ニュース・プレスリリース

PREVENIRプロジェクト研究者による2023年終了時会合(2023年12月12日、気象局)

2023年12月12日、当プロジェクトに参加している研究者による会合がオンライン・対面にて行われました。この中で、各WPがプロジェクトの進捗状況、主な成果及び今後の活動予定について報告しました。 

教員用教材の発行(2023年11月)

•     当プロジェクトの目的の一つは、特に水害に脆弱な地域に住む住民の都市型水害に対する意識向上です。この点において、教育機関が意識構築に中心的な役割を果たし、そこで得た知識が地域に影響を与えることから、当プロジェクトは対象地域にある教育機関との協働を目指し、都市型水害の原因となる水文気象現象の問題や情報管理、災害対策に取り組めるようなツールを提供しています。 

•     このため、2023年11月に教材「教員用指導書~水害リスクマネジメント」を300部印刷しました。この教材は当プロジェクトの研究対象地域の一つであるブエノスアイレス州サランディ・サントドミンゴ川流域の学校に配布予定です。


•     この教材作成には、当プロジェクトの技術チームをはじめ、ブエノスアイレス州政府の環境省環境教育チーム、環境省気候変動チーム、治安省緊急対策部チームが参加しました。


第7回水理学・水文学・水文気象学実験手法シンポジウム(ME3H)への参加(コルドバ、2023年10月4日~5日)





アルゼンチン人研究者の日本滞在(2023年7月~11月)

写真: パウラ・マルドナード博士(気象局、左)とマリア・パウラ・オボウチャン氏(気象局、右)。2023年9月、国際協力機構本部にて

写真: (左から)パウラ・マルドナード博士(気象局)、マリア・パウラ・オボウチャン氏(気象局)、マイテ・カンセラーダ博士(CONICET – 気象局)、アルダナ・アルーティ博士(気象局)。姫路城にて

写真: (左から)アルダナ・アルーティ博士(気象局)、パウラ・マルドナード博士(気象局)、マリア・パウラ・オボウチャン氏(気象局)、マイテ・カンセラーダ博士(CONICET – 気象局)。飲食店にて 

2023年は、気象局、国立水研究所、海洋大気研究センター(CIMA)/国立科学技術研究評議会(CONICET)から6名の研究者が当プロジェクト日本側研究機関にて共同研究活動を行いました。各人の滞在は約8週間で、理化学研究所計算科学研究センター、大阪大学、水災害・リスクマネジメント国際センターで活動を行いました。この研究交流はWP2、WP3、WP4の作業グループの活動によるものです。 


滞在期間の最初の2週間は、当プロジェクトの年次総会(JCC)が行われ、その日程の中で、日本の様々な研究機関や運営業務機関を訪問し、施設の視察や気象学、水文学分野の専門家による会議に参加しました。また、当プロジェクトの各ワーキンググループの研究会議を行い、活動の現状と進捗状況を発表し、次年度に向けての活動についての議論を行いました。


大気、水文学、データ同化の数値モデリングの開発  


マリーナ・ラゴス技師(国立水研究所)は、つくば市にある水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)にて、同センターが開発した降雨流出氾濫(RRI)解析モデルをサランディ・サントドミンゴ川流域に導入しました。また、同氏は神戸市にある理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS)を訪問し、アンサンブル水理・水文予測の生成にデータ同化技術を適用したテストを実施しました。水文予測には様々な降水シナリオを考慮できる大気の数値シミュレーションアンサンブルを使用し、それにより降水発生の不確実性と流量予測への影響を定量化しました。 


パウラ・マルドナード博士(気象局)とフアン・ルイス博士(CIMA / CONICET)は、理化学研究所計算科学研究センターのデータ同化研究チームにて、三好建正、雨宮新、大塚成徳博士との協力のもと、研究を行いました。この滞在の主な目的は、高解像度地域大気モデルを用いてリアルタイムで実行可能なデータ同化及び数値天気予報システム(BDA-NWP)の開発を目的とするWP3の活動に貢献するためです。WP3の活動の現状を鑑み、今回の研究滞在の具体的な目的は、両河川流域を含む計算領域の使用と、データ同化から初期化した10時間先の予測への影響を調査し、またリアルタイムの実行を考慮した水平解像度及びアンサンブルサイズに対するBDA-NWPシステムの感度を扱うことでした。これらの実験には理化学研究所計算科学研究センターにあるスーパーコンピュータ「富岳」が使用されました。 


