ファイナル振り返り座談会 ダンデVSキバナ File3
――――おかげさまで、今年も特集を組ませて頂いております。お二人とも常連でいらっしゃいますからご存知の通りの企画ですが、趣旨を説明させていただきます。チャンピオンとそのチャレンジャーの熱い戦いを、ご本人同士、座談会方式で振り返っていただきます。今年はチャンピオン、ダンデ選手とトップジムリーダーのキバナ選手をお招きしました。よろしくお願いします。
ダンデ(以下D)「こちらこそ、よろしく。」
キバナ(以下K)「はーい、よろしく。でも俺さま、自分のアカウントで散々そういうのやっちゃったから喋ることないんだけど(笑)」
――――面白いお話、期待してます!
K「君も図太くなったよな(笑)まあ、お手柔らかに頼むぜ」
――――さて、今回の対戦カードについて、ダンデさん。なにかございますか?
D「恒例の質問で言う事があまりないな(笑)楽しみにしていたし、決まった時には普通に嬉しかったぜ。キバナとのバトルは何度やっても楽しいからな、何度だって大歓迎だ。ファイナルは誰が来たってトレーニングの成果が出せる絶好の機会だが、キバナとやるっていうのはやっぱり特別だ。日々のあれこれがきちんと報われるっていうのはやっぱり無条件に嬉しいぜ」
K「お、まだ一度も報われたことがない俺さまへの嫌味かー?(笑)」
D「うん?いつかは報われると信じているぞ」
K「言ってろ!」
D「あ、この顔撮っておいてくれ。この、悔しそうな」
K「(カメラマンに向かって)やめろよ?これも散々自分で(ポケスタに)上げてんだから、新鮮味ないだろ~」
D「あ、真正面からは駄目だぞ。特等席でしか拝めないから価値があるんだ。見たければ皆も鍛えてジムチャレンジして、是非堂々と見物してくれ」
K「ハードル高いな(笑)これでも俺、トップジムリーダーだぜ?」
D「キバナのファンは凄いところあるからな。期待しているぜ!(カメラに向かって指を指してキメ顔)」
K「なんだそれ(笑)ダンデさーん。これ、雑誌インタビューだぜ~?」
D「そうだった」
K「天然かよ(笑)」
D「まあ、とにかく。ライバルと公式に戦えるっていうのは何より燃えるぜ!」
――――ありがとうございます。キバナさんは、勿論チャレンジャーとして一年間準備をしてきたわけですが、決勝が決まった時の心境は?
K「“今度こそぶっ倒す!”」
D「(笑)もうちょっと言いようはないのか?俺みたいに嬉しいとか、楽しみだとか」
K「うーん。誤解されそうだから、こういう言い方は良くないとは思うんだけど。俺サマにとってそこまではお前を倒すっていう目標までの通過点なんだよ。そこで喜んでる暇はねえの。楽勝~とまでは言わないけど、到達すべき中継地点なんだわ。だから、嬉しがってる暇も実感もないんだよな。そこまで行けてはじめて全部意味があるし、目標に手が届きそうな時は死に物狂いで手を伸ばすだけで」
D「だから言いよう」
K「じゃあ言い直すわ。ダンデをぶっ倒すのは他でもないこの俺サマだから、チャンスが来てめっちゃ気合い入った。以上!」
D「投げやりになるなよ」
K「なんか恥ずかしいんだよ、この手の……なんてーの、過去の心情を語る系の質問。女々しいこと言いそうでイヤ(笑)」
D「気持ちは分かるがな」
――――ストレートなお言葉ありがとうございます。ライバルと公式に宣言されて長いお二人ですが、いつからライバルとして意識していましたか?
K「いつから~?どうだろうな、覚えてねえけど……。こいつがチャンピオンになってから?」
D「俺は最初からだな」
K「最初?」
D「ジムチャレンジ開幕式の後で初めてバトルしただろう。あそこからだ」
K「えええ。それって初対面じゃね?俺サマなんかしたか?」
D「自分の全部を使って勝利をもぎ取ったバトルだった。同年代の人間では初めてそういうバトルが出来た。その嬉しさも楽しさも、君が初めてくれたんだ。だから、その時から君は俺のライバルだ」
K「あっそー」
D「俺は正直に答えたぞ。キバナは?」
K「……お前に初めて負けた時からだよ。言わなかったか?」
D「言ってたな。“次は勝つ!お前は俺サマのライバルだからな、それまで他の奴に負けるなよ!”だったか」
K「覚えてるなら言わせんなよ!」
D「変に誤魔化そうとした君が悪い」
K「なんだそりゃ」
――――貴重なお話ありがとうございます!
