草木染め

左から ヨモギ、クサギの実、ヌルデの虫こぶ、クワの実、ローズヒップ&ハイビスカス、紅茶、タマネギの皮で染めたウールの毛糸

植物は さまざまな色のもとを作ります。その中には ウールやシルクといった動物性の繊維(のタンパク分子)につよく結びついて 染めることができる色のもとも含まれています。

色合いを変えたり 染めの強さを増すために、金属イオンが役に立つことがあります。上の草木染でも、アルミニウム・イオン(ミョウバン)や鉄イオン(酢でとかした鉄さび)がつかわれているのもあります。色のもとと反応して水にとけない化合物をつくる効果もなかにはあります。

クサギの実:トリコトミンという色素が含まれています。アルミニウム・イオン(ミョウバン)で媒染します。

ヌルデの虫こぶ:ヌルデにアブラムシの一種がつくと、植物の防御反応で袋状の虫こぶができます。虫こぶに含まれるタンニンから作られた物質が鉄イオンと反応して濃い色になります。

10/22は初めの抽出条件をアルカリ性にするのを忘れたために、色合いが見本と異なり また薄い色になってしまいました。

クワの実:シアニジンというアントシアニン(ポリフェノール)の一種の色素が含まれます。アルミニウム・イオン(ミョウバン)で媒染します。

タマネギの皮:クェルセチン(フラボノイドの一種)という色素が含まれます。アルミニウム・イオン(ミョウバン)と反応させて 黄色に染めることができます。

紅茶:チャの葉にふくまれるタンニンが反応して生成する赤茶色の色素が紅茶には含まれます。アルミニウム・イオン(ミョウバン)で媒染します。

ヨモギ:抽出されるフラボノイドなどの色素をつかい  鉄イオンで媒染します。

草木染め 2020:左から 紅茶、タマネギの皮、クワの葉、ハイビスカス、藍、染めていないウールの毛糸

染めている物質は 紅茶:タンニン(ポリフェノールの仲間)の一種、タマネギの皮:クェルセチン(フラボノイドの仲間)、クワの葉:クェルセチン、ハイビスカス:アントシアニン(フラボノイドの仲間)、藍:インディゴ

植物の種類によっていろいろな配糖体であったりするので色合いが異なります。タンニン、クェルセチン、アントシアニンは同じような分子ですが、インディゴは異なります。