10:00〜12:00
12:00〜13:25
昼食
1日目午後前半セッション(座長:)
13:25〜13:50
大和田 健太(株式会社シーイーシー)
量子アニーリングを活用した要員配置最適化の取り組み
TBA
13:50〜14:15
長谷川 靖(SCSK株式会社)
TBA
TBA
14:15〜14:40
濱 祐介(産総研)
Subsampling Factorization Machine Annealingの開発
本研究では、アニーリング法と機械学習の融合技術であるブラックボックス最適化のためのアルゴリズム、Subsampling Factorization Machine Annealing (SFMA)を開発をした。従来手法のFactorization Machine Annealing (FMA)が全データセットを用いた機械学習により実行されるのに対して、SFMAは全データセットからサンプリングされたサブデータセットによる機械学習を通じて実施される。両者の性能比較に対する数値実験を行なったところ、SFMAは、サンプリングの効果により、二値解空間において探索と活用がバランスよく実行される。その結果、FMAに比べて、高効率・高精度・低コストでもってブラックボックス関数の最適解が見出されることが示された。更に、SFMAは大規模問題に対する拡張性を有することを見出した [1]。 参考文献: [1] Yusuke Hama and Tadashi Kadowaki, arXiv:2508.08778(Physical Review Research誌に受理)。
14:40〜14:55
休憩
1日目午後後半セッション(座長:)
14:55〜15:20
越川 翔太(三菱電機株式会社)
量子アニーリングによるブラックボックス最適化を用いた順序決定手法
順序決定問題は、タスクやジョブの実行順序を決定することで全体の効率を最大化する組合せ最適化問題である。この問題は、生産計画における製品の加工順序決定、物流における配送ルート計画、プロジェクトマネジメントにおけるタスク順序決定など、多様な産業分野で共通して現れる基本的かつ重要な課題である。しかし、対象となるタスク数の増加に伴い解空間が階乗・指数関数的に増大するため、従来の厳密解法では現実的な時間内での求解が困難である。
本研究では、順序決定問題に対して、量子アニーリングとブラックボックス最適化を組み合わせたアプローチを適用し、反転数の考え方を導入した手法を検討、その有効性を比較評価したので、その内容を報告する。
15:20〜15:45
菊池 脩太(慶応大)
Factorization machine with quadratic annealingを用いたRNA逆フォールディングの最適化
RNA (ribonucleic acid)には遺伝子発現調整や編集,バイオセンシングなどの多様な機能を担う分子である.RNAは4つの塩基,すなわちアデニン (A),ウラシル (U),グアニン (G),シトシン (C)からなる一次配列として表現される.生体内では塩基間で水素結合により二次構造などの高次構造を形成し,これがRNAの多様な機能を決定づける.したがって,所望の高次構造を与えたときに,その構造を形成する一次配列を設計するRNA逆フォールディング問題を解くことが重要である[1].これまでに,メタヒューリスティクスや機械学習を用いたRNA逆フォールディング問題を解く手法が提案されてきた[2,3].しかし,良解を得るまでに多数の評価が必要となることや,学習用に大量のデータが必要になるという課題がある.実験によって生成した一次配列が目的の高次構造を取ることを確認する場合,実験費用や時間の制約から,実験による評価回数を抑えつつ高品質な配列を得ることが求められる. Factorization machine with quadratic-annealing (FMQA)は,factorization machine(FM)を代理モデルとし,イジングマシンを用いてFMによって定義される獲得関数の最適化を行うブラックボックス最適化手法である[4,5].これまでにFMQAは遺伝的アルゴリズムやベイズ最適化と比較して,少ない評価回数で良解を得たことが報告されている[4, 5].本研究では,FMQAをRNA逆フォールディング問題に適用し,その有効性を評価した. RNA逆フォールディング問題のベンチマークデータセットであるEterna 100[6]から,構造的特徴の異なる3つの二次構造(stickshift, Corner bulge training, Shortie 4)を選択した.目的関数としてはensemble defectを設定した.Ensemble defectは設計された一次配列がボルツマン分布で取りうる全ての二次構造の平均がどの程度目的の二次構造から異なっているかを表現する熱力学的指標である[7].それぞれの目的の二次構造に対しては10回求解を行った.その結果,いずれの二次構造でも低いensemble defectの値を示し,得られた一次配列の最小自由エネルギーを示す二次構造(最小自由エネルギー構造)が目的の二次構造と一致した.一方で,目的の二次構造ごとに最小自由エネルギー構造が得られる割合が異なることが見出された.これは目的の二次構造の特徴によってFMQAの探索難易度が変化することを示している.本研究は,今後のFMQA適用範囲の拡大やRNA逆フォールディング問題における高精度な解法の提案につながる研究である. なお,本研究は田中宗氏(慶應義塾大学)との共同研究である. [1] I. L. Hofacker et al., Monts. Chem., 125, pp. 167-188 (1994). [2] A. Taneda, Adv. Appl. Bioinform. Chem., 4, pp. 1-12 (2010). [3] J. Shi et al., arXiv:1803.03146 (2018). [4] K. Kitai et al., Phys. Rev. Res., 2(1), 013319 (2020). [5] R. Tamura et al., arXiv:2507.18003 (2025). [6] Eterna100, https://eternagame.org/collections/11331936 [7] R. M. Dirks et al., Nucleic Acids Res., 32(4), pp. 1392-1403 (2004).
