お知らせ

開催予定

現在、定例研究会以外の開催予定はありません。

※ 定例研究会の開催告知は、メンバー限定のメーリングリスト上で行います。メーリングリストへの登録を希望される方は、事務局:森 直人 mori.naoto.fw[※]u.tsukuba.ac.jp ([※]をアットマークに)までご連絡ください。

過去のお知らせ

日本教育学会第82回大会ラウンドテーブル

日時:2023年8月24日(水)15:30~17:30

場所:オンライン(要大会参加) 

「「多様な教育機会」をとらえる視角――公教育の再編と子どもの福祉(その3)」

企画者:森 直人(筑波大学)

報告者:森 直人(筑波大学)「「多様な教育機会」概念の射程と教育/福祉-区別の視角――ジレンマのなかで生み育てる実践の論理」

    澤田 稔(上智大学)「コンピテンシー・インクルージョン・デモクラシーを基盤とする学校教育へ――学校教育におけるジレンマを飼いならす」

    金子 良事(阪南大学)「「無為の論理」再考」

《趣旨》

 本企画は、2015 年の通称「多様な教育機会確保法案」の報道とその後の事態の推移を契機として 2016 年 4 月に誕生した「多様な教育機会を考える会」(rethinking education 研究会、以下 RED 研)におけるこれまでの議論の成果を総括する企画の一環として設定される。 

 RED 研は、同法案が提起した問題を広く、長期的かつ多角的な視点からとらえなおすことを目的として誕生した。教育学、社会学、社会政策・社会福祉・社会保障論など学際的な研究者のみならず、フリースクールや子どもの貧困対策などの支援の現場に携わってきた当事者・実践者・運動家らもつながり、議論を交わす集まりである。これまでに 2023 年 5 月現在で計 40 回の定例研究会を開催するほか、公開シンポジウム(2021 年)や公開ワークショップ(2020 年)、日本教育学会ラウンドテーブル(2017 年・2018年)などの機会にその成果の一端を発信してきた。今回のラウンドテーブルから数度にわたるシリーズ企画として、RED 研の成果を総括することを企図している。 

 RED 研は以下の 3 つの特徴を軸とするスタンスのもとで議論を蓄積してきた。すなわち、①「多様な教育機会」概念の射程を拡大すること、②単純で粗悪な「市場化」「民営化」への警戒を堅持しつつも、同時に「NPO・株式会社など民間法人・団体の関与=ネオリベ」という等式図式を前提としないこと、さらに、③「唯一最善のシステムとしての学校」を絶対視しないが、同時に「学校をよくする」こともめざすこと、である。 

 今回のラウンドテーブルでは、こうした RED 研が選択したスタンスが、どのような教育学的・社会政策論的パースペクティヴをもたらすことになるかについて、RED 研立ち上げにかかわった 3名の報告者がそれぞれの専門(教育社会学・批判的教育研究・社会政策論)と視点から報告し、討論者およびフロアと議論を交わす。 

(※日本教育学会第82回大会プログラム51頁)

オンライン公開シンポジウム

「多様な教育機会」と子どもの福祉(ウェルビーイング)

――「多様な教育機会を考える会」の5年間の軌跡をふまえて――

日時:2021年1月10日(日)13:30 – 17:30

開催:オンライン(zoomミーティング)   

参加費無料・参加申し込みフォーム(※事前登録が必要)

 https://sophia-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tJUlfuCgpzoqGdUqQBau8mW3w4kd0L4kZoff

(登録後、ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます。)  ※終了しました。

(主催:上智大学グローバル・コンサーン研究所 共催:多様な教育機会を考える会)

・ 森 直人(筑波大学)

・ 澤田 稔(上智大学)

・ 金子 良事(阪南大学)

・ 末冨 芳(日本大学)

・ 広瀬 裕子(専修大学)

・山田 哲也(一橋大学)

2015年の通称「多様な教育機会確保法案」が提起した問題の射程は広く、その背景にある社会の変容も、公教育で進みつつある諸改革のゆくえも不透明です。また、これまで「正規の学校」の網の目からこぼれ落ちる人びとに居場所や学習機会を提供してきた支援の場は、フリースクールや夜間中学校のみにかぎりません。個別の法案への評価からいったん離れ、公立私立の学校をはじめとして、この社会に遍在し、成長する人びとの生を支えるあらゆる「多様な教育機会」を対象に、長く継続的な過程の一局面として現在を把握する視野の広さが求められます。

