース直後をご存じの方からしたら「こんなに変わったの!?」という感じでしょうね。
もちろん見やすくなっただけでなく、コマンドの追加や補助機能の改善など、様々なアップデートがされています。
弊社での導入当初から考えても、必要と思われる機能が着実に実装されているので、今後も有用なアップデートが期待できます。
私がマクロマンを選んだ理由について、簡単にまとめますと・・・
練習事例でRPAの基本操作が身につくので、初めての人でも使いやすい!
毎日繰り返す作業などに対して、タスクスケジューラとの連携が便利!
ログ確認やスクリプト共有など、開発・管理どちらも簡単!
これからの開発にも期待大!←ここ大事
これからもマクロマンユーザーが増え、便利な機能が続々と搭載されていくことを願っています。
また弊社としても、ロボットの開発代行・導入や運用の支援を行っておりますので、その一助ができますと幸いです。
マクロマンに興味を持っていただけた方は、下のボタンからダウンロードしてすぐに使えますので、ぜひチャレンジしてみてください!