この度、第8回日本ワンヘルスサイエンス学会年次学術集会を佐賀県で開催させていただきますことを関係者一同大変光栄に存じます。
日本ワンヘルスサイエンス学会は、「One World, One Health, One Medicine」の立場から、環境、薬剤耐性菌、新興感染症予防、人獣共通感染症対策など、ヒトを含む動物の健康に貢献すべく、多業種の研究者による科学的取り組みを推進する団体です。今回、大会テーマを「様々な生き物の健康づくり」とし、食、環境、運動の各面から、多種多様な生物の恒常性維持の基盤を包括的に考える機会を設けたいと思います。
特別講演では、佐賀大学農学部の徳田誠先生から、「毒を喰らう、病を運ぶ、壁を築く。-「健気」に生きる昆虫たちの日常」と題し、生物界における多様性の観点から、昆虫が直面する危機とその生存戦略についてご講演をいただきます。共催講演では、次世代人工肉の研究をリードする佐賀大学理工学部の成田貴行先生に、「培養肉作りを支えるコラーゲンの新技術」と題して持続可能な食生活と食品科学の最前線についてご講演いただきます。さらに、シンポジウムでは、健康保持に重要な、食、環境、運動といった基本要因における相互の連携を題材とし、皆様とともに議論できればと思います。
佐賀県は明治維新を科学的、政治的に先導した鍋島直正公をはじめとする多くの人材を輩出した、歴史的に興味深い地であるとともに、その自然の美しさと豊かな食文化があります。皆様におかれましては、是非佐賀県にお越し頂き、この地域の豊かな自然と食の恵みを直接体験していただければ幸いです。
本大会が、皆様の知的好奇心への満足だけでなく、実践的な応用につながる学術交流の場となることを願っております。多くの皆様のご参加を心からお待ちしております。
第8回日本ワンヘルスサイエンス学会
年次学術集会
大会長:青木茂久
佐賀大学医学部病因病態科学講座
探索病理学分野 教授
春の某日 佐賀大学医学部・医学部附属病院正門にて