▼目次
「素人による耳コピ」シリーズとは、音楽素人である私が東方原曲を耳コピしてYouTubeに動画として投稿するというものです。
下の動画は「素人による耳コピ」シリーズ第1弾として投稿した「U.N.オーエンは彼女なのか?」の耳コピ動画です。
「素人による耳コピ」シリーズでは、3つのことを意識して耳コピ動画を投稿しています。
にじりゅうチャンネルの耳コピ動画では、ピアノアレンジとして投稿していますが、努力の方向性は「ピアノの美しさを可能な限りに引き出すこと」ではありません。
とにかく原曲を重視したピアノアレンジにしています。
ただし原曲をそのままピアノアレンジにしてしまうと、ピアノアレンジとしては劣ってしまうこともあるので、原曲の「再現」ではありません。あくまで原曲「重視」です。
つまり、原曲の良さとピアノの良さをバランスよくミックスするということです。
①で記述した通り、原曲重視で作ることを意識しています。それによってプロレベルになってしまったとしても、人間に物理的に弾ける範囲であれば一切妥協しません。
和音も最大で10度までは許容することがあります。
原曲重視とはいえ、人間に物理的に演奏可能な範囲でなければ、音楽の素晴らしさを享受するのは難しいと考えています。
したがって、人間に弾けない範囲で音を取ってしまった場合は、適宜調整しています。
まずは耳コピする曲を決めます。
リクエスト受付期間中は視聴者さんのリクエストを優先していましたが、現在はリクエストは受け付けていないため、耳コピする曲は私が決めています。
基本的に入浴時は、耳コピをすると決めた曲全体の“流れ”を確認します。
加えて、このときに重要視しているのは次の2点です。
楽曲を好きになる
全体を通してどんな曲か自分なりに解釈する
私は基本的に「原曲重視」がアレンジのコンセプトです。
原曲に込められたものを表現するためには、ここで挙げた2点を重要視することは欠かせません。
曲を聴き込んで、ある程度“流れ”を把握することができたら、アレンジの方向性を決めます。
以前は「ピアノアレンジっぽさ」も入れていましたが、現在では「人間に演奏可能な範囲で原曲重視」というコンセプトから逸脱しないように決めています。
ただ、第69弾の「上海紅茶館 〜 Chinese Tea」などでは、ベース、主旋律、副旋律といった複数の音色が同時に演奏されます。
この場合、どこかの音を削らないと、物理的に人間に演奏できなくなってしまうことがほとんどです。
そのため、採譜を始める前の楽曲を聴き込む段階で、準備運動として「イメトレ」をしておきます。
※「採譜」とは、耳コピをして楽譜に起こすことをいいます。たとえばGarageBandやDominoなどで打ち込むだけの作業は「楽譜に起こした」とは言い難いので、厳密には「採譜」ではなく「耳コピ」などが正しい表現です。前者と後者では、それぞれ違った難しさと素晴らしさがあると考えています。ある程度イメトレをしたら、iPadで採譜ソフトを開きます。
第12弾の「秘匿されたフォーシーズンズ」までは「Flat」というソフトを、第13弾の「博麗 〜 Eastern Wind」以降は「Notion Mobile」というソフトを使用しております。
採譜ソフトを開いたら、楽曲の基本要素――テンポ、拍子、調号などを確認して、それぞれ設定するところから始まります。
これは余談ですが、Notion MobileはFlatよりも機能が多いため、表現の幅が広がります(ただ初心者さんでも使いやすいのはFlatでしょう)。曲を2、3小節くらい聴いたらその通りに右手(旋律)を打ち込む。
何小節か打ち込めたら伴奏や副旋律を聴いて打ち込む。
そして自動演奏で違和感がないか、人間に演奏可能かどうかを適宜確認する。
――これの繰り返しです。
ちなみに、私は採譜するときに、裏で鳴っている小さな音も聴き取れるように「ハヤえもん」というソフトもよく使います。
東方原曲はループが多いので、基本的に私は2ループ分作ったら締めくくりの部分を作ります。
2ループ分作る際にはリピート記号や1番・2番括弧を、締めくくりの部分はrit.を活用します。
締めくくる際にはセブンスコードを使うとなんかそれっぽくなります。その他にはサスペンション・フォーコードを演奏後にメジャーコードを演奏する「sus4の解決」を使うのも良いでしょう。
ただし、第35弾「廃獄ララバイ」、第58弾「二日酔いの同床異夢」などの例外もあります。
ピアノアレンジとして1曲全て完成したら、YouTubeに動画として公開するために次の手順を踏んで動画編集をします。
採譜ソフトでmidi音源をダウンロードし、自動演奏を画面録画します。ついでに楽譜配布のためのpdfもダウンロードしておきます。
採譜ソフトでペダル記号や細かい強弱を付けて、wav音源をダウンロードします。
前述した3つの素材――midi、pdf、wavをAndroidスマートフォンに送信し、これ以降はiPadではなくAndroidで作業を進めます。
SeeMusicアプリにmidiをインポートし、ピアノロール動画を作ります。
Canvaアプリを使い、オープニング画像を作ります。
動画編集ソフト(私の場合はInShot)を開き、(ⅰ)オープニングの挿入、(ⅱ)自動演奏・ピアノロール・wav音源の合成、(ⅲ)おまけがある場合はおまけパートの作成、(ⅳ)エンディングの挿入、という順序で動画編集を進めます。
動画が出来たらYouTubeにアップロードしますが、このとき非公開にしておきます。概要欄とサムネイルを完成させるためです。
概要欄には採譜の感想やクレジットを書きます。私の耳コピ動画は東方Projectの二次創作作品に該当するので、東方Projectの二次創作ガイドラインに則り、東方Projectの二次創作であることを明記します。
誤字・脱字などがないか最終チェックをしてから、投稿予定日を決定します。
原則、投稿日の1週間前にXでの先行公開、1日前にXおよびYouTubeコミュニティでの動画告知としています。
「素人による耳コピ」シリーズは、東方Project原作者ZUNさんをはじめ、キャラクターの立ち絵素材を配布されているはるかさん(dairiさん)など、たくさんの方のおかげで成り立っています。
この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。