研究紹介

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研究紹介

沼田研究室では、毎秒数メートルという遅い流れ、音速を超えるような速い流れ、極端な低圧・高圧環境で生じる流れ、運動する物体周りに生じる流れなど、極限環境下における流体現象や非定常な流れ場を調べることのできる分子イメージング技術の開発を行っています。また、開発した流体計測技術を駆使し、各種の風洞装置やバリスティックレンジ衝撃波管などを用いた実験を行い、未知の流体現象の解明を目指します。応用は航空宇宙分野に限らず、あらゆる分野を内包します。

(1) 分子イメージング技術を用いた流体可視化計測法の開発

沼田研究室では、感圧塗料を中心とした分子イメージング技術を開発しており、非定常流体現象に起因する非定常圧力場の計測技術の開発を目指しています。また、飛翔体上の圧力計測や羽ばたき翼上に現れる圧力場、運動する物体上に現れる圧力場や音速以上の速さで伝播し変動する非定常圧力場等、通常は観察・計測するのが著しく困難な計測対象に対する「非定常な表面圧力計測のための分子イメージング技術」の開発及び技術確立を目指しています。

キーワード : 感圧塗料、蛍光油膜法、ミニタフト法、非定常、動的、移動物体、時系列計測、高速度撮影

励起された色素溶液


(2) 飛翔体上の圧力・温度場計測手法の開発および飛翔体由来の流体現象の解明

沼田研究室では、超音速で飛翔する物体や、宇宙カプセルのような極めて高速で空気中を移動する物体表面の非定常圧力場・温度場計測手法の確立をめざし、分子イメージング技術を応用した計測技術の開発を目指しています。また、飛翔体由来の衝撃波に起因する非定常圧力場の高速度時系列計測手法を確立し、将来の超音速旅客機の実現に向けたソニックブーム計測技術の実現も目指します。

キーワード : バリスティックレンジ、超音速、飛翔体、カプセル型飛行体、ソニックブーム、非定常感圧塗料、非定常感温塗料

(3) 火星飛行機の実現に向けた高性能翼型の探求及び翼流れの解明

沼田研究室では、火星飛行機の実現に向けた様々な翼型の空力特性の解明を目指した研究を行っています。NASA が火星ヘリコプターを実証するなど、惑星探査における空力的効果を用いた探査法は今後さらに成果が注目される分野です。翼型やそれに付加するデバイスの開発を通じ、火星環境下においてより効率的に揚力を発生する翼型の開発を目指します。

キーワード : 火星飛行機、翼型、空力デバイス、バイオミメティクス、低レイノルズ数、探査機、etc.

(4) 航空機周りの流れ場の解明を目指した空力試験

沼田研究室では、航空機周りの流れ場の解明を目指した各種空力試験を実施しています。特に、風洞試験を通じた翼型の空力特性の理解を通じ、航空機の高性能化に資する基礎データの取得を行っています。また、翼型模型を各種マニピュレータで加振し、動的な状態下における航空機の空力特性の解明も目指しています。

キーワード航空機、翼型、空力デバイス、バイオミメティクス、動的風洞試験、etc.

(5) 各種実験装置の開発

沼田研究室では、様々な流体現象の解明に必要となる実験装置の開発を進めています。特に、低速から超音速までの様々な速度で物体を射出可能なバリスティックレンジ (弾道飛行装置) の開発や、衝撃波を発生させることが可能な衝撃波管の高性能化に向けた開発研究、さらには風洞をはじめとする様々な流体実験装置の試験部に設置可能な流体実験用の特殊計測装置の開発を目指しています。加えて、分子イメージング技術の適用精度向上を目指した自動塗装装置などの開発も行っています。

キーワード : バリスティックレンジ、衝撃波管、風洞、流体計測装置、自動塗装装置、etc.

これら以外にも様々な研究テーマを設定しています。それらや上述した研究テーマのより具体的な内容について知りたい場合はお問い合わせください。