リモートセンシングに基づいたナウキャスティング及び降雨予測の開発  


マイテ・カンセラーダ博士(CONICET – 気象局)は、WP2の活動の一環として、大阪大学に滞在し、牛尾知雄教授及び北原大地特任研究員との協力のもと二重偏波レーダーに基づく降水量推定プロダクトの改良を進めることを目的として研究を行いました。特に、北原研究員が2022年のアルゼンチン滞在中に開始した、降水量の最適推定に係る基本変数である特定の位相差推定のためのアルゴリズム生成の研究を継続することに重点を置きました。この作業は、コルドバ州の極端な降水量の状況における時間あたりの累積降水量の観測を用いて、この新しいアルゴリズムによる推定値検証に基づくものです。この結果は、アルゼンチンでレーダーを用いた降水量推定の運用プロダクト開発にとって非常に有望なものとなりました。 

マリア・パウラ・オボウチャン氏(気象局)は、WP2に関連する課題に取り組むため、理化学研究所計算科学研究センターと大阪大学に滞在しました。理化学研究所での研究計画は大塚成徳博士の指導のもと、アルゼンチンにおける豪雨と急激な洪水事象の即時予測を改善するための衛星ベースのナウキャスティングシステム開発に焦点を当てたものです。このシステムはGSMaP準リアルタイム衛星推定(GSMaP-NRT; Kubota et al., 2020)、理化学研究所で開発されたナウキャスティング手法(Otsuka et al., 2016; Otsuka et al., 2019)、及びアルゼンチンでの地域レベルでの実験からの入力データを統合するものです。大阪大学での研究計画は、牛尾知雄教授と北原大地特任研究員の指導のもと、アルゼンチンでの降水量推定を改善するため降雨量調整を伴う衛星降水量プロダクトを進めることに重点が置かれました。この手法は、気象局のリアルタイム雨量計ネットワークを使用してGSMaP-NRTのような既存の衛星推定値の補正を可能とするものです。 

アルダナ・アルーティ博士(気象局)は理化学研究所計算科学研究センターに滞在し、大塚成徳博士が開発したナウキャスティング技術をアルゼンチンの気象レーダーデータに適用することを目的として研究を行いました。これらの活動は、データ同化を用いたデータ外挿技術に基づくナウキャスティングシステムの開発を目的の一つとするWP2の活動の一環として行われました。アルゼンチンの集中豪雨に関連するケーススタディについて、ナウキャスティングアルゴリズムのパラメータの感度を研究するために、様々な実験を行いました。一方で、短期予測の不確実性を定量化出来るアンサンブル生成のための様々な技術の評価を行いました。


個人的・文化的な経験  


日本での研究滞在の経験により、文化的・専門的な学びを得ました。日本に滞在した研究者たちは、様々な研究センターの機能についての知識を得たこと、またそれぞれの分野の著名な専門家から支援を受け、進捗を共有する機会を得たことに非常に感謝しています。同様に、美しい人々や場所に出会い、細部にわたる日本の温かさとおもてなしを体験することにも大きな満足感を得ました。また、日本の食事の多様性を楽しみ、歴史と文化的豊かさをもつ国の伝統と歴史を理解するのに大いに役立つ素晴らしい場所を訪れることができました。 

アルゼンチン人研究者の表敬訪問(2023年9月5日~8日、東京及び神戸)

写真: 駐日アルゼンチン共和国大使館レセプションでのアルゼンチン人・日本人訪問者(撮影: 駐日アルゼンチン共和国大使館)

9月5日、JICA本部にて、セレステ・サウロ気象局長官をはじめとするアルゼンチン人研究者及び日本側研究者が、山田順一副理事長(当時)へ表敬訪問を行いました。

同日夕刻、駐日アルゼンチン共和国大使館にて、アルゼンチン人研究者訪問団を歓迎するレセプションが開催されました。エドゥアルド・テンポーネ駐日アルゼンチン共和国特命全権大使の挨拶に続き、セレステ・サウロ長官が来賓代表として、次いで大林正典気象庁長官が挨拶を行いました。


