<概要>
日本の山奥の温泉宿で赤井秀一と降谷零が任務で鉢合わせして二人で事件解決するお話
・モブがめっちゃ出てきますが事件の関係者としてしか出てきません
・赤安のR-18シーンは後半にあります
シュウが零くんに対してやや意地悪
零くんがイラマっぽいことしてる
鬱蒼と茂る木々の間を一台の車が通り抜ける。丈夫なSUVとは言え、お世辞にも整備さ れたとは思えない山道はタイヤが乗るたびにガタガタと車体を揺らした。しばらく進むと木 製の古びた看板が現れ、左へと進む道が見えてきた。『霧の里霧月荘へお越しの方はこち らへ』と消えかかった文字で書かれた看板に従うように車を左の脇道へ進めた。 今日の天気は晴天のち曇りと予報には書いてあったが、この山の中では木々と立ち込める 霧によって空模様の判別がつかない。まだお昼前だというのに常に薄暗い道はどこか不気味 である。
この先は人里離れた場所で便利なコンビニもスーパーもない。あるのは先ほどの看板に書 かれた宿一つのみ。この道を進む者の目的はこの宿を訪れる以外にありはしない。今こうや って道なりに車を進める降谷もその一人である。しかし決して休暇として訪れたわけではな い。警察庁警備局警備企画課に所属する彼にとって、休暇など無いに等しい。ハンドルを握 りながら、降谷は上司とのやり取りを思い出していた。
一ヶ月前。降谷は警察庁で上司である黒田と対面していた。以前であれば黒の組織に潜入 していたこともあって、警察庁に出向くことができなかったが、その任務も終わり今こうやって堂々と職場に赴くことができるようになった。
公安だけでなく世界中でマークしていたその組織は、三年前に各国の警察組織や一人の小 さな探偵の力もあって、その母体を完全に瓦解することに成功した。中心が崩壊した今、残 ったのは取り残された末端の構成員のみだ。世界中にその根を張っていただけのことはある。 散り散りになった蜘蛛の子たちは今でも息を潜めているわけだが、そこは各国の優秀な警察 組織が担当すれば良い。あともう数年はかかるだろうが地道に潰していくしかない。
その末端構成員の一人の男が日本で怪しい動きをしているという情報が降谷の耳に入った。 梁国明(リャン・グォミン)という中国国籍の男で、表向きは中国系の貿易会社の社長を装 っているが、その裏で麻薬や武器の密輸を行なっている疑惑が上がっている。組織が瓦解す る混乱に乗じて、彼らの資金の一部を持ち逃げし、その金でのし上がったという、中々にち ゃっかりとした男である。今は東アジアを中心に活動しているが、日本にもその拠点を広げ ようとしている。その証拠を取り押さえ梁を検挙したいというのが公安の意思だ。
梁という男は、かつてバーボンというコードネームで行動していた際に数回やり取りをし た人物だった。数回程度の交流しか無かったにも関わらず、梁はバーボンに酷く心酔してい た。実際、任務の上でやむを得ずそう思わせるように仕向けたのは降谷自身であるが、それ を利用しない手は無い。降谷は「バーボンは各国の警察の目を上手く掻い潜り今は日本に潜 伏している」と出所が公安だとわからないルートを使用して噂を流した。目論見通り、梁は・・・
〜〜〜
宿の中は目立つため二人は宿の周囲を把握する目的で散策することにした。散策する、と 言っても宿の周囲はほぼ木々で囲まれているため、徒歩で歩ける範囲は限られている。車で 来た時の山道はそのまま一本の細い砂利道として続いており、宿へと誘っている。そのまま さらに道は先まで続いているが、その先はまた木々に覆われた道となっていて先が見えない。 地図によればこの先をずっと行けば民家がぽつぽつとあるらしい。その辺りの集落の人がよ くこの宿を訪れるのだという。
朝方よりも雲が厚く、今にも雨が降り出しそうだ。霧も濃くなっている。まるで別世界に 閉じ込められたような錯覚に妙な不安を覚える。自分の隣を何食わぬ顔でいつものようにふ てぶてしく歩く男に、降谷は不思議な安堵を覚えた。彼にそんな感情を抱く内心が腹立たし く感じ、振り払うようにかぶりを振った。
「こちらがマークしている男が日本のこの場所に訪れると情報があってな。長らくこちらで 任務経験があった俺に白羽の矢が立った。そいつを連れて帰って来いと」
赤井自ら今回の動機を話し始めた。本来であれば他国の捜査官同士の腹の中を話すのはリ スクを伴うが、この閉ざされた山の中であれば互いの行動範囲がわかっていたほうが良いと 判断したのだろう。
やむを得ないとため息を吐いて降谷も話し始めた。
「まあ僕も似たようなもんです。ここで対象と取り引きする話をつけたので、証拠掴んで引っ捕える予定です。まさか、対象まで同じじゃないでしょうね」
そうなると話は変わってくる。こちらの対象を他国に易々と取られるわけにはいかない。
「ヴィクター・陳(チェン)。中華系アメリカ人で元米軍特殊部隊に所属していたが、今は 東アジア向けに違法武器の仲介をしている。ずっと追っていたんだが、どうやらこの国にも 贔屓にしている客がいるらしくてね。そいつとなにかビジネスを始めようとしていることが わかって、姿をくらます前に取り押さえようと辿っていったらこの場所に辿り着いたと言う わけだ」
「……梁国明。表の顔は中国系の貿易会社社長。その裏で麻薬と武器の密輸をやっている男 です。日本にその拠点を広げようと動き出している情報を掴んだので、証拠を引っ提げて公 安で処理するつもりです。この男、黒の組織の元末端構成員です」
