文学マチネ第

我も雛罌粟、晶子

2019616

諏訪市 レストランくらすわ

◯プログラム


第1部

朗読:「みだれ髪」より「臙脂紫」 (4’39”)

晶子と鉄幹 (17’37”)

朗読:「みだれ髪」より「白百合」 (1’49”)

「明星」について(11’41”)

朗読:「みだれ髪」より「はたち妻」「春思」(1’49”)

「みだれ髪」の衝撃(17:05)

朗読:「夏より秋へ」より(3:25)

第2部

パリの晶子 (4’00")

朗読:「産屋物語」 (23’57’’)

母性保護論争について(15’14”)

朗読:「白櫻集」より (4’11”)


朗読家・松野志保による文学マチネ第6回「我も雛罌粟、晶子」が開催されました。今回は与謝野晶子を取り上げました。女性文学者、また短歌を取り上げるのははじめてです。

前半は、歌集「みだれ髪」の朗読を中心に、晶子と鉄幹とそしてもう1人の「星の子」山川登美子について。メディアとしての雑誌「明星」について。さらに「みだれ髪」が時代に与えた衝撃が取り上げられました。前半の最後は、渡仏した夫を、パリまでシベリア鉄道で追って行き、パリでの恋の再燃を歌った「夏から秋へ」から朗読されました。

後半は、「産屋物語」という文章を朗読。お産のただ中は、何も助けにならない男が憎いという実感から書き起こし、それでも女も男も同じ「人間」であり、どちらが偉いというわけではない、と言う。偏見なく両者の美醜を余すことなく写すのが、新時代の文学なのではないか、と書いています。それを踏まえて、晶子と平塚らいてうらとの間に起こった「母性保護論争」について。両者の労働観、国家観の違いを、背景にある2人の生育環境・出身階級の違いをもとに考察しました。最後は、鉄幹亡き後の遺歌集「白桜集」の朗読でした。

当日は、いつもお花をお願いしている濱昭夫さんが、晶子をイメージしたとりわけ素敵なアレンジを作って下さいました。