研究の概要

 本研究は大学で学部教育を担う「実務家教員」の資質・能力の特徴について、聞き取り調査と質問紙調査を実施して明らかにしようとするものです。これまでユニバーサル型の大学の動態を描き出す研究がさまざまな観点から進められてきたものの、それに関連する大学教員に関する研究は必ずしも十分ではありませんでした。そこで、学問分野横断的に研究対象を設定しつつ、「実務家教員」をマス型からユニバーサル型への段階移行の際に生じる課題として位置付けたうえで、


(a) 政策における「実務家教員」に対する期待

(b) それに対応して進められている「実務家教員」養成プログラムの内容

(c) すでにその職に就いている「実務家教員」の資質・能力に関する自己評価

(d) 学術的知識を有する伝統的な教員による「実務家教員」に対する評価


これら4点の分析の焦点を設定して、相互の相違点と一致点を明らかにすることを試みます。研究成果は政策的インプリケーションとして、「実務家教員」政策に対して新たな学術的知見を提供するものとなります。