制作レポート:#5
作成 : 2026/1/12
更新 : 2026/1/18
作成 : 2026/1/12
更新 : 2026/1/18
1.#5について
昨年、弊サークルより2つの作品を公開しました。
ひとつは、新視点の『テノイ』の世界の概要であり、この世界で冒険する手引きになる『#4 TENOI RPG 2.x 錬金妖精テノイ』、もうひとつは、この#4をベースルールとして遊べるゲームブックであり、テノイの世界観を補填する小説でもある『#5 TENOI RPG 2.x Solo 変幻の地下迷宮』です。
弊サークル作品のお決まりとして、世界観のベースになる作品をひとつ作り、それに世界観を補填するものを続けて公開していくスタイルをとっており、今回もそれに則った形です。
以前にも、#1の世界観に合わせた#2,#3をゲームコミックとして公開しました。
#1には、異世界をつなぐ『ポータル』と呼ばれる現象をテノイ達は視認、場合によって制御・利用でき、様々な次元を行き来する(『クトゥルフ神話TRPG』の公式サプリメントや『マギカロギア』、『インセイン』などのように、様々な時代や場所で活躍する可能性がある)設定があり、#2,#3で活躍した『薬屋コニー』も、そんな広い世界のほんの一部という設定でした。
しかし、活動に空きができた一時期、私の中でも世界観の方向性が定まらず、コニーの活躍する世界のイメージがつきづらくなっていることに気が付き、より活躍できる世界を絞り、ルールもソロクエストにしやすいシンプルなものにと、#1のリメイクである#4を考えました。
#5は、#4の世界観を冒険するゲームブック第一号となります。
2.制作手順
①物語と遊びのテーマ
制作に際し、物語と遊び、それぞれの『テーマ』を決めます。
物語のテーマについては、#4の世界の時代や場所、主人公の出自、普通の生活では知りえない『この世界の秘密』の一部に触れるか否か、触れるならどう遭遇するかなどから決めます。
#5の物語は『先史時代の遺物』がテーマでした。迷い込んだ遺跡が何なのか、カギを集めて、ここから出ることができるのか、というのが重要な物語になっています。
遊びのテーマは、そのゲームブックにおいて主軸になるシステムを決めることでもあります。
一方通行にするか、一度訪れた場面にまた戻ることを想定するか、他にも、その作品独自の特殊なルールなども含めて決めます。
#5は第一号ということもあり、独自のルールというのは特に設けませんでしたが、迷宮内に散らばるアイテムを集めるという物語の都合上、同じ場面に繰り返し遭遇できる事をテーマにしています。
②フローチャート
ストーリーとテーマをもとに、一度フローチャートを書き出し、各場面で何が起きるかを決めます。
③一次テスト
一度その状態でプレイします。
テストしながら場面を付け足したりなどブラッシュアップします。
④スプレッドシート入力
フローチャートと、それぞれの場面を順番にスプレッドシートに書き出します。
次の工程にも関わる点ですが、ここで記載するアイテムや敵、遷移先などは、決められたフォーマットに従って記載していきます。
ここはただの作業ではなく、小説としての肉付けにもなります。#5の場合同じ場面に帰ってくる場合もあるので、前後関係を考えながら文章を考えます。
⑤本文出力
完成品の本文に近いスタイルのHTMLを出力します。
スプレッドシートから出力したCSVファイル(カンマ区切りの簡素なテキストフォーマット)を元データとして、ルール説明とパラ振り、スタイライズまでを自動処理するスクリプトにかけます(Python)。
⑥二次テスト
改めてゲーム進行に問題がないかや、誤字・脱字・衍字や、常用ではない漢字や聞きなれない言い回しがないかなどの校正、読みにくい改行や改ページがないかなどをチェックします。
間違いがあった場合は元データのスプレッドシートを編集し、本文を再出力します。
⑦製本
PDFに変換した本文を冊子で印刷し、表紙と合わせて製本します。
3.今後について
その後、#4と#5はコミティアやゲームマーケットに出展し、お買い上げいただいた皆様やお隣のサークル様、興味を持っていただいた方々に認知していただけるようになりました。制作環境については、各データのコンバートや本文のフォーマットにまだ課題があるものの、製本までの手間はかなり簡略化されました。
ただ、まだ広告の面では足りない点が多いとも感じています。
弊サークルのブースで何を売っているのかが通り過ぎただけではわからず、旧作に関しては表紙をだいぶ地味にしてしまい、手に取るには少し寂しい見た目です。漫画仕立てというのは労力的に厳しいですが、グラフィカルな作品は世界観イメージの補填や広告的な面において大きな効果があるので、今後着手したいです。
ゲームブックはそこまで大きいコンテンツではありませんが、意外とファンの方も多く、FT書房さんのような大手様もいらっしゃるなど、根強い人気もあります。今後も作品を展開していけたらと思います。