かがみの箱の中は、どんなかな? ライトが映って、どこまでも続いているよ。
かがみってふしぎね。かがみにうつるわたしは、そっくり同じなのに、紙にかいた字をうつすとよめなくなる。かがみのはこの中におもちゃを置くと、もう一度写って、どんどん写って、どこまでも写って、かぞえきれないね。黒厚紙とプラスチック板をつかって、万華鏡も作ります。
日時:2017年6月18日(日)午前10時から
6月29日(木)午後4時半から
(同じ内容で2回やります。どちらかに参加を)
大昔は 静かな水面を鏡にしたり、あるいは青銅などの金属の表面をピカピカに磨いて鏡として使いました。どのくらいのピカピカが鏡にとって必要かは 光の波長くらいの平らさがいります。眼がみる光の波長の短いものは0.3μmほどです。これよりザラザラしていると鏡は曇って見える。金属の色はおよそ銀色でピカピカに磨くと鏡になります。この性質は金属のなかの電子が特定の原子には束縛されず(金属が電気をよく通すように)自由に動きまわるということから出てくるといわれています。炭素でできた物質でみると 色は原子の配列の仕方で大きくかわります。煤は光を吸収して真っ黒です。煤は黒色インクに使われます。ダイヤモンドも炭素からできていますが、色はなく透明です。グラファイトは層状の分子構造をもっていて層にそって簡単に劈開します。グラファイトの劈開表面はピカピカで光を反射します。ベンゼン環がずらっと表面に並んでいて 原子に束縛されない電子が層にそって自由に動きます。それが金属ほどではありませんが似たような光の反射を見せる理由です。ちなみに 金属の自由電子は3次元方向に動きますが グラファイトの自由電子は2次元の層内のみで動きます。電気を通すのも2次元方向、よく熱を伝えるのも層内方向です。
大きくて平らなガラスを作れるような時代になると、ガラスの表面に薄い銀の層を形成する銀鏡反応が工夫されて ガラスの鏡がつかわれだしました。金属そのもので作る鏡は 表面が酸化したり他の反応がおこると着色したり曇ったりします。ガラスの鏡はそれがないので 曇らず 優れています。銀以外の金属の層を蒸着したりすることもされています。蒸着する量がすくないと、鏡になったり透けてみえたりするハーフミラーになります。いまでは ガラスの鏡のほかに 西緑地科学クラブでつかったプラスチックのフィルムの曲げられる鏡などもあります。
西緑地科学クラブで作った万華鏡の鏡は平滑な表面をもつプラスチック板の裏側に黒い板紙を置いたものです。万華鏡の形状から、眼で見る光の入射角度はプラスチック板面に沿うような角度です。プラスチック板面で反射する光の量は「普通の鏡」での反射の量とくらべると少ないのですが、他の光の強さが弱いとプラスチック板で反射した光でも眼で見えます。裏に黒板紙を置くのはそのような理由です。
私達が手にできる鏡の反射率は100%にとどきません。99.99999%の反射率でも一回の反射でいくらか光は減じます。100%反射の鏡があればその鏡で囲った空間に光を貯めることができます。99.99999%の反射率では 光の速度がとても速いので鏡での反射の回数はたちまちものすごい回数となり、はじめに入った光は鏡に吸収されてしまうのです。光を止めてしまえば光を貯められそうですが、それも難しい。ですから 光を貯める代わりに 光を(貯蔵できる)他のものに変換して 必要なときにまた光に戻す ということが行われます。