放散虫は海洋プランクトンであり、その名の通り海の中に生息しています。
浅海から深海まで、赤道域から極域付近まで、いろいろなところにいます。
シリカの殻を軟体部が覆っている内骨格です。
生きている放散虫は、軟体部に含まれる共生藻などにより赤や緑などに色づいて見えます。
放散虫の殻の形は時代によって大きく異なっています。
そのため、地層や岩石から放散虫が出ると、その形によってその地層や岩石の年代が決められます。
放散虫のそれぞれの分類群の中で、さらに詳細な特徴で区分されています。
ペルム紀の例では、殻が細くなる傾向(①→③)などが明らかになっていて、詳細な年代がわかります!
放散虫化石は、陸上の地層の中では、チャートや珪質泥岩などに多く含まれています。
薄片を顕微鏡で覗くと、その姿が観察できます。
放散虫を含む代表的な岩石の「チャート」は日本や世界各地に分布しています。
色や厚さは様々です。
チャートなどを薬品で処理すると、放散虫の化石が手に入れられます。
顕微鏡を使って観察します。
薬品で処理したチャートなどの表面にも放散虫の姿が見えます。
この写真は、福井県の手取層群中のジュラ紀のチャート礫の表面です。
放散虫は英語では「Radiolaria」と呼ばれます。
「Radiolaria」が日本に伝わったばかりの1900年頃には「射形原蟲」などとも訳されていました。1920年代から現在の「放散虫」が定着したようです。
外国語での表記も様々です。