1日目午前中セッション(座長:)
10:00〜10:25
田中 宗(慶応大)
TBA
TBA
10:25〜10:50
尾崎 仁亮(株式会社村田製作所)
電子部品用セラミックス材料開発における量子関連技術活用の試み
TBA
10:50〜11:15
田中 拓郎(DIC株式会社)
量子Annealingを活用したスペクトルデータの特徴量抽出アルゴリズム
効率的な製品開発を目標に,マテリアルインフォマティクス(MI)の導入実績数は増加しており, 近年は分析データの活用可能性が注目されている。 分析データのうちスペクトルデータから材料特性の予測精度を向上させるために、 データの中から最も有用な波長の組み合わせを選択する手法に波長抽出アルゴリズムがある。 従来手法である遺伝的アルゴリズムは、選択される波長領域にランダム性が強く、予測精度も高くないという課題がある。 これらの課題を解決するため、本研究では近赤外分光法(NIR)公開データに対しベイズ推定を利用し、 所望の特性と高い相関をもつ波長領域を抽出するアルゴリズムを新規に開発した。 その結果、従来手法と比較して選択された波長領域の再現性および予測精度の改善が確認できた。 ※関連知財は出願済み
11:15〜11:40
坂本 大(住友商事株式会社)
TBA
TBA
11:40〜13:00
昼食
1日目午後前半セッション(座長:)
13:00〜13:25
淺井 理恵子(熊本大)
量子アニーリングによる実験動物の繁殖計画・飼育数最適化
医学研究において、動物実験は疾患発症機序の解明や治療法開発のため重要な役割を担う。動物福祉の原則である 3R (Replacement, Reduction, and Refnement)のもとで動物実験は行われ、実験に用いる個体数を抑えることが努力義務とされる。遺伝子改変動物による研究では、動物の系統(遺伝子型・遺伝的背景)維持と実験を両立させながら個体数を抑制するため、焼雑な繁殖計画を立てる必要がある。そこで、医学研究で広く用いられる遺伝子改変マウスに着目し、繁殖計画・飼育数の最適化モデルを構築した。 実際の繁殖計画は非常に複維であり、それらの制約条件を厳密に守ったモデル化は困難である。 そこで、今回はマウスの詳細な個体数を追うことはせず、飼育ケージ数に着目して組合せ最適化問題として定式化した。実験では、2系統のマウスの交配実験を想定し、オス・メスそれぞれの系統維持のための繁殖スケジュールの最適化を行った。その結果、系統維持に十分なケージ数を維持するスケジュールを生成することができた。 なお、本研究は大関研究室と淺井研究室の共同研究によるものである。
13:25〜13:50
岡田 朋久(東北大)
鉄鋼業界における量子アニーリングの活用
鉄鋼業界の1分野である電炉メーカーでは、鉄スクラップを主とした原料から,溶解・精錬・鋳造などの工程を通じ,所定の品質を満たす鋼材を製造している. 原料配合と品質の関係を把握することは,操業コストの低減につながる.このため,配合と品質との関係を回帰モデルによって学習し,品質予測を行うことが有効である.しかし,スクラップ由来の品質のばらつきや,操業エラーの影響による学習データ中の外れ値の混入から,回帰モデルの精度が低下すると予想される. 本研究では,QUBO形式を代理モデルとしたブラックボックス最適化の枠組みで外れ値検出に取り組む.実験では,外れ値と正常値が異なる構造を持つ人工データを用い,提案手法の有効性を確認する.
13:50〜14:15
狩野 嵩大(株式会社美装社)
TBA
TBA
14:15〜14:40
佐藤里麻(MUSASI D&T株式会社)
「孤育て」を支える量子アニーリング:子育てBUDDY+仙台の実証実験とその展望
「子育てBUDDY+仙台」は、量子アニーリングを活用し、子育て中の母親と地域の子育て経験者をパーソナリティベースでマッチングする社会実装プロジェクトである。本講演では、実証実験で得られた成果や社会的インパクト、そして今後の展望について紹介する。子育て支援という身近な社会課題に量子アニーリング技術をどう適用し、いかにして持続可能な支援へとつなげるか。実証実験の過程で得た成果をもとにサービス設計を行い、より深い社会的インパクトの創出を目指している。なお、本研究は、大関研究室(東北大学)との共同研究によるものである。
14:40〜14:55
休憩
1日目午後後半セッション(座長:)
14:55〜15:20
久谷 雄一(九州大)
量子アニーリングを用いた空力形状最適化
本研究では、量子アニーリングブラックボックス最適化を用いた空力形状最適化手法を提案する。量子アニーリングブラックボックス最適化においては、QUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization) および Ising モデルのモデルパラメータを、機械学習手法によって近似する。二次元の検証問題において、提案手法が初期サンプルを上回る空力性能を有する翼型形状を生成することが確認された。特に、Ising モデルに基づいて機械学習された量子アニーリングモデルは、QUBO モデルに基づくものよりも優れた解を与えることが示された。さらに、正則化手法を導入することで、機械学習過程における過学習を抑制し、提案手法によって得られる翼型形状の幾何学的連続性の維持に寄与することが示された。
15:20〜15:45
高橋 敬大(慶応大)
金融ポートフォリオ最適化問題における最大独立集合型アプローチの拡張とその有効性検証
