2025年は国際量子科学技術年に制定されております。これは1925年にハイゼンベルクが行列力学と呼ばれる量子力学の定式化を完成させた論文 [W. Heisenberg: Z. Phys. 33(1925) 879-893.] が出版されてから100年ということを記念して国連総会で決議されました [United Nations, A/RES/78/287.]。この年を記念して、何かを企画しようとした筑波大学システム情報系に2023年10月に着任した鹿野は、学内にある朝永記念館を訪れ、筑波大学の前身である東京教育大学の学長でもあった朝永振一郎の本をパラパラを眺めていた。2010年に演劇作家の渡辺 美帆子が朝永振一郎の書いた「光子の裁判」に魅了され、初演は日本大学で、その後は東京工業大学130周年記念レクチャーシリーズの一環として演劇化を行った。東京工業大学の際に劇監修に少しだけ携わっていた鹿野は、再び、15年間の時を経て、再び、「光子の裁判」を新しい形で創り上げようとしている。その創作活動の一部始終をお見せしたい。
「光子の裁判」が掲載されている書物
[物性研究 97-2, 206-215 (2011)] 「光子の裁判」再考
対話相手:
渡辺 美帆子 (演劇作家)
遠藤 麻衣 (アーティスト・俳優)
鹿野 豊 (理論物理学者)