9月8日、兵庫県庁に表敬訪問を行いました。服部洋平副知事との面談の中で、同氏は兵庫県における防災の重要性について説明を行い、兵庫県が培ってきた同分野での経験を当プロジェクトと共有する旨語りました。


写真: セレステ・サウロ気象局長官による大林正典気象庁長官への記念品贈呈

写真: セレステ・サウロ気象局長官による山田順一JICA副理事長への記念品贈呈

防災関係機関の訪問(2023年9月6日~15日、東京及び神戸)

9月5日、内閣府にて、アルゼンチンと日本が防災についての協議を行いました。内閣府防災担当職員からは、日本の自然災害の歴史や災害対策基本法の成り立ち、市民への啓蒙活動などについて説明がありました。続いて国土交通省の職員からは、日本や世界における水害に対する活動や流域治水関連法などについてのレクチャーがありました。

9月6日、気象庁を訪問しました。大林正典気象庁長官の挨拶に続き、セレステ・サウロ気象局長官がプレゼンを行いました。また、国際協力、研究開発、地上観測システムなどについて協議を行った後、気象防災オペレーションルームや地震火山オペレーションルームなどを視察しました。

9月7日、理化学研究所の13ある研究センターの1つである計算科学研究センターを訪問しました。松岡聡計算科学研究センター長からスーパーコンピュータ「富岳」についての説明があり、続いて富岳を視察しました。

9月8日、兵庫県の災害対策課を訪問し、水害対策で使用している予報システムについての説明を受け、防災情報班や防災・危機管理班などを視察しました。その後神戸市灘区役所を訪問し、都賀川を視察しました。現場では消防署や民間団体が水害関係の早期予報システムや、防災へのコミュニティの参画の重要性などについて説明を行いました。

また、人と未来防災センターでは、森田副センター長から阪神淡路大震災での教訓や同センターのミッションなどについての説明を受けました。

9月14日、つくば市にある土木研究所を訪問し、ダムの最終設計を決定する水理模型実験などを行う水理実験施設を視察しました。

続いて水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)を訪問し、小池俊雄センター長から同センターの活動についての説明の後、市民の避難のため開発されたVR 洪水体験プログラムのデモンストレーションが行われました。

同日午後、気象庁気象研究所を訪問し、同研究所が行う活動や、アンサンブル予報とデータ同化を用いた効果に基づく予報についての説明の後、各施設を視察しました。

9月15日午後、清瀬市にある気象庁気象衛星センターを訪問し、気象庁が所有するスーパーコンピュータを視察しました。


写真: 兵庫県庁にて、八尾昌彦氏による水害防止策についてのレクチャー

写真: 気象庁地震火山オペレーションルームの様子

写真: 都賀川にて、各種モニタリングシステム及び増水の際の市民への伝達方法などを視察

第2回JCC及び各WP(ワークパッケージ)の進捗についての発表(2023年9月8日~15日、神戸及び大阪))

写真: セレステ・サウロ 気象局長官が当プロジェクトのアルゼンチン側代表研究者としてJCCのミニッツに署名。

写真: 左: 吹田PAWR(フェーズドアレイ気象レーダ。大阪大学吹田キャンパスE3)。右: 見学者


写真: (上)セバスティアン・ロペス(コルドバ大学)が、コルドバ州スキア川流域での水文分野での進捗と2年目の活動予定について説明。(下)柿沼太貴ICHARM研究員。

写真: WPミーティングでの様子(理化学研究所計算科学研究センター会議室)

写真: アルゼンチン側研究者(理化学研究所計算科学研究センター前にて)



·         神戸市のJICA関西センターにて、9月8日に当プロジェクトの第2回JCCが開催されました。JICA及びJSTの来賓参加のもと、当プロジェクト研究代表者を始めとする日本・アルゼンチン両国の研究者がプロジェクト1年目の進捗のモニタリング及び評価を行いました。また、プロジェクト導入に際して生じた問題について協議を行いました。また、最後に2年目の活動計画が承認されました。

 