この公開シンポジウムでは、そうした問題意識を共有する者が集まり、5年にわたり考察を深めてきた「多様な教育機会を考える会」の立ち上げにかかわった3名が登壇し、これまでの議論の展開と共有をふまえた報告を行います。教育社会学・社会階層論、批判的教育学・カリキュラム論、労働史・社会政策論と、アカデミックな背景の異なる報告者が、それぞれの専門分野を越境しつつ考察してきた現時点での到達点を、参加者全体にむけて問いかけます。それは、格差・貧困が拡大するなかにある「多様な教育機会」の意義を福祉の観点からとらえ、教育/福祉の相互浸透や葛藤・摩擦を読み解く試みとなります。

1990年代のヨーロッパにおける福祉国家再編の政治をつうじて、その鍵となる教育領域に国際的な注目が集まりました。日本ではじめて条文に「子どもの権利条約」や「年齢又は国籍にかかわりなく」の文言を明記し、義務教育の原則を「就学義務」から「教育義務」へと切り替え、不登校/登校拒否、貧困、国籍、民族、言語、障害などによって公教育体系から排除されてきた人びとの学習権の実質的かつ完全な保障をめざした上記法案も、「子どもの貧困対策推進法」や「生活困窮者自立支援法」など福祉領域における教育重視の政策と連動したものとみるべきでしょう。

そこには重大な懸念も寄せられています。諸外国における同様の法改正が宗教右派や富裕層による「活用」につながったとする指摘があり、日本でも、公権力による家庭への介入の正当化と、公教育の単純で粗悪な「市場化」「民営化」につながりかねないとする危惧の声があがりました。教育政策における復古主義的価値観の高まりもあり、「排外主義的」な「包摂」の進展といった可能性すら視野に入れるべきでしょう。報告者の3名が共有する視角がもたらす射程を批判的に検討するため、指定討論者には、教育財政・子どもの貧困対策を専門とする末冨芳氏と、国家による地方教育/子ども福祉行政への「強制的」介入支援策を論じている広瀬裕子氏をお呼びします。

【主催の上智大学グローバル・コンサーン研究所 のページはこちら】 

公開ワークショップ(第24回研究会)

外国につながる子どもたちの支援から考える

――グローバル化・格差社会のなかの「多様な教育機会」――

日時:2020年10月4日(日)13:30 – 17:30

開催:オンライン(前半:zoomウェビナー/後半:zoomミーティング)    ※終了しました

参加費無料・参加申し込みフォーム

【参加をご希望の方はIGCメールアドレスへその旨をご連絡ください。(i-glocon[※]sophia.ac.jp)[※]をアットマークに。】【申込いただいた方には随時招待メールをお送りしておりますが、申込いただいた方の中に、ご記入いただいたメールアドレスが、有効でなかったため招待メールをお送りできなかった方がいらっしゃいます。申し込みを既にされたにもかかわらず、まだ招待メールを受け取っていない方がいらっしゃいましたら、上記メールアドレスにご連絡ください。10/3追記

(主催:上智大学グローバル・コンサーン研究所 共催:多様な教育機会を考える会)

・ 金 光敏(Minamiこども教室実行委員長,特定非営利活動法人コリアNGOセンター事務局長)

・ 鵜飼 聖子(こどもひろば事務局長)

・ 原 めぐみ(Minamiこども教室実行副委員長,和歌山工業高等専門学校)

・ 金子 良事(阪南大学,Minami子ども教室スタッフ)

・澤田 稔(上智大学)・森 直人(筑波大学)

国境を越える人の移動や社会経済的な格差・貧困が拡大するなかで、外国につながる子どもたちをどう支えるかが課題になっています。日本でも2010年代には、「教育と福祉の連携」が強調されるようになったほか、公教育制度の外側で居場所や学習機会を提供してきた支援の場に注目が集まり、そうした「多様な教育機会」の一部に公的位置づけを与える法律も成立しました。

しかし、これらの枠組みをめぐる構想においても、外国につながる子どもたちへの支援は十分に議論の対象となっていません。そうした子どもたちが直面する問題を視野に収めるためには、国籍・民族・言語などをめぐって、私たちが前提とする公教育の「公」も、「教育」も、大きく問い返されなければならないからです。

そこで、今回の公開ワークショップでは、大阪で外国につながる子どもたちの支援を続けている2つの団体、Minamiこども教室と、こどもひろばの関係者の方々をお呼びして、現場で子どもたちの背景にどのような課題があり、その解決のためにどのような支援を展開されているのか、またそのような活動を続けるにあたって大切にされていることについてお話をうかがい、参加者全体で考察を深めたいと思います。

外国につながる子ども一人ひとりの背景も、抱えるニーズも多様であり、その支援は「学習」のみに留まっては成り立ちません。外国につながる子どもたちへの支援の問題を手がかりに、それ以外の子どもたちへの支援も含めて、「多様な教育機会」の意味やフレームワークについて考え直すきっかけ作りにしたいと考えています。