ポートフォリオ最適化問題は資産運用における重要な課題であり,⻑年研究が行われてきた.本問題における数理モデルとしてマルコヴィッツの平均分散モデル[1]は広く知られているが,リターンの正規分布性の仮定や,入力パラメータの推定誤差に対する感応度といった根本的な限界を有している.それらの課題に対するアプローチとして,最大独立集合 (maximum independent set: MIS)問題に基づく手法が近年注目されている[2].MISアプローチでは,市場をグラフとみなし,相関の高い銘柄(頂点)間を辺で結ぶ.そして,最大独立集合(互いに相関の低い多数の銘柄群)を選択することで,分散投資によるリスクヘッジの実現を目指すものである.さらに,各頂点に期待リターンに基づいた重み付けをすることでリターン特性の向上を試みる,重み付き最大独立集合(weighted MIS: WMIS)モデルの提案もなされている[3]. しかし,これらMIS, WMISモデルにはそれぞれに本質的な課題が存在する.まず,MISモデルはリスク分散に主眼を置いており,投資リターンの追求がされていないという点である.さらに,WMISモデルにおいては,収益性の高い特定の銘柄に選択が集中する傾向があり,MIS 本来の強みである「選択銘柄数の最大化によるリスクヘッジ効果」が損なわれる可能性がある点である.また,どちらのモデルにおいても先行研究ではリターン面の評価が主であり,実用にあたって重要となるリスク評価は十分になされてこなかった. そこで本研究では,これらの課題を克服するための新たなモデルとして cardinality-return WMIS(CR-WMIS)モデルを提案し,そのリターン及びリスク特性の両面を多角的に評価する.本モデルは,MIS 由来の選択銘柄数(cardinality)に対する報酬項と,WMIS 由来の期待リターンの重み付けによるリターン最大化項を明示的に組合せ,収益性の追求と分散投資によるリスク低減の両立を図るものである. 提案モデルの有効性を検証するため,S&P500構成銘柄の実市場データを用いた5年間 (2019年4月~2024年3月)のバックテストシミュレーションを実施した.大規模な組合せ最適化問題の求解には,シミュレーテッド分岐アルゴリズムに基づくソルバー (SQBM+[4])を採用した.結果として,CR-WMISモデルは,従来のMISおよびWMISモデル,さらに市場指数と比較して,リターンとリスク特性の双方において優位性を示すことが実証された. なお,本研究は阿部哲郎氏(慶應義塾大学),中村康人氏(東芝デジタルソリューションズ株式会社),日高亮氏(東芝デジタルソリューションズ株式会社),菊池脩太氏(慶應義塾大学),田中宗氏(慶應義塾大学)との共同研究であり,本発表はプレプリントとして公開している論文に基づく[5]. [1] H. Markowitz, The Journal of Finance 7 (1), pp.77-91 (1952). [2] R. Hidaka, et al., IEEE Access 11, pp.142979-142991 (2023). [3] M. Marzec, Handbook of High-Frequency Trading and Modeling in Finance. John Wiley & Sons. pp. 73-106 (2016). [4] TOSHIBA Digital Solutions Corporation (2025). SQBM+, https://www.global.toshiba/ww/products-solutions/ai-iot/sbm.html. [5] K. Takahashi, et al., arXiv:2510.23310 (2025).
15:45〜16:10
堀池 由朗(名古屋大)
熱ゆらぎと量子ゆらぎから観る疑似アニーリング
量子アニーリングにおいて量子ゆらぎは量子力学的重ね合わせ状態やトンネル効果を引き起こし、熱アニーリングにおける熱ゆらぎよりも局所最適解に対して頑健に求解できると予想されている。これまでにアニーリング過程における量子ゆらぎと熱ゆらぎの違いは研究されてきたが、求解においてどちらが優位性を示すかは問題の種類に依存しており、問題のどういった特徴が量子ゆらぎと熱ゆらぎの差と関係しているのかは明らかになっていない。我々は、ハミルトニアンを ±J 模型に限定し、7体までの相互作用ネットワーク構造を網羅的に生成し、それに基づいたマスター方程式と Schrödinger 方程式を数値的に解いた。その結果ある特定の相互作用ネットワーク構造において熱アニーリングと量子アニーリングの性能に差が生じることが分かった。また、状態空間中の確率流を可視化すると、両者は大域的には似ているが、量子トンネル効果に起因する質的な違いがあることが分かった。また、秩序変数の変化速度を調べると、量子アニーリングは熱アニーリングにおける速度限界を超えることがあるだけでなく、ほとんとそれ自身の速度限界に近い速度で秩序変数が変化していることが分かった。(arXiv:2511.16457)
16:10〜16:25
休憩
16:25〜16:50
南部 芳弘(産総研)
パリティ符号化スピン系に対する実用的ハイブリッド復号
量子アニーラの実現に向けて注目される「パリティ符号化(SLHZ)モデル」の潜在的性能を引き出す、確率的手法と古典的誤り訂正技術を組み合わせた新しいハイブリッド復号を提案する。SLHZモデルは、スピン系の拡張空間で問題を表現する「ソフトアニーリング」概念に基づき局所相互作用のみで複雑な最適化問題を表現できる革新的なアーキテクチャであるが、実用に当たって読み出しエラーの補正が課題であった。本研究では、SLHZモデルが本質的にLDPC符号と等価であることを利用し、LDPCに対する効率的な決定論的アルゴリズムであるGallager型ビットフリップ復号(BF法)を適用することによって、量子アニーラやMCMCサンプラーなどの確率的アルゴリズムのスピン読み出しエラーを低い計算コストで補正できることを示した。また、ハイブリッドアプローチは単に読み出しエラーを補正するだけでなく、SLHZモデルの潜在能力を引き出す有力な手法であることをシミュレーションにより明らかにした。本成果は実用的量子アニーラのエラー耐性の向上に貢献できる可能性があり、近い将来の量子アニーラの実用化に向けた重要な一歩となる。
16:50〜17:15
大関 真之(東北大)
TBA
TBA
18:00〜20:00
懇親会