コメに含まれるデンプンは 植物がエネルギーを蓄えるためにつくるポリマー分子です。糊にはなるが、分子が水に溶けるということはなく したがって味はない。ポリマーをつくっている小さな糖の分子は水に溶けて甘い。
コウジカビは、菌類(カビ)の一種で、菌糸のところどころに分生子ができてその先からたくさんの胞子を出す。胞子は発芽して栄養があれば どんどん菌糸をのばす。
顕微鏡によるコウジカビの観察をおこなったが、透明なコウジカビの細胞の中の様子をみるのに、微分干渉法という(偏光の性質を利用した)手法をつかった。色のついた顕微鏡像がみえるが、これは光の干渉により見える色であってコウジカビの色ではない。
コウジカビは デンプンを糖に分解するアミラーゼという酵素(タンパク分子)をたくさん作って、分解した糖をつかって代謝したり成長・増殖する。
アミラーゼにはデンプン分子がぴったりハマる場所があり、そこについたデンプンを分解して糖にするはたらきがある。アミラーゼはコウジカビだけでなく、私たちの唾液のなかにもあって、ご飯をよく噛むと甘くなってくる。噛み酒といってコメを噛んで唾液のアミラーゼで糖に変えて さらに酵母でアルコール発酵させる方法がある。