太陽や、遠い銀河のどこかでできた宇宙線が地球に飛び込んできて わたしたちの体も通りぬけています。宇宙線の正体は、原子のまんなかにある小さな核で、とても速く飛んでいます。宇宙線はそのままでは見えません。霧箱を使うと、飛んでいる飛行機の後ろに飛行機雲ができるのと同じように、宇宙線の飛んだ跡を見ることができます。
小学生は保護者なしでも。小さいお子さんは親子で。
場所:西緑地会館
日時:2016年10月15日(土)午前10時から
2016年10月17日(月)午後4時半から
(同じ内容で2回やります。どちらかに参加を)
参加費:無料
(放射線源としてラドンを利用しました)
地球には 太陽や銀河のどこからか 宇宙線が飛び込んできています。太陽からの宇宙線の正体は高速の陽子やヘリウムの原子核であるアルファー線です。銀河からの宇宙線にはもっと重い原子核でもっとエネルギーの大きな粒子線も含まれます。地球に磁場ができてからは 宇宙線が地球の表面までとどく割合が減りました。さらに水の厚み10m分の大気の層で宇宙線はさえぎられて その量はへります。地球の中からは放射性のカリウムからでる放射線やラドン・ガスなどによる放射線がでています。
宇宙線などの放射線が空気中を高速で動くと その飛んだ跡にそって空気のなかの分子がイオンになります。霧箱はそれを利用して 宇宙線などの飛跡を眼でみえるようにする方法です。アルコールの蒸気を霧箱の底の下においたドライアイスで冷やすと、なにかのきっかけがあればたちまちアルコールの蒸気は凝縮して目に見える霧になります。宇宙線が通った跡にイオンができると その周りにアルコールの分子がたくさんひきつけられて 光が当たると白くみえるくらいの大きさの液滴をたちまちのうちにつくるのです。
宇宙から飛び込んでくる宇宙線や地球からでてくる放射線のすがたを 一瞬できる霧の線で確かめてみましょう。
霧箱のほかに 放射線をはかる道具もみてもらいます。一つはガイガー管です。放射線でイオンの筋がつくられるのを雷のようにして電気的にはかります。もうひとつはシンチレータで、これは放射線が通った時にでる光をつかい放射線の強さをはかります。
霧箱は1897年にチャールズ・ウィルソンが発明して多くの物理学実験につかわれました。その功績によりウィルソンは1927年にノーベル物理学賞を受賞しました。
銀河から飛んで来る宇宙線は 霧箱で霧をつくるのとおなじしかけで 地球の高い空で雲をつくります。雲がたくさんできると、太陽光が遮られて地表の温度はさがります。逆に銀河宇宙線が少ないと晴れる割合がおおくなり太陽の光が地表をあたため 温度はあがります。太陽の活動がさかんで黒点もたくさんできると、太陽がつくる磁場が強くなり 銀河からの宇宙線は太陽系のなかにあまり入ってきません。11年周期で太陽の活動は強くなります。ちょうど2015年は黒点も多く、観測史上もっとも気温が高くなりました。