――――では、今回のお互いの対策はどのようにしていましたか?やはり、相手の試合を見返したりするものでしょうか?
K「うーん。最近のこいつの試合ってエキシビションも含めて大体俺とやってるから、映像見返すとかはあんまり。でも、他でリサーチはめっちゃしてる(笑)飯食ってる時とかの世間話で、ダンデがワイルドエリアに行ったとか言われたらめっちゃ食いつく。それは何月何日だ、時間は、どこら辺に行ったんだって根掘り葉掘り(笑)」
D「あれ、リサーチだったのか(笑)てっきり珍しいポケモンの情報が欲しいのかと……」
K「こっちは必死こいて逆算して気候絞ってどんなポケモン持ってくるか予想してんだよ!」
D「中々の執念を感じるな(笑)」
K「俺サマ、勝つために敵情視察は欠かさないタイプなの」
D「覚えておこう。今後は世間話も考えなくちゃいけなくなるな」
K「で、お前はキバナさま対策に何してんだ?」
D「キバナだけに特化したトレーニングや情報収集は特にはしていない。いつも通りの顔合わせだからな、気兼ねなく後腐れなく全力でぶっ叩くだけだし、特別な準備と言えるようなものじゃないと思う。皆のコンディションを整えて、調子の良いポケモンを連れて行くだけだぜ」
K「あ~~~こういうとこなんだよな~~~~~」
――――実際の決勝戦、対面してみてどうでしたか?
D「何度かこれはと思う瞬間はあった」
K「これは?(いい笑顔で)」
D「……これは、負けるかと」
K「へー。余裕綽々って顔に見えてたけど、そんなんあったんだなあー(嬉しそう)」
D「でも君が安全策に走ってくれたおかげで、結果的に助けられたな。後はリザードンの頑張りだ!」
K「そうなんだよな~。お前のリザードンの急所に当てる確率えぐい。踏ん張るし。何食わせたらあんなに急所当ててくるんだよ」
D「カレー」
K「それは知ってんだよ!(笑)」
D「二連続で踏ん張ってくれた時には俺にもリザードンが神々しく見えた」
K「神は神でも俺には死神だよ」
――――なるほど。ところでお二人とも、多分それ決勝戦じゃなくてエキシビションマッチです。
D・K「(爆笑)」
K「マジかよ(笑)でも、あー。そうか、そうだったな。二連続はエキシビションだわ(笑)」
D「お互い年だな(笑)」
K「ポプラ婆さんに殺されるぞ。俺らまだ10代だからな(笑)」
D「で、決勝ってどんな試合だったか覚えているか?」
K「プライベートも含めると、もうどれがどれだか分かんねえな」
――――プライベートでもバトルを?
D「している。ただ、リーグが始まるとお互いに忙しくなるから、オフシーズンの今の時期しか出来ないんだが」
K「ま、お互いの時間が合えばって感じ。で、結局決勝戦ってどんな感じだっけ?」
――――映像、流しましょうか?
D「すまない(笑)」
K「(映像を見ながら)おー。俺サマカッコよく映ってるなー」
D「そうか?」
K「おい、そこは乗れよ(笑)」
D「いや、思ってもいないことを言うのはどうかと……」
K「お前、ホント一回泣かす!(笑)」
D「ああ、この試合だったか」
K「ああーこれなあ。思えば初手の対面からやっちまってたなあ」
D「コータスに何の問題が?君の戦法なら安定的な選択だし、問題ないんじゃ?」
K「だからこそ大事にして一端引いても良かったかなーと。ナマズン相手なら役割もあんまりないし、交代も視野に入れて良かったはずだ」
D「結果論だろう。君のコータスなら波乗りくらいなら耐えられる可能性もあるしな」
K「結果論って言うけどな、ここで地震を急所に当てられて色んなプランがなくなったんだからな!」
D「結果論だろう(笑)」
K「お前のポケモン、ホントどうなってんの……」
D「キバナの試合の時は皆張り切ってるからな。前日はめちゃくちゃカレーパーティーしたし、成果が出てるだろ(笑)」
K「出すぎなんだよ。怖いわ」
D「ここはな、仮想敵のコータス以外にナマズンの活躍所は殆どないと思ってたから、正直どうしようか困ってしまって。努力値も防御に振っていたから攻撃しようにも早さも威力が中途半端になると思ったしな。とりあえず濁流を指示したが」
K「俺は交代読み、仮に居座っても大丈夫なようにフライゴン出したけど怖かったな。フライゴン見ても引かねえから超ビビってた。まだ何かしてくるのかよって。もうな、急所に当たらないように祈ってた。無事にぶち当てたけど」
D「必死すぎないか?(笑)」
