(2024.3.9 Sat)

ージャズのようなものづくり、余す所ない食材ー


omusubi #6

第6弾を迎えることができました🎉


「とうふ」を舞台としたものづくりの世界。


とうふに油揚げに豆乳ー、主役になることは多くはないかもしれないけど、私たちの食卓に欠かせない食材ですよね。


毎日と言っていいほど見るけど、

「あんなに多種多様な製品を一度にどうやってつくってるの?」

「朝早いイメージあるけどなんで?」


ふとした疑問と興味がメンバーと話す中で湧いてきました。


その頃ちょうど、筆者がSNSで、あるとうふ屋が気になっていたんです。
とうふ製造を営みながら、「とうふ屋の食卓」というとうふ料理の魅力を発信したりや、他の生産者とコラボしたりなど、いろいろな取組をされている方がおられたのです。


そう、これが、「大野豆富店」だったのです。


私たちはすぐに連絡を取り、コラボについて快諾いただきました。(あの時は突然にも関わらずありがとうございました)

早速現場の取材と撮影をする日程調整をしていたのですが、、


「11時に来てください」


ん?昼前か?と一瞬思いましたが…いやいや、夜の23時のことです。


さて、すっかり夜がふけた23時。メンバーで現場の取材&撮影に向かいました。


そこには父の勝美さんが1人、黙々と大豆の仕込みと生地づくりを行っていました。そうしてあっという間にとうふが完成。


26時。
そこから母の孝子さんが現れ、とうふを正確に切り、油揚げをつくる工程へ。なんとその後4時間ずっっと揚げ続けておられました(;゚Д゚)


27時。
2人の動きが慌ただしくなってくる頃、息子の剛史さんが加わり、作業のテンポが更に加速します。


朝6時。
完成品が徐々にまとまってきた頃、omusubiイベントでもお話しいただいた智子さんが包装作業を行い、製品をまとめあげる。


こうした流れるような作業が夜中から朝の7時まで続き、納品され、消費者のもとへ届けられるんです。


ものすごく身近な食材なのに、製造現場はまるで異世界のようでした、、。


学校給食にスーパーに、飲食店に、食卓に欠かせないからこそ大量につくらなければならない。多くの量を絶やさず食卓に届けるには、夜起きて朝納品し、昼に寝るスタイルを毎日続けなければなりません。代々受け継がれ、父の勝美さんの代では、誰も欠けることなくこうしたものづくりが営まれてきたのです。


会話ではなく、ただ黙々と意思疎通を図りながら営まれる作業の現場と臨場感は、楽器のリズムとテンポが奏でるジャズのように感じられました。

(撮影隊の岩谷氏は、その世界観を感じ取ったのでジャズの音に合わせたムービーに仕上げたとか。なかなかセンスがイイですね。笑)


「約10〜15年かけて、色々失敗を重ねながら試行錯誤してきたからね。ようやく今頃になっていい感じになってきたんじゃないかな。」


とうふの出来を左右する大豆の仕込みや、ニガリの配合の苦労話を、勝美さんはニヤリと笑顔を浮かべながら話してくれました。


豆の品種や水に浸す時間、にがりの種類、分量、混ぜ方等々…いくつもの要素を過酷な作業環境で試行錯誤をしていること自体、とんでもないことだと思います。


一方で、剛史さんの妻の智子さんは、嫁いだ当時はこうした現場に戸惑いはあったようです。「もう少し小規模にしてもいいな」と思ったりもするそう。


「いいものを多くの人へ届けたい」

「家族との時間を大事にしたい」

時代の流れとともに、考え方や暮らしも変わってきます。家族経営ならではの葛藤を感じました。



さて、作業が終盤に差し掛かる明け方7時頃、作業場の玄関口に人がボトルが次々と置かれていきます。


よく見ると、そこには苗字が書いてあり、剛史さんは何のためらいもなく豆乳を注ぎます。


そう、このボトルは近所の方々が豆乳を求めて持ってきたもの。こうした地域の暮らしの一部として溶け込んでいるのも、代々受け継がれているものづくりの魅力ですね〜。


にがりの種類によってできるとうふの種類が変わったり、地域によって売れる油揚げの形が異なったり、大豆の余すところなく使えたり。


とうふづくりは食材としての魅力だけでなく、地域や文化に根付いた素敵なものづくりだなぁ、と思いました。


裏話として、智子さんは当時取材慣れしていない家族に少し不安を感じていたそうです。
でも、いざ撮影するとなんのその!みなさんノリノリで話していただきました!(^^)/
みなさんそれぞれ考えていることが違うのも、家族で営むならではの面白みかもしれませんね!


ちなみに、もしかしたらお気づきかもしれませんが、「大野豆富店」という名前、「豆腐」ではなく「豆富」と書いてあります。腐るのではなく、あらゆる種類に富んだ食材ということではないでしょうか!こーゆーの好きですね~!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回も良い出会いがあったな~!!
次回もどうぞお楽しみに〜🙌