「ほぉ……」
「あなたがライだったという事実は彼は知りませんよ。僕が個別にバーボンとして接触した ことはありますけど。与える情報も限られた範囲のものだけを流していましたし」
それだけかつての組織は複雑な層を成していた。コードネームを与えられるような幹部は 全体のごく一部。そこからそれぞれが従える構成員とさらにその傘下に下請けのような企業 があったりする。全ての闇を洗い出すには根気がいるのである。梁もそんな末端に居た人間 に過ぎなかった。
〜〜〜
任務で来日したわけだが、まさかこんな場所で彼に巡り会えるとは予想していなかった。いや、正確には、どこか会えるのではないかと淡い期待、根拠のない確信めいたものはあっ た 。
昨 夜の出来事を思い出して、赤井は思わず笑みをこぼした。
かつてのように、自分に対してあの激情をまた向けて欲しいと、つい欲が出てしまう。あ の意志の強い眼差しを歪ませて自分に向けてくるのが堪らなく嬉しいのだ。こんな子供じみ た感情が自分にあるなど思いもしなかった。
山間から一台の大柄な車が降りてきた。黒のレンジローバー。そのまま駐車場の方へと曲 がり赤井の目の前を横切った。 対象の男、ヴィクターが運転していた。後ろの席にもう一人の男。彼が降谷の追う梁なの だろう。
「ようやくお出ましか」
吸い殻を灰皿に押し付け、再び降谷の元へ向かった。
「来た」
部屋の広縁から梁とヴィクターが宿に向かって歩いてくる姿を捉えた。降谷は浴衣から着 替え、チャコールグレーのスーツに身を包んでいた。インナーのタートルネックに細身のダブルブレストのジャケット。バーボンらしさのある一着を選んできた。少なくとも梁の頭の 中に刻み込まれているバーボンのイメージ通りに。
「入るぞ」
一声かけてから赤井が入ってきた。降谷の姿を捉えるなり目を見張った。
「ほぉ…バーボンもよくそんな格好をしていたな。懐かしいよ」
「……あなたは随分と良いスーツ仕立ててもらったじゃないですか」
やや光沢のある漆黒のスーツ。ネイビーのYシャツとシングルブレストによってより上半 身の厚みが上品に際立っている。本人は一切気にしていないが、スーツはそれなりに高額の ものだった。これだけ上等なものを上から下まで身につけても嫌味がなく自分のものにして しまうのだ、この男は。降谷は赤井を半目で睨んだ。
今ちょうど下の階では従業員の誰かが彼らの受付対応をしている頃合いだ。
「予定通り、君のボディーガードとして着くよ」
「フリで良いです」
ジャケットの裏に隠したH&KP7M8を布越しにそっと触れた。旅行鞄の中では全て 分解した状態で入れていた。流石にこのタイミングで使うことはおそらく無いだろう。これ はただのお守りだ。
ちら、と真っ黒なスーツで固めてきた男を見遣る。
〜〜〜
精一杯のおねだりに赤井は手の中で震えている彼の中心を先走りを含ませながら上下に擦 ってやる。待ち望んだ刺激に降谷は喉をそらして嬌声を上げた。焦らされた分、与えられた 快楽はより強く感じる。すぐに硬くなったそこはさらに粘膜を吐き続けた。
「ぁあ…っ!!」
声を抑えられずに口を両手で塞いだ。自分の声が想像よりも大きく、ちらりと扉のほうを 見遣った。もし廊下にまで声が聞こえていたらたまったものではない。そんな思いを察して 赤井がやんわりとその手を取った。
「大丈夫だ、外には聞こえないよ」
「うぅ…くそ…っ…僕ばっかり……」
意趣返しのつもりで降谷は震える足先で赤井の股を触った。平均よりもそこそこ大きい降 谷のそれをさらに上回るサイズの赤井の中心部。そこは既に硬く上を向いていた。
「あ……」
「乱れた君を見たらそうなる」
そういえば露天風呂で若い男がこれを見て怯えていたことを思い出す。
だが本当の怖さは降谷が一番身を持って知っている。自分の中で暴れる肉の凶器がどれほ どの快楽を自分に与えてきたことか。まだ入れられてもいない後ろの秘蕾が待ち望むように ひくひくと収縮したのがわかった。三年越しだというのに体はその時の感覚を覚えている。
再び赤井は手の動きを再開させた。強弱をつけながらも容赦なく昂りへと誘う左手に降谷 争うすべもなく翻弄された。同じ男だからなのか、気持ちいいと思うところを的確に擦られ て堪らない。
「あ…っ…も、もう…でる…」
その言葉により一層手の動きは早まる。根本から絞るような動きで擦られ、仕上げに先端 の口をかりかりとくすぐられて降谷はあっけなく吐精した。
久しぶりの吐精感に降谷は布団に沈み込んだ。その間に汚れた下着は取り払われてしまっ た。浴衣はかろうじて帯で固定されているのみで、果てたばかりの下腹部は赤井に丸見えだ。 滑らかな褐色の肌に白濁が散るコントラストに赤井は目を細めた。
「早いな。しばらく自分でしていなかったのか?」
「……っ……うるさい!」
このまま翻弄されっぱなしなのは気に食わない。 体を起こした降谷はそのまま赤井の股をの間に体を入れて、彼の下着を下にずり下ろした。 勢いよく下着から飛び出した赤黒い怒張に一瞬怯んだものの、後には引けずにぱくりと先端 を口に含んだ。
規格外のサイズにどうしても歯が肉棒に当たってしまう。かろうじて動かせたる舌で先端 をぺろぺろと舐めてみた。舌の先に感じる塩辛さは不快に感じるどころか背中にぞくりとし・・・