K「俺のパーティーは運に頼るゲームスタイルしてないんだよ。おかげで挽回できるチャンスも少ないから、必死にもなるし」
D「この辺りの俺の動きは、なんだか噛み合ってないよな。試合中なのに笑ってしまった」
K「この獰猛な笑顔、そういう顔だったのかよ(笑)」
D「俺も必死だったんだ」
K「どういう?(笑)」
D「こうやって見ると、なんかバタバタした試合だな……」
K「いつものチャンピオンらしくないんじゃねえの?」
D「それはな、試合中から思っていた。反省している」
K「いや別にそこは反省しなくて良いけど。それにしても、この時、大分構成も戦法も変えてきてたよな。なんで?」
D「いつもキバナが楽しそうだったからな、俺なりに天候を取り入れてみようと思ってやってみたんだ。とは言っても、雨ごいと日本晴しか入れてなかったが」
K「あっそー。で、使ってみた感想は?」
D「自分で言うのもなんだが、似合わないんだろうな。あんまり天候の恩恵も実感できなかったし、あまり性に合ってないんだろう」
K「天候って言っても俺サマとは全然スタイルが違うから細かいことは言わねえけど。戦術として大味すぎだな、もうちょいどうにか何とかなったろ」
D「それは自分でも反省している。この、バタバタした感じをずっと引きずってしまってな。この試合は本当に駄目かと思ったぜ」
K「そんなのを俺さまとの試合に当てるなよ!」
D「まあ、勝ったが?」
K「結果論だろ!」
D「ポケモン勝負は結果が全てだからな!」
K「ぐうの音も出ねえ」
――――決着がついて、どうだったでしょうか。感想をお聞かせください。
K「負けて悔しかったけど、でもチャンピオンらしくない試合で俺サマは面白かったぜ。次何してくるか全然分かんねえから、変な汗も出たけど(笑)なんか久しぶりに、ダンデのバトルスタイルが変わるのかと思って、ワクワクもしたし、その場で考えること一気に増えてアドレナリンめっちゃ出た。試合後は長い間バトルハイから戻れなかったし、楽しかった。でもここで話聞いてたら、ダンデのこと持ち上げすぎなのかなって思い始めたわ。もうちょい研究してからぶつけろ、大事な大事な俺サマとの公式試合をもっと有難がれ!(笑)」
D「キバナレベルの調整は難しいんだ」
K「スケジュール合わせてやるから、もうちょい調整いれろって」
D「(嬉しそうに)じゃあ、後で頼む!」
K「で、ダンデはどうだったんだ?」
D「感想。難しいな。楽しかったぜ!」
K「素直か(笑)もうちょい何かねえの?」
D「そうだな……。もっと新しいことをしたいと思ったな」
K「へえ?」
D「試合直後のインタビューの繰り返しになるんだが。俺はチャンピオンとして、ポケモントレーナーのひとりとして新しい挑戦をし続けるし、その中で勝利していきたい。それが今回の試合だし、結果だ。まあ、内容については未熟の一言に尽きるが、それでも新しいことをしながら勝利できたのは俺にとっては大きな一歩だったぜ。そういう俺の姿勢を示せたと思うから、反省はあっても悔いのない試合をしたぞ!」
K「正直、こんなグダグダな決勝戦で申し訳なかったな。代わりと言っちゃなんだけど、エキシビションマッチは見れるものにしたから許してくれ(笑)」
D「お互い空気を読みまくったな(笑)個人的にはあの時、目で“次、リザードンだぞ”って言ったのが伝わって嬉しかった(笑)」
K「あれな(笑)露骨すぎて俺サマめっちゃ笑ったわ(笑)それに乗ってジュラルドン出した俺サマも大概だけどな!」
D「あれは盛り上がったな」
K「盛り上がったけど、お前が露骨にやるからポケスタで散々言われたぜ(笑)」
D「キバナだけに伝わるようにやったつもりだったんだが……」
K「いやアレは無理だろ、見たらバレるわ(笑)」
D「でも、リザードンも君のジュラルドンとのバトルを楽しみにしていたからなあ。あの対面は必要だったんだ」
K「エキシビションだし、盛り上げたもん勝ちってことで。勝てなかったのは悔しいけどな!」
――――ありがとうございます。そろそろお時間になります。
K「結局、ファイナルのこと話したのはちょっとだったな。エキシビションのことばっか話してた気がする(笑)」
D「話題が逸れるのはいつも通りだから良いんじゃないか?編集さんが良い感じに頑張ってくれるさ!」
K「まちがいない(笑)」
――――では、最後に。いつものやつ、お願いします!
K「ぜってえ次は勝つ!覚悟しろよ!」
D「受けて立つ。やってみせろ!」
――――本日はありがとうございました!