全集・大全

　『青森ねぶた全集』は、2016年（平成28年）に編著・刊行された郷土資料集で、現在は青森県立図書館に所蔵されています。歴代の青森ねぶたの基礎資料（出陣記録・下絵・写真・詞書・受賞詳細・作者団体の経歴等）を可能な限り収録し、年代別・作者別・団体別といった従来の分類に加え、造形別・題材別など造形美術の観点から見た新たなねぶたの分類を試みています。各種SNSでも発信中。数多くの市民や関係者のご協力を賜り、大学院在学中に一通り仕上げました。

　web上のアーカイブ版では、「馬ねぶた」、「◯◯氏制作の一人ねぶた」、「波飛沫があるねぶた」など、造形や題材を細かく指定した検索が可能ですが、版権に関わる画像（主に下絵）も網羅しているため、現在は一般公開を控え、展覧会開催時などに限定公開しています。

　青森ねぶたのアーカイブ化に倣い、津軽各地のねぶた・ねぷた資料を収集し編纂を目的としたのが「津軽ねふた大全」企画です。これら全ての資料が揃い、自由に閲覧・検索・比較が可能となれば、青森県のねぶた・ねぷた文化の保存と郷土芸術としての発展に貢献できるものと目論んでいます。感覚としては、世界各地の美術大全の県内ねふた版。今後の作り手の参考資料にもなり、青森県の芸術文化の美術資料集となることを期待しています。

現在は過去の資料収集と分析調査、学術の場への発表、これに付随する講演や書籍への寄稿・執筆活動が主で、また祭の時期には各地の山車を見に回り、SNS等でその迫力や美しさを発信しています。