電池にはいろいろな種類があります。ここでは 2種類の金属をつかった化学電池を 身近な材料をつかってつくります。
銅とアルミニウムの板のあいだに濃い食塩水をひたしたクッキングペーパーをはさみます。するとテスターで銅とアルミニウムのあいだの電圧をはかると一定の値を示します。銅:食塩水:アルミニウムを積み重ねると 電圧は増えていきます。何組か積み上げて発光ダイオード(LED)の回路をつなぐと LEDがかすかに光ります。
銅のクギと亜鉛(メッキした鉄)のネジをレモンなどの酸っぱい味のする果物に挿して 銅と亜鉛のあいだの電圧をテスターではかると大きな電圧がでているのがわかります。
このような電池は 2種類の金属を 塩や酸の溶液でへだてています。金属の種類によって液のなかにイオンとなって溶け出る傾向が異なるというのが 電池になるしくみです。
銅より亜鉛やアルミニウムのほうが溶け出てイオンになる傾向が強いのです。アルミニウムより亜鉛のほうが溶け出やすいので 銅との組み合わせでつくる電池ででる電圧は亜鉛のほうが高いのです。
LEDをつなぐと 2つの電極の間の電圧はがくんと落ちてしまいます。金属がイオンになって溶け出たり その逆の反応の進み方、液のなかをイオンが動くときの抵抗などが 電圧がガクンと落ちる理由です。みなさんがよく使っている電池はさまざまな工夫がされていて、ガクンとおちないようになっています。
実験でつかう亜鉛の電極は 亜鉛メッキした鉄です。「トタン板」は亜鉛メッキした鉄板です。屋根にしたトタン板の上に落ち葉がつもり バクテリアのちからで腐植質にかわると酸ができて金属を溶かします。亜鉛のほうが鉄よりもイオンになってよく溶けるので、表面にメッキした亜鉛が溶け終わるまでは鉄が溶けません。この性質があるために 孔があきにくいのが トタン板を屋根などに使う理由になっています。トタン板をとめるネジも鉄の上に亜鉛をメッキしています。