脳の発達

ヒトを特徴づける大脳皮質

ヒトの脳の一番外側の大脳皮質は ヒトがヒトらしいふるまいをするのに重要なはたらきをしています。上の絵は、大脳皮質のなかで体の各部での感覚をうけとり処理する部分と それにしたがって体の各部を動かす指令をつくる部分がどのように分布しているかを示しています。実際の体の各部の大きさに比べて大きく絵が書かれている部分は ヒトとして重きをおいて感じ そして動かしている部分です。

脳の発達における指の感覚と運動の学習

唇のまわりと手の指の重みが 感覚・運動で重いことがわかります。赤ちゃんが乳を吸ったり 大きくなって食物をたべることが生きていく上で大切なことです。そして 指をつかってさまざまなことをするのが 同じように大切なのです。

西緑地科学クラブで お子さんにいろいろなモノをつくる経験をするように企画しているのは、指を使いこなせるようになることが 脳の発達に大きな寄与をするだろうと考えているからです。感じてそれをもとに動かすという神経回路は それが発達する年齢で たくさんの経験をすることで 健全に発達します。あとからでは苦労します。

言語学習の臨界期

言語の習得でも、音を聞きわける感覚学習には臨界期があります。記憶した音にあわせて同じような音を発する運動学習がそれに続きます。小学校で外国語活動がされています。臨界期(言語の感覚学習については12才まで)ということでは、日本語の音にはない RとL、FとH、VとBなどのちがい、thなどの音、(日本語は殆どが母音で終わるのですが)そもそも子音で終わる発音について早くに 楽しみながら学習する必要があります。臨界期以降にこれを学習するには余分の努力が要ります。たとえばiPhoneのSiriを英語モードにして どれだけSiriが発声した英語を認識するかを確かめるのもよいでしょう。

日本人英語―英語発音の実態とその矯正法― は参考になる資料です。

科学も ひとつの言語といえます。そもそも母国語の能力をみがくのが第一の優先度であるのはたしかです。

遺伝と学習

ヒトには親から受け継ぐ遺伝で支配される要素と 生まれてから学習により獲得される性質があります。西緑地科学クラブでは お子さんがもつ可能性をできるかぎり伸ばすのにお手伝いできればと考えています。