NEST
東京メトロ副都心線「北参道駅」徒歩1分、JR山手線・大江戸線「代々木駅」徒歩6分と交通利便性が高く、「明治神宮・代々木公園」「新宿御苑」「明治神宮外苑」の広大な3つの公園に360度囲まれた景色を眺望できる都心の中でも希少な立地を結節点として、「鳥や動物が羽を休め、生命を育てる安全で居心地の良い巣=NEST」をコンセプトとした。
コンセプトである「鳥や動物が羽を休め、生命を育てる安全で居心地の良い巣=NEST」を表現するため、緩やかな曲線と編み込まれた形状を外装デザインに採用。編みこまれた表情をつくり、建物全体のカーブ形状にさらに繊細な柔らかさをプラスしている。
設計は清水建設 一級建築士事務所、マスターデザインアーキテクトをホシノアーキテクツが担当。敷地に隣接した渋谷区立北参道ふれあい公園の再整備も同時に行った。
計画地はかつて「GSKビル」があったが、三井不動産をメインスポンサーとする「日本ビルファンド投資法人」が取得した後、「三井不動産レジデンシャル」に売却されたため、三井不動産レジデンシャル以外に地権者はなく、全戸が販売された。
ディティール
バルコニーに必要となる室外機置場を外観の縦軸デザインとなるルーバーによる曲面で囲うことにより、本来ならば邪魔になる設置場所を逆に「デザインの一部」にしている。
壁と床で3次元的に編み込まれた表情が張り巡る特徴的なエントランスラウンジへの導入スペースは、彫刻のように造形的な曲面でつくられた風除室空間が内部へと人を引き入れている。
建物外壁の編み込まれた表情のデザインコンセプトと合わさって、「巣=NEST」のイメージを内部と外部両方で感じられるデザインとし、空間を縦や横に3次元的に編み込んだようなインテリアデザインの構成がダイナミックにスペースを楽しむことのできる共用部をつくりあげている。
ディティール
床面と壁面の設置部分をラウンド型に造形することで、床と壁で繋ぎ目のない柔らかく上品な空間を生み出している。またこのようなラウンドにすることでホコリや汚れが溜まることがなく清掃やメンテナンスの効率化も実現している。
ランドスケープデザインでは高低差をいかし、歩く度に見えてくる景色や樹木が変化し、建物の面が変わる。
緑、道、水、様々な要素が編みこまれて繋がる風景を楽しめる。路面店舗では交差点の賑わいに大きく開かれ、リズミカルに緑が配置された歩道は公園のような落ち着きのある空間をつくり出している。
GSKビル
計画地はかつてフジタの本社ビルがあったが、経営不振により2000年に三井不動産系ファンドである「日本ビルファンド投資法人」が買取。外資系のグラクソ・スミスクライン株式会社に一棟貸しをしていたが、その後に「三井不動産レジデンシャル」に売却した。
本物件建設にあたり、施工にフジタが名を連ねたのは三井不動産レジデンシャルのフジタに対する「心遣い」があったと言われている。
よって三井不動産レジデンシャル以外に地権者はなく全戸販売された。
2020年(令和2年)3月 - 工事着工
2023年(令和5年)6月 - 竣工
解体中のGSKビル