探索→遊び→学び 石田高大


この度は『オフトウキョウ 2022』に参加させて頂く石田高大(いしだたかひろ)です。フェスティバルでは7/16-17にパフォーマンス公演『エコトーンと東京脱出』を行います。

自分の居場所とは?

公演タイトルが場所にまつわるものであるように「自分の居場所」をテーマに制作に入りました。


私石田が富山で生まれ、上京し、東京に住む中で作家活動を始め、そして富山に戻り、こうして富山に住みつつも東京で作品を発表していたりとすると、「自分はどこの人間なんだろう?」と悩むようになりました。住んでいてお金もかからず、生活が楽なのは富山ですが、作品を発表してより多くの人に見てもらえるのは東京だからです。また、そもそも自分が作家活動を始めたのは東京でもあったからです。


しかし、どう作品にするか迷い、友達に相談しました。「いざやってみると、いざ行ってみると何か違った」と感じる経験は誰にでもあるのではないか、という話になりました。仕事、趣味、住まい、国籍、性別などのどこかで。


そこで、みんなで「いざやってみるとどこか違った経験」や「自分の居場所」を対話することを公演のゴールにしようと決めました。

(公演中に配布する問い)

「探索」→「遊び」→「学び」

「居場所」という、少し面倒で、とっつきづらい問いだからこそ、少し段階を踏んで対話することにします。以下、公演の演目です。


<公演演目>

①生活態度が良くない

②第1章 探索 (サブテレニアン)

③第2章 遊び (エコトーン)

④第3章 学び (居場所とは?)

⑤富山県民宣言

(メモ)


「探索」→「遊び」→「学び」という流れについては、子どもの遊びにおいて起きるものです。


子どもが、与えられたおもちゃを最初はただ恐る恐る触り、次第に叩いたり舐めたりと「探索」する。次第に使い方のルールを覚えて「遊び」になる。遊んでいる中で、おもちゃを壊したり、ケガしたり、友達と取り合いになってケンカしたりと、失敗する中で「学び」をする。


公演では私が「探索」し、「遊び」を作り、その遊びにお客さんを巻き込み、それを通じて対話を促し「学び」に向かいたいと思います。

私は富山県民

この「探索」→「遊び」→「学び」の流れは大人になっても大事になると思います。例えば、役者でもミュージシャンでもYoutuberでも、いきなり何かプロへの決意をして頑張り続けるのは、苦しいと思います。とりあえず「探索」「遊び」をして、結果や失敗から「学び」、どこかで心を決めてプロになる決意をするとか、違うものを見つけて新たな「探索」へと向かうとか。私の今の活動もそうして出来上がってきました。


そして、こんな風に作品を考えていて気づいたことは、私石田は結局のところ、自分は富山県民だということです。実際に富山に移り、少しづつこっちの生活に慣れてきて、新しいことを始め、そして東京で久しぶりに友人に会うと「表情が明るくなった」と言われ、「やっぱり自分は身も心も富山県民だ」と学んだからです。


公演では、最後に少しだけこのことを話して終われたらなと思います。