個体群生態学会奨励賞
受賞講演
2023年度受賞者
2023年度受賞者
山口 諒
北海道大学 大学院先端生命科学研究院・ブリティッシュコロンビア大学 生物多様性研究センター
受賞式・受賞講演
受賞式・受賞講演
日時:10月29日11:30-12:30
場所:地球環境科学研究院 大講義室 (D201)
講演タイトル
講演タイトル
種分化サイクルにおける個体群動態 ー種多様性創出の理解に向けてー
要旨
要旨
新種の誕生である種分化は、どのように起きるのであろうか?現在地球上に存在する多様な種は、共通祖先から種分化を何度も繰り返すことで生まれてきたことから、種分化は生命の示す普遍的現象の一つである。多種多様な種を生み出すメカニズムもまた多様であり、その理解には数理モデルを活用した理論が古くから重要な役割を果たしている。本講演では、種の多様性パターンを理解するために私がこれまで取り組んだ一連の理論研究を簡潔に紹介する。種分化を新種が誕生する一度のイベントだけでなく、種分化後の集団がさらなる種分化イベントを繰り返す「種分化サイクル」として捉え、生殖隔離の進化のみならず、その後の種間競争や多種共存、移住個体による分集団形成などの個体群生態学的要素が噛み合うことでサイクルが回転すると捉える。ミクロな進化プロセスがどのようにスケールアップして、はるかに長い進化的時間尺度での種多様性の拡大を形成するか、これまでの研究をもとに今後の理論研究の展望を議論したい。
新種の誕生である種分化は、どのように起きるのであろうか?現在地球上に存在する多様な種は、共通祖先から種分化を何度も繰り返すことで生まれてきたことから、種分化は生命の示す普遍的現象の一つである。多種多様な種を生み出すメカニズムもまた多様であり、その理解には数理モデルを活用した理論が古くから重要な役割を果たしている。本講演では、種の多様性パターンを理解するために私がこれまで取り組んだ一連の理論研究を簡潔に紹介する。種分化を新種が誕生する一度のイベントだけでなく、種分化後の集団がさらなる種分化イベントを繰り返す「種分化サイクル」として捉え、生殖隔離の進化のみならず、その後の種間競争や多種共存、移住個体による分集団形成などの個体群生態学的要素が噛み合うことでサイクルが回転すると捉える。ミクロな進化プロセスがどのようにスケールアップして、はるかに長い進化的時間尺度での種多様性の拡大を形成するか、これまでの研究をもとに今後の理論研究の展望を議論したい。