·         9月11日~15日の週は、7グループあるWPが1年目の進捗及び2年目の見通しについて発表を行いました。また、大阪大学を訪問し、吹田市にあるレーザー科学研究所やフェーズドアレイ気象レーダを視察しました。


気象災害に脆弱な人口密集地域のための数値天気予報と防災情報システムに係る国際共同シンポジウム開催(2023年9月4日、東京)

写真: シンポジウムの講演者(左から)雨宮新(理研 計算科学研究センター)、小池俊雄ICHARMセンター長、吉田稔理化学研究所理事、大林正典気象庁長官、セレステ・サウロ アルゼンチン気象局長官、三好建正理化学研究所開拓研究本部主任研究員、エドゥアルド・テンポーネ駐日アルゼンチン共和国特命全権大使、ダニエラ・ダーメン(アルゼンチン気象局)、セバスティアン・ロペス(コルドバ大学)、小野寺誠一国際協力機構理事、森本茂雄科学技術振興機構理事

写真: アルゼンチンからの参加者(一橋講堂前にて)(左から)ルシアーノ・ビダル(気象局)、セバスティアン・ロペス(コルドバ大学)、ダニエラ・ダーメン(気象局)、ペドロ・ロイゴリ(気象局)、フアン・ルイス(CIMA-CONICET)、カルロス・カタリーニ(国立水研究所)、セレステ・サウロ(気象局)、パオラ・サリオ(CIMA-CONICET)、ヤニーナ・ガルシア・スカバール(気象局)パウラ・マルドナード(気象局)、アルダナ・アルーティ(気象局)、マルコス・サウセド(気象局)、マイテ・カンセラーダ(CIMA-CONICET-SMN)、マリア・パウラ・オボウチャン(気象局)

気象災害に脆弱な人口密集地域のための数値天気予報と防災情報システムに係る国際共同シンポジウムが一橋講堂にて行われました。三好建正博士(理化学研究所 開拓研究本部)の主宰のもと、テンポーネ駐日アルゼンチン大使、吉田理事(理研)、小野寺理事(JICA)、大林気象庁長官、小池ICHARMセンター長、森本JST理事を始めとする来賓が挨拶を行いました。

来賓挨拶に続き、講演が行われました。三好博士が当プロジェクトの概要について説明を行い、サウロ長官がアルゼンチン気象局の取り組みについて発表を行いました。続いてダニエラ・ダーメン氏(気象局)が早期予報システムの開発について、雨宮博士(理研 計算科学研究センター)がアルゼンチン滞在及びアルゼンチン気象局での活動について、最後にセバスティアン・ロペス氏(コルドバ大学)が2022年の日本滞在の際に理研計算科学研究センター及びICHARMにて行った活動についての発表を行いました。

JICA理事長からセレステ・サウロ長官への祝辞(気象局、2023年7月28日) 

セレステ・サウロ長官が2024年1月より世界気象機関(WMO)事務局長に就任内定されたことに伴い、7月28日、武田浩幸JICAアルゼンチン支所長より同長官に、田中明彦JICA理事長からのお祝いメッセージ・レターをお届けしました。 


田中理事長は同レターの中で、「世界が気候変動の脅威に直面している今日、災害によって悪影響を受ける脆弱な人々を保護することは非常に重要であり、WMOの強いリーダーシップにより世界の気象サービスの発展に主導的な役割を果たすことを期待します。併せてJICAもWMOのパートナーとして途上国と密接に協力し、技術や知識を提供することで支援していきたい」としています

第1回「水文学・気象学研究者の相互理解」開催(アルゼンチン気象局、2023年6月30日)

2023年6月30日(金)、マリア・エウヘニア・ディジョン及びカルロス・マルセロ・ガルシアの両氏による調整のもと、アルゼンチン気象局にて第1回「水文学・気象学研究者の相互理解」が開催されました。リモートセンシング、降雨量推定、大気・水文モデリングをテーマとした講座に続き、参加者間のコンセプトを明らかにするため議論の時間が設けられました。 

このワークショップには、当プロジェクトのワーキンググループ代表者を含む30人以上が直接またはオンラインで参加しました。 

観測サービステストワークショップ及び講習会の開催(コルドバ州、5月3日~5日) 

