文学マチネ第4回
「芥川、刹那の火花」
2018年10月4日
諏訪市 レストランくらすわ
朗読家・松野志保による文学マチネ第4回「芥川、刹那の火花」が開催されました。暑さも感じられる秋晴れの中、これまでで最多の25名のお客様にご来場いただきました。
前半は、芥川龍之介の「蜜柑」の朗読から始まり、芥川の「4人の父」、山口の田舎出身の牛乳製造業だった実父、江戸城の茶坊主の血を引く趣味人だった養父、文学上の師であり、芥川を世に出した夏目漱石、芥川が尊敬し、文体上の影響を受けたとされる森鷗外との関わりを明らかにし、最後は、漱石が芥川らに宛てた三通の手紙が朗読されました。
後半は、「或る阿呆の一生」「戯作三昧」「地獄変」などを紹介しつつ、刹那の美を追求した芥川の文学上の苦心と苦悩が語られました。最後の朗読は、「奉教人の死」。30分を超える朗読ですが、息をもつかせぬ劇的な展開に、来場者の皆さまも身じろぎもせず、聞き入っておられました。