銀行による間接金融(銀行貸出)及び銀行以外による直接金融(社債)による債務の残高である。
政府が発行する債券であり、債務である。銀行が買うことにより、マネーが発生する。
金融機関を除いた国内の非金融機関(政府・企業・家計)の債務残高である。
そのように見なせると言うことに過ぎない。もし、国債を消滅すると、その分のマネーも経済主体から消滅する。即ち、統合政府と見なしても、マネーストック及び債務残高は減少しない。
htps://www.murc.jp/report/rc/column/igarashi/igarashi170703/
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/216138/031400009/
日本の場合は各部門債務残高対GDP比率の中で政府部門が最高で、2018年211%である。高度経済成長が約30年前に終了し、企業部門債務残高の増加が止まったため、国債発行を増加したからである。中国は企業部門が最高で、2018年153%である。これは中国の高度経済成長が2013年前後まで継続していたからである。従って、日本政府は政府部門債務残高を問題視し、中国政府は企業部門債務残高を問題視している。世界各国の債務残高対GDP比率を議論するには3部門合計の債務残高対GDP比率を採用する必要がある。
債務が出資金へ転換されるので、企業部門の債務残高は減少する。中国(2015年)の場合、債務残高対GDP比率は企業部門158%・政府部門42%・家計部門39%・合計239%で、企業部門が著しく高い。この原因は高度経済成長を継続してきたからである。企業部門のデレバレッジ実施を目的として、中国政府は企業に於ける債務株式化( Debt Equity Swap)を奨励している。
バブルが発生した1989年日本の債務残高対GDP比率は252%に達し、1991年安定成長段階から低成長段階へ移行した。このことから各国は250%を景気停滞に陥らないための上限と認識していると思われる。
https://data.worldbank.org/indicator/FS.AST.DOMS.GD.ZS?locations=JP&view=chart
総債務残高対GDP比率は、国際決済銀行が四半期毎に世界各国のデータをCredit-to-GDP ratioと称して発表している。
中国の中国社会科学院は四半期毎に中国の総債務残高対GDP比率をマクロ レバレッジ比率と称して発表している。中国の総債務残高対GDP比率の値は国際決済銀行発表と中国社会科学院発表では多少異なるが動きは一致している。
2019年3月開催された全国人民大会での政府活動報告が「マクロ レバレッジ比率を安定化させる。そのためにマネー ストック M2と社会融資規模の伸び率をGDP名目伸び率相当とする。」と明記した。
マクロ レバレッジ比率=総債務/ GDPであるから、分母分子が例えばそれぞれ6%増加すれば、マクロ レバレッジ比率は変化しない。
日本では「経済財政運営と改革の基本方針2018」(平成30年6月15日閣議決定)に於いて、「新たな財政健全化目標として、経済再生と財政健全化に着実に取り組み、 2025年度の国・地方を合わせたプライマリー バランス(PB)黒字化を目指すこととする。同時に負債残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことを堅持する。」と明記した。なお、日本は国・地方を合わせた政府部門の債務残高を対象としている。