東京科学大学 総合研究院 基礎研究機構 および デジタルツイン研究ユニット 特任教授
量子アニーリングに関する論文が日本物理学会の論文賞を受賞しました。
定年を過ぎているため大学院生の受け入れはしていません。
主な研究のテーマはスピングラスの理論と量子アニーリングです。
スピングラス理論
スピングラスは、ランダムな相互作用を持つスピンが織りなす複雑な秩序状態で、その解析は極めて困難なことで知られています。この問題に対して厳密解をある条件の下で発見しました [論文1]。今日では、この理論的枠組みは量子誤り訂正 [論文2]、統計的(ベイズ)推定 [論文3]、量子状態準備 [論文4] [論文5]などの幅広い分野に深く関わっていることが明らかになっています。エイプリル・フールのネタにもなっています [論文6]😄。
量子アニーリング
量子アニーリングは、量子力学を使って数多くの可能性の中から最適な解を選び出す方法です。この量子アニーリングの概念を初めて定式化しました [論文7]。純粋な学術的好奇心から出発した研究でしたが、今日では、当初の想像をはるかに超えて実社会への応用に向けた動きにまで広がりを見せています。
上記の論文7が2024年のノーベル物理学賞🏆 の解説文書で、関連した重要な発展の一つとして言及されました。