15:45〜16:10
宇野 達哉(川崎重工業(株))
FMAによる流体解析を用いたターボ式水素圧縮機の開発
ターボ機械をはじめとした空力機械の開発では、最良な性能が見込める形状設計に、流体解析を駆使した最適化技術を用いることがある。しかしながら、流体解析は一般に解析時間が長く、それを繰り返す最適化計算プロセス全体も同様に長時間化し、短期間での開発が困難であることが多い。そこで、ターボ式水素圧縮機の開発において、アニーリングマシンを用いた最適化アルゴリズム(FMA)と流体解析技術を組み合せることにより、従来最適化システムよりも短い期間で高性能な最適化設計が可能か検討したため、その内容を報告する。
16:10〜16:25
休憩
16:25〜16:50
中田 百科(株式会社リクルート)
量子計算に関するリクルートの取り組み:制約付き組合せ最適化とブラックボックス最適化の新手法の検討
本発表では、量子/擬似量子技術による制約付き組合せ最適化とブラックボックス最適化において、実用化に向けた適用範囲の拡張の取り組みを紹介する。量子コンピュータ技術は、古典コンピュータと比較して組合せ最適化問題を高速に解くことができると期待されている。近年、より実用的な制約付きの最適化問題を見据え、ペナルティ項を使用せずに実行可能解のみを探索する効率的な手法が提案されている。ただし、One-hot制約など、扱える制約の種類が限定的であるという課題があった。そこで我々は変分量子回路やテンソルネットワークを独自に設計し、多様な制約が扱えるように手法を拡張した。また、量子アニーリングによるブラックボックス最適化が注目を集めている。これは、イジングモデル型のサロゲートモデルを訓練し、その最適解をアニーリングで探索することで高速な最適化を実現するものである。ただし、モデルの表現力が限定的で、高次の相互作用を含む問題への適用は難しいという課題があった。そこで本研究ではカーネル関数に独自のQuadratizationを適用することで、非線形性の強い問題でも扱えるように手法を拡張した。
16:50〜17:15
鹿内 怜央(東北大)
離散変数ブラックボックス最適化における適応的獲得関数選択による探索効率の向上
本研究では、組合せ構造を対象としたブラックボックス最適化手法であるBOCSにおいて、探索の進展に伴い発生する「学習の停滞」を改善する手法を提案する 。BOCSは離散変数を扱うブラックボックス最適化において優れた性能を示すが、探索が進むにつれて代理モデルが既に評価済みのデータばかりを出力し続け、新たな探索が進行しなくなる現象が課題となっていた 。先行研究では、学習の停滞が発生した際にランダムな点を追加することでこれを回避していたが、その手法ではBOCSがそれまでの探索で発見した有望な領域(大域的な谷)から飛び出してしまうという弱点があった 。これに対し、本研究ではガウス過程を用いて複数の獲得関数を適応的に選択するGP-Hedgeを導入し、停滞発生時にランダム点よりも有用な探索点を追加する枠組みを構築した。 全結合QUBOおよびHUBOをブラックボックス関数とした実験の結果、学習停滞の改善を確認しており、これは提案手法が有望領域の近傍を効果的に深掘りできていることを裏付けている 。また、サンプラーとしてD-Waveマシンの利用を想定し、代理モデルの構造が疎で表現能力が制限される場合の影響についても評価を行った 。その結果、代理モデルの密度が低い状況ではGP-Hedge単体の性能に収束する傾向が見られたものの、密度が高まるにつれて顕著な改善が得られることを確認した。これは、将来的なD-Waveマシンの発展に伴う本手法の適用可能性を示唆するものである。