詳細版はこちら→(上智大学グローバル・コンサーン研究所

日本教育学会第77回大会ラウンドテーブル

日時:2018年8月30日(木)16:30~18:30

場所:宮城教育大学(2号館 リフレッシュスペース)   ※ 終了しました

「学校内部に「居場所」を取り込む――多様なアクターによる実践の可能性と課題」

企画者:森 直人(筑波大学)

司会者:森 直人(筑波大学)

報告者:知念 渉(神田外語大学)

報告者:金子 良事(阪南大学)

《趣旨》

 第 189 回国会の会期中に上程が話題となった、いわゆる「多様な教育機会確保法案」の提出は、子どもたちにかかわる多様な教育供給主体の活動を支援する意味が含まれていたことから、期せずして既存の「公教育」体系のあり方を問い直すきっかけになった。最終的に「多様な」の文言は消え、法案の性格は大きく修正されたとはいえ、公教育体系のあり方を考えるという問題提起の意義まで失われたわけではない。本部会は、こうした問題意識のもとで開催した第76回大会ラウンドテーブル「公教育の再編と子どもの福祉―「多様な教育機会」の視点から」より継続する企画の一環である。

 「多様な教育機会」という問題設定は、「学校」を唯一最善の教育機会と見なして済ませるのではなく、他の多様な供給主体による教育機会の意義を認めたうえで、それら相互の実践的・制度的な「連携」を模索し、推進する方向に帰結する。そこにはどのような可能性と課題があり、制度化の構想が留意すべき論点はどこに、どのように存在するか。

 報告者には、大阪府立 A 高校における「外部連携」の現状報告と分析をお願いする。A高校はその地域的背景と歴史的文脈のもとで、すでに多くの「連携」実践の蓄積を持つ事例である。校内居場所カフェや進路保障・自立支援など、複数の課題をめぐって複数の民間団体と連携する取り組みのなかに、どのような可能性と難しさがあるか。事例の検討から「多様な教育機会」についての考察を行う。

 今年の企画は「ラウンドテーブル」にふさわしく、さまざまな場所や領域で類似の実践にかかわっている方々に遠慮なく参加してもらい、その経験を通じて見えてきている問題等を積極的に出し合って意見交換する場にしたい。そうしたやり取りを通じて整理する中で、論点の所在を明確にし、広く共有していきたい。

(※日本教育学会第77回大会プログラム21頁から転載)

日本教育学会第76回大会ラウンドテーブル

日時:2017年8月25日(金)17:00~19:00

場所:桜美林大学(明々館 A812 )     ※ 終了しました

「公教育の再編と子どもの福祉――「多様な教育機会」の視点から」

企画者:森 直人(筑波大学)

司会者:森 直人(筑波大学)

第一報告:畠中 亨(帝京平成大学)

    「教育と福祉の連携」が目指すもの

第二報告:山本宏樹(東京電機大学)・土岐玲奈(埼玉大学ほか)

      福祉行政による「公教育の再編」:「生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業」全国実態調査から

討論者:末冨 芳(日本大学)

《趣旨》

  21世紀に入り、既存の公教育体系を揺るがすような潜勢力を備えた改革構想が、少しずつ具体的な形をとって進展しつつある。それは「公」を「国家」と、また「教育」を「学校」と等値に見なしてきた、これまでの公教育のあり方を根底から問い直し、公私関係の新たな線引きを正当化する理念・思想とそれを具現化する制度設計とを要請している。本ラウンドテーブルは、近年の日本でも具体化しつつある個別の改革構想を念頭に置きつつも、それらが提起する論点の布置を「公教育の再編」という長期におよぶ過程の一局面として把握する射程のもとで整理し、錯綜する問題群を一つひとつ解きほぐしていく学際的な営みの一環として企画される。

  これまで公教育体系から排除されてきた「多様な教育機会」の公共性をどのように考え、多様な価値観の肯定と「教育の機会均等」の理念とをともに手放することなく、いかなる再編の全体像を描くことができるのか。検討すべき論点は多岐にわたるが、概略的に言えば、(1)公教育の再編(の長期におよぶ過程の一局面)に「福祉」の視点・要素をどう組み込んでいけるか、そして、(2)そこにどのような理念や根拠にもとづき財源をつけていけるか/いくべきか、といった課題が軸になるだろう。本ラウンドテーブルでは、以上の論点整理を冒頭で展開したうえで、社会保障・社会政策の領域で「子どもの貧困」と向き合ってきた研究者による報告、学校外の学習支援事業にかんする全国実態調査にもとづく報告とを受けたのち、教育費の公私負担の問題等を検討してきた教育研究者によるコメントから議論を敷衍し、上述した問題群を考察していく方向性をフロアとともに模索していきたい。 

(※日本教育学会第76回大会プログラム19頁)