5月初旬に、気象水文観測サービスのユーザー経験を分析するため、スキア川流域の地方自治体と共催でワークショップを3回開催しました。また、このワークショップ開催期間中に、コルドバ市にあるコリエンテス州小学校、農村地域にあるパリアリ小学校、テニエンテ・サンチェス小学校、リカルド・ロハス小学校(エル・ドゥラスノ)、マリアノ・モレノ小学校(リオ・セバリョス)の生徒及び教員を対象とした講習会を行いました。講習会の目的は、当プロジェクトの紹介及び教室レベルで水害問題を考える活動となります。

ラジオLED局番組「Japón Hoy」に出演(2023年3月22日) 

佐藤睦美プロジェクト業務調整と気象局のジャニーナ・ガルシア・スカバール博士(当プロジェクトマネージャー / 気象局環境モデリング・リモートセンサープロダクト部長)が、ラジオLED局の番組「Japón Hoy」に出演しました。番組では、プロジェクトの概要や実施機関、最近の活動内容などについて説明を行いました。 

北原大地博士の来亜(2022年10月~12月)

北原氏は情報通信を専門とする工学博士で、レーダー解析に取り組んでいます。2022年4月から大阪大学で教鞭をとっており、当プロジェクトでは高時空間分解能マルチセンサーによる雨量測定法の開発を担当しています。現時点ではレーダー観測から雨量を測定していますが、北原氏がアルゼンチン気象局に滞在中、レーダー変数補正に関する新手法を開発し、運用する上では計算時間及び長期安定性を保証することが鍵であるとしました。この点が達成されれば、測定精度を最大限に向上することができます。

深刻な気象・水文災害リスクのためのシナリオシミュレーションワークショップ開催(2022年12月5~6日、コルドバ州)

12月5日、6日の両日、コルドバ州スキア川流域の地方公共団体と共同で、「深刻な気象・水文災害リスクのためのシナリオシミュレーションワークショップ」が開催されました。このワークショップはコルドバ市及びビジャ・カルロス・パスにて合計3回行われました。このワークショップには気象局、国立コルドバ大学、国立水研究所、国立科学技術研究評議会及びコルドバ州政府の気象・災害危機管理局及び公共サービス省の職員が参加しました。また市町村からはウンキージョ、メンディオラサ、ラ・カレーラ、リオ・セバージョス、タラ・ウアシ、マユ・スマフ、タンティ、ビジャ・カルロス・パス、カバランゴ、カサ・グランデ、ウエルタ・グランデ、ラ・ファルダ及びコスキンの関係者が参加しました。

セバスティアン・ロペス工学士の水災害・リスクマネジメント国際センター訪問

セバスティアン・ロペスは理工学博士課程に在学し、脆弱な地域における水文災害リスクに関連した水文過程モデリングを研究しています。2019年からは、国立コルドバ大学精密・物質・自然科学部のIDIT-CONICET(工学・技術高等研究院-国立科学技術研究評議会)の一員となっています。

深刻な気象・水文災害リスクのためのシナリオシミュレーションワークショップ開催(2022年11月2日、ブエノスアイレス州)

11月2日にアルミランテ・ブラウン市のサントス・ディセポロ文化センターにて、第1回「サランティ・サントドミンゴ川流域における深刻な気象・水文災害リスクのためのシナリオシミュレーションワークショップ」が開催されました。気象局、国立科学技術研究評議会、国立水研究所のプレゼンテーションが行われました。このワークショップには市民防衛機関、ブエノスアイレス州政府の治安局、公共事業局、社会開発局、保健局、環境局及びJICAから50名以上が参加しました

雨宮新博士が来亜(2022年7月~9月)

雨宮新氏はチベットのモンスーン高気圧の力学をテーマとした論文により博士号を取得した、気象学の専門家です。現在は理化学研究所の研究員として、PREVENIRプロジェクトに参画、レーダーデータを使った短期(数時間先の)天気予報の改善を専門としています。その研究には、データ同化技術や大気のふるまいをシミュレーションする数値モデルが駆使され、それによって社会的影響の大きな気象現象が発生した場合の警報発令に必須となるシミュレーションを行っています。国立気象局の研究者への協力のためアルゼンチンを訪れ、日本で最近開発された数値モデルの実装と評価を行うとともに、アルゼンチンで入手可能なレーダー観測データを使って短期予報の改善に取り組んでいましたが、その3か月の滞在が終わろうとしています。 

国防省でPREVENIRの発表を実施(2022年7月4日)

2022年7月4日に、国防省本部のリベルタドールビルにて、「PREVENIR」の正式発表が行われました。本行事には、国立気象局局長でPREVENIRプロジェクトアルゼンチン側主任研究員のCeleste Saulo(セレステ・サウロ)博士および同プロジェクト日本側主任研究員の三好建正博士を筆頭に、研究・産業政策・国防生産庁長官のDaniela Castro(ダニエラ・カストロ)氏、外務省のAlicia Barone(アリシア・バローネ)国際協力局長(当時)、国際協力機構アルゼンチン支所の武田浩幸所長、科学技術振興機構代表の田村教授、中前隆博在亜日本国大使が出席されました。また、市民防衛機関、赤十字、ブエノスアイレス大学精密科学部および国立科学技術研究評議会(CONICET)の幹部と、本計画に参加する研究者らも参加しました。

 コルドバ州におけるPREVENIR発表会(2022年6月30日)

コルドバ市の市民センターで、PREVENIRプロジェクトの発表が行われました。本イベントには、国立気象局局長でPREVENIRプロジェクトのアルゼンチン側主任研究員でもあるCeleste Saulo(セレステ・サウロ)博士、同プロジェクトの日本側主任研究員である三好建正博士、研究・産業政策・国防生産庁長官のDaniela Castro(ダニエラ・カストロ)氏、コルドバ州公共サービス省大臣のFabian López(ファビアン・ロペス)工学士、コルドバ州リスク・災害・市民防衛長官のClaudio Vignetta(クラウディオ・ヴィニェッタ)氏が出席しました。 

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プロジェクト キックオフミーティング(2023年6月27日~7月8日)

PREVENIRプロジェクトのキックオフミーティングが2週間にわたり開催されました。同ミーティングでは、プロジェクトを通じて解決すべき問題に対する戦略を議論するため、複数の会議が開催されたほか、活動のターゲットであるブエノスアイレス近郊のサランディ川・サントドミンゴ川流域と、コルドバ州のスキア川流域の視察が行われました。特にスキア川流域では、研究者が農村の学校を訪問し、啓蒙活動を実施しました。あわせてプロジェクトに参加する研究グループが携わる多彩な研究の紹介も行われ、これらの会議の大部分は、さまざまな拠点に分散する研究者の参加を容易にするため、ハイブリッド方式で開催されました。 

また、第1回PREVENIRミーティングの一環として、ブエノスアイレス大学精密自然科学部の「0+Infinito」ビルでは「洪水予測のための科学技術」をテーマに、2日間にわたりセミナーが開催されました。 

  第1回合同調整委員会(2022年7月8日)

2022年7月8日、PREVENT共同調整委員会(CCC)の第1回会合が国立気象局本部で開催されました。委員会では、SMN所長でアルゼンチン側主任研究員のCeleste Saulo(セレステ・サウロ)博士、国立水研究所長のJuan Carlos Bertoni(ファン・カルロス・ベルトーニ)博士、および日本側主任研究員の三好建正博士が長を務め、また、国際協力機構と科学技術振興機構の幹部、ならびにプロジェクトと各ワーキンググループのコーディネーターが出席しました。会議では、各ワーキンググループについてプロジェクト初年度の活動方針の合意が取られ、責任者が会議議事録に署名しました。

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気象庁議事録への署名(令和3年3月10日)

2021年10月に、アルゼンチンおよび日本の研究者、ならびに国際協力機構(JICA)および科学技術振興機構(JST)の代表者らが、3週間のバーチャル会議を行い、PREVENIR実施計画の詳細についての議論および合意を行いました。2022年3月、国立気象局(SMN)局長のCeleste Saulo(セレステ・サウロ)博士、外務省のAlicia Barone(アリシア・バローネ)国際協力局長(当時)、武田浩幸JICA所長が、2021年の会合で締結された文書に基づき、協定